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note.com/kenichiro_hara
2023年からMicrosoft, Meta (Facebook), Alphabet (Google)などが大きく業績を伸ばす中、WeWorkの破産や電動スクーターのBirdの破産のニュースが相次ぎました。一時期は時代を代表する"テック"スタートアップと言われ、ユニコーンとして注目されていた企業に何が起きたのか。現在業績を伸ばしているテック企業とは何が違ったのか、ここから学べることは何か、この記事で触れてみたいと思います。 1. テック主導型とテック強化型 現在もスタートアップの多くがテクノロジーを活用していると思いますし、Meta(Facebook), Alphabet(Google), Microsoftなどの多くのソフトウェア企業も、破綻したWeWorkやBirdも、どちらもテクノロジーを活用して業績を伸ばした企業です。ただし、こちらの2つの企業タイプには大きな違いがあります。 テ
この記事では、スタートアップ経営においてもっとも難しいトピックのひとつ、「ピボット」について書きたいと思います。ピボット(事業の転換)は起業家の方に相談を受けるときに、かなりの頻度で聞かれるトピックです。 ピボットは、事業がうまくいかなくなったときだけ行うものではありません。この記事にはピボットを検討している起業家だけでなく、これからバリュープロポジションを考える方、事業が順調な方にも読んでもらえたらと思います。 「出る前に負けること考えるバカいるかよ」と思うかもしれませんが、じっとこらえてピボットという概念について考えることが、事業が始まる前や事業がうまく行っている時、でも大事になる、ということも書きたいと思います。 ピボットとは何かピボットという言葉を生んだリーンスタートアップのエリック・リースの言葉を借りると、ピボットとは、「プロダクト、戦略、成長に関する新しい根本的な仮説を試すため
"取締役会"、"株主報告会"と聞いて何を思い出すでしょうか。 報告、資料作り、数十ページのパワポ、いつものフォーマットの数字のアップデート、社内リソースの負担、いつもと同じ質問の繰り返し、大量のVC参加者、発言のない参加者、zoom画面の右下に表示される10を超える参加者数。 このnoteは一つでも当てはまった起業家の方に向けて書いています。 取締役会は"もしうまく機能すれば"、本当に強力な、社内にはない経験と知識を利用できる場、長期的な視点に立ち大局観がもてる場、効果的に意思決定ができる場になります。 Twilioの共同創業者CEOのJeff Lawson氏がこのように言っています。「CEO、創業者として、自分を助けてくれるチームを2つ作ってきた。経営陣と取締役会だ」 一方で、ただたんに時間と労力を使い続ける最大の無駄な時間となりがちなのも取締役会や株主報告会。意思決定が遅く、非効率な企
この記事は投資アドバイスを目的としたものではなく、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 この記事は現在のマクロの状況を鑑みて、スタートアップがどう事業計画を見直すべきか。どういうスタートアップが攻めるべきで、どういうスタートアップが守るべきか、フレームワークを提示するために書きます。 この記事の中では現在のマクロの状況についても言及はしつつも、深い言及や分析は避けます(マクロ分析についてはそのプロの分析を頼ってください)。 もし時間がなく、一部だけ読みたい方は、「はじめに: 現状の状況と認識にについて」と「3. Burn multipleと成長率」と「最後に: 起業家の方へ」をお読みください。(でも全部読んでくれたらうれしいです) はじめに: 現在の状況と認識について現在の状況2022年5月27日現在アメリカのテック企業が多く集まる株式市場であるNASDAQは2021年の最高値か
先日Atama Plusが51億円のシリーズBラウンド、CADDiが80億円のシリーズBラウンドの調達を発表しました。どちらも2018年にDCMからシード投資を行った企業です。2つの企業は創業から順調に事業を伸ばしていますが、共通していることがあります。 2社に共通していることはプロダクトローンチ前のシードラウンドと数十億円後半を調達するラウンドで説明されている「バリュープロポジション(value proposition)」が同じということです。 (↓のCADDiの今回のピッチデックのバリュープロポジション。これと全く変わらない実際のシード資料の数ページをこのnoteの中で添付します。それを見たい方はそのパートを是非) 「バリュープロポジション(value prop)」とは企業がユーザーに提供する価値を表したものです。僕が個人的にプロダクトローンチ前の企業に投資するときに最も気にするのがこ
Noteを書き始めて一番最初に「米国VCが好む起業家の7つの特徴」という文章を書きました。その記事では書かなかった起業家の「当たり前の」性格、そもそもこれがないと多分起業すらしないだろうという、"起業家気質"について今回は書いてみます。 これらの性格は起業家だけに共通するものではありません。スタートアップにいる人たちの多くが持つ性格です。最近大手企業などにいる方や様々な人がスタートアップへの転職に興味を持ってくれるようになりました。そういう方にも参考になればと思います。 1. 楽観性英語で"What could go right vs what could go wrong" (何があれば上手くいくか vs 何があれば失敗するか)という言い回しがあります。 この2つの立場によって、なにか選択肢を考えるときに同じデータがあっても、同じ状況でも、発想や物事への取り組みが大きく変わります。 スタ
