誰が書いたエッセイか全然思い出せない上に、何に書かれていたのかまったく思い出せないのだけれど、いちおうあらすじをかいつまんで言うと次のようになるだろう。 私は疲れ切っていた。疲れているが、友達の女の子がパフォーマンスをする、というのですさまじく長い時間かけて中野(だか荻窪)だかにたどり付いた。駅前のもさっとした男性がこちらです、と案内してくれたが、その案内はほとんどデタラメだった。それからいろいろあって一時間だか二時間だか後に寂れたビルにいきつく。ビルにはその見慣れた女の子が着飾って神妙な表情をし、いまから何かをはじめる、とか、この舞台はこうこうだ、といった説明もなにもかもなにもないままに、えらく時間をかけてゆっくりとバナナを食べ始めた。階段に寝っ転がって(たぶん階段の4段目から12段目ぐらいにかけて寝そべったのだろう。頭を下にして)バナナを食べた。バナナを食べ終わると、そのまま寝っ転がっ