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掃除・片付け
note.com/kadooka
賀川豊彦(1888-1960)の妻・ハル(1888-1982)を主人公にした小説『春いちばん』(玉岡かおる、家の光協会、2022年)を読み直し違和感を覚えたのは、賀川の偉人ぶりやハルの夫に対する従属性だけではない。彼女の容貌に対するコンプレックスの記述が異様に多いのだ。 賀川は明治の末期、神戸・新川しんかわのスラムで、キリスト教の伝道と救貧活動を始めた。それらの体験を含めた自伝的小説『死線を越えて』(改造社、1920年)で、自らの恋愛・結婚観や、ハルとのなれそめを詳しく書いている。『春いちばん』は『死線を越えて』をベースにして書かれているので、賀川の価値観が色濃く出ている。 独身時代に賀川が悩んでいたのは大雑把に言うと、結婚する女性は容貌か性格かという二択問題だった。『死線を越えて』には、見た目に関する記述が頻繁に出てくる。ハルについては、<その婦人は一寸見れば、どこかの細君のようである>
久しぶりに机の上を整理していたら、1月16日付けの朝日新聞朝刊の切り抜きが出てきた。今年は関東大震災の発生から100年にあたる。28年前に起こった阪神・淡路大震災と併せて、1月に開催された「復興・減災フォーラム」(関西学院大学災害復興制度研究所主催、朝日新聞社後援)の内容が報告されている。 私がこれを切り抜いたのは、作家で大阪芸術大学教授の玉岡かおる(1956年、兵庫県生れ。敬称略、以下同)が、「特別講演」で賀川豊彦かがわとよひこ(1888ー1960)について語っていたからだ。 農民組合・労働運動の指導者、生活協同組合の生みの親として、またミリオンセラーの自伝的小説『死線を越えて』(改造社、1920年)の作者として知られる賀川は、20代以降の10年余を、兵庫県神戸市のスラム・新川しんかわに住み込み、キリスト教伝道と救貧活動に励んだ。 そこでの見聞などを『貧民心理の研究』(警醒社、1915年
兵庫県神戸市内にある元町映画館で、7月23日から部落問題をテーマにしたドキュメンタリー作品『私のはなし 部落のはなし』(満若勇咲監督=写真左)の公開が始まった(8月5日まで)。初日の上映後に、舞台上で満若監督と対談した。実は公開直前にも対談したことがあり、制作の意図などは以下を参照いただきたい。 https://www.jinken.ne.jp/flat_now/buraku/2022/07/22/1813.html 公開後の対談は今回が初めてで、観客やメディアの反応などを中心に聞いた。 満若 監督の満若です。本日は暑い中、3時間半の映画を観ていただき、ありがとうございます。短い時間ですが、ゲストの角岡さんとのトークをお楽しみいただければと思います。 角岡 フリーライターの角岡です。今日はファッションの街・神戸に来るので、気合いを入れてきました。(会場笑い) 満若 気合い入ってますね (笑
1922年3月3日に結成された被差別部落民の運動団体・全国水平社が、このたび100周年を迎えた。さまざまなメディアで紹介されたので、視聴された方もおられたことだろう。 部落で生まれ育ち、この問題をテーマにして書いている私も、創立100年を機に新聞のインタビューを受けたり、テレビ番組に出演したりした。まるで”水平社藝人”ではないか。水平社創立に関してメディアは手離しで礼賛し、その片棒を担いでいるのが他ならぬ私なのだが、実は複雑な心境だ。 部落差別は、時間が経てば自然になくなるわけではない。当事者自らが立ち上がり、声を上げない限りなくならない。そう決心し、組織を設立した意義は大いにある。 ただ、部落解放運動は、なくなったはずのエタ・非人という存在を忌避しながら、それを認めたうえで差別に反対するという矛盾をはらんでいた。差別に反対すればするほど、部落民の存在は薄まるどころか、明確になっていった。
ブログを再開しました。 7年余り続けていたブログを終了して、1年余りがたつ。50歳で始めたから、タイトルは『五十の手習い』。気が付けば、もう58歳。還暦が迫っているではないか。五十とか、手習いとか、言っている場合ではない。 すぐに再開するつもりが生来の怠け者ゆえ、ずるずると時が過ぎ、季節がひとめぐりした。ゆるゆるの生活も、もう飽きた。そろそろ錨を上げて、出航(出稿)することにしよう。フリーライターの平々凡々な日常(?)をつづりたい。 善は急げ!? 人生も半ばを過ぎると、ああなりたい、こうしたいと夢見ることよりも、ああだったな、こうすべきだったなと振り返ることのほうが多い。後ろ向きに歩いているような気がしないでもない。 私が社会人になったのは20代の半ば。兵庫県の地方紙記者としてスタートしたのだが、5年弱いただけで、30歳で退社した。その後、私と同じように地方紙を辞めた元記者を取材して書いた
地方紙を中途退社した記者たちを追った「神戸、辞めてどうなるのか。」の第1回。「誰に何を伝えるか」全4回。
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