「それってただの機能じゃない?会社になりえるの?」 これはベンチャーキャピタルで働いていて、スタートアップに投資する際によく社内で議論される論点の一つで、特にアメリカではよく聞くセリフです。最近この「機能(Feature)と会社(Company)の違い」について色々考えさせられるニュースがあったので、この質問の意味を説明してみようと思います。 猫も杓子もストーリーTwitterで"Fleet"というInstagramのストーリー機能の類似機能が登場しました。ストーリー機能はTwitterだけでなく、キャリアSNSのLinkedInでも今年ローンチされ、至るところで登場しています。 ↓TwitterとLinkedInアプリの上部に登場した"ストーリー"機能 そのせいでネット上では、エクセルのストーリー機能、計算機のストーリー機能などパロディも登場する始末です。 「機能」はコピーされるストーリ
投資先の採用候補の方とお話することがよくあるのですが、その中で、「A社はプロダクトもしっかりしているように見えるしもう出来上がっている。やはりまだ発展途上な企業のほうが学びも多いし面白いのではないか」と、成長著しいA社に入ることを悩む方によくお会いします。せっかくなので考えを簡単にまとめてみます。 個人的には成長著しいスタートアップでの経験をお勧めしています。成長企業の経験の方が自身の成長に向いており、新たな学びで溢れています。そして何より成長する企業は、完成する事がありません。 自分=自分の周り5人の平均僕が好きなキャリアの考えの一つは「人間はよく時間を過ごす周り5人の平均になる。」というものです。最も正しく"楽な"キャリアの考えの一つだと思います。 成長するスタートアップは、ずっと人材を吸収し続け、どんどん優秀な人が入ってきます。そのような環境では、自分の周りが常に優秀な5人で、かつど
マーケットサイズについてのNoteでSequoiaのDon Valentineのインタビューを載せました。そこで彼は、マーケットの大きさだけでなく、マーケットダイナミクスや競争環境についても言及しています。 We have always focus on the market, the size of the market, the dynamics of the market, the nature of the competition because our objective always was to build big companies. If you don't attack a big market, it's highly unlikely you're ever going to build a big company. 我われはつねに市場を重要視してきた。マーケットの
前の記事に書いたGmail開発者のPaul Buchheitの言葉を再掲します。 (巨大なテック企業になるためには何が必要かと聞かれて) Google, Netflix, Amazonのようになるために必要なことは、指数関数的な変化の上で事業を行っている事。インテルや初期のマイクロソフトやアップルは"マイクロコンピューターの勃興"という変化の上で事業を行っていた。マイクロコンピューターがなければ、マイクロソフトは当然成功していなかった。Googleも同様で、Googleは"インターネットの成長"という変化の上で事業を行っていた。オンラインでの情報が指数関数的に増える事で、Googleの使いやすさは増していった。この記事では、その"変化"について書きます。基本的なマーケットの考え方はこちらの記事に書きました。 多くの指数関数的な市場成長の背景には、1)新しいデバイス、プラットフォームの浸透、
このような未来予測の難しさは他にもいくつも例があります。下の例は太陽光発電の普及の予測。色がついている線がIEAという団体による予測で、黒い矢印は実際の普及です。毎年毎年「もうこれ以上は伸びない」というIEAの予測を、上回り続けています。 その他にも有名な予測と実際の乖離の例は、IEA (International Energy Agency)による、太陽光発電の普及。毎年毎年上方修正するも、さらにそれを上回る太陽光発電の普及。https://t.co/BOwpfBdMs5 pic.twitter.com/vMgRnuXqz6 — Kenichiro Hara| DCM Ventures (原健一郎) (@kenichiro_hara) November 8, 2018 このように、コンサルやシンクタンクによるレポートの、新しい産業、新しい製品についての将来予測は難易度が高いです。 そして
moat /moʊt/ [名] (都市・城壁の周囲に掘られた)堀 Moat(モート)とはウォーレンバフェットと盟友のチャーリーマンガーが様々なインタビューで繰り返し繰り返し述べている事業において最も大切な概念です。 僕が投資家として、最も時間と思考を費やしている対象もMoat(モート)です。 バフェット/マンガーにはMoatについてのいくつもの引用がありますが下記の質疑応答の一部がわかりやすいです。 The most important thing, what we're trying to do is to find a business with a wide and long lasting moat surrounded and with protecting a terrific economic castle with an honest Lord in charge of t
DCMベンチャーズの原です。この記事は別記事の一つのカテゴリとして書いていましたが、昨今の経済環境の変化から、これまで多くのスタートアップが行ってきたアグレッシブな経営手法に変化が求められているので、しっかり書くことにしました。具体的には"とりあえず競合より安く製品やサービスを提供"、"利益率は度外視で成長"という姿勢から、本質的なコスト優位性が求められてくると思っています。 スタートアップのプロダクト/サービスは安いのかスタートアップにとって、"既存のプロダクトやサービスより安い"ということはとても重要なユーザーへの価値でした。実際多くのスタートアップが"既存のプロダクトより安くする"ことで成功してきました。 イノベーションのジレンマのように、複雑化、高品質化しすぎた既存製品を簡素化することでコスト減を達成するSaaSに代表される企業。 広告の取り方を工夫して無料でサービスを展開するよう
こんにちは。DCMの原です。前回の起業家についての記事で"頭の使い方"の特徴についてのポストを書いたので、今回はその続きで"他人との関わり方"の特徴についての記事を書きたいと思います。 繰り返しですが、これらの特徴は網羅的でもなければ、成功に必要な条件でもありません。ぜひ前の記事から読んでいただけたらと思います。 B. 他人との関わり方B-1. Convincing/Vision: 説得力/ビジョン スタートアップの起業家にとって説得力はとても大事なスキルとなります。 Benchmark CapitalのBill Gurleyは下記のように述べています。 One of the traits that you will see in successful entrepreneur is an incredible storyteller... if you want to recruit,
Moat(モート): スタートアップの競争戦略概論 moat /moʊt/ [名] (都市・城壁の周囲に掘られた)堀 Moat(モート)とはウォーレンバフェットと盟友のチャーリーマンガーが様々なインタビューで繰り返し繰り返し述べている事業において最も大切な概念です。 僕が投資家として、最も時間と思考を費やしている対象もMoat(モート)です。 バフェット/マンガーにはMoatについてのいくつもの引用がありますが下記の質疑応答の一部がわかりやすいです。 The most important thing, what we'r
同時に書いた"基礎編"では、若干細かい内容になるのでこちらのポストに記載することにしました。ただ、この内容もただいろんな記事をまとめただけの、"やや実践編"です。大切な真実、本物の実践、一番新しい方法、最先端、は常にプロダクトの現場にしかありません。また、こういう基礎が全部知りたい人はY Combinatorのスタートアップスクールがおすすめです。2015-2019、全部見て欲しいです。 基礎編はこちらです。 PMFをはかるとき(見つけるときも同じですが)、対象となるユーザーが、友達や近しい人だと正しいフィードバックをくれない可能性が高いです。無料ユーザーについても同じです。ユーザーは、自分との距離が遠くなり、お金を払っていればいるほど、正しいフィードバックをくれます。 1. 先行指標 1-1: Sean Ellis test. このプロダクトが明日なくなったら困るか? DropboxやE
昨日TwitterでPMF(プロダクトマーケットフィット)に大切さについて書いたので、それについて、PMFがあるとどういう状況になるかという具体例、PMFのはかり方と見つけ方、を加えてNoteにします。この記事を書く理由は、PMFの大切さを伝えたい、多くの起業家にPMFを見つけてほしい(すなわち成功してほしい)からです。 1) 米国ではシリーズAの絶対条件がPMFでPMFがないとどんなにピカピカ優秀な経営陣でも無理。なぜならPMFが事業成功の唯一の必要条件で会社が潰れる最大の理由もPMF. PMFがあるかどうかは人に説明するものではなく、数値を見れば誰の目にも明らかなもの。Y conの教えを一言で言うとPMF見つけろ、です https://t.co/FsKxk7242d — Kenichiro Hara| DCM Ventures (原健一郎) (@kenichiro_hara) Janu
自己紹介DCMベンチャーズというシリコンバレーのベンチャーキャピタルで、スタートアップに投資をしている原です。 思い立ってNoteを始めることにしました。文章にするなら最初は好きな起業家の話にしようと思ったので、その起業家の特徴と具体例について書きます。趣味で海外のVCとか起業家のインタビューを見るのが好きで、彼らがよく話す"成功する起業家の特徴"からまとめて絞り込みました。それぞれの特徴と僕が投資実施前から深く関わっている起業家の方をご紹介させてください。 はじめに読んでいただきたいこと抜け漏れ: このリストは300-500くらい見たり聞いた起業家やVCのインタビューから成功する起業家の条件をリストアップして、それをカテゴリにまとめて、DCMでの経験から優先順位を付け絞りこんでいます。なので抜け漏れはありますし、この特徴に全く当てはまらなくても成功する起業家の方もたくさんいると思います。
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