人生を受け止める仕事「私、前職では注文住宅の営業をやっていたんです。ほとんどのお客様にとって、人生でたった一度の大切なお買い物です。なにかあると、時間も曜日も関係なくお客様から電話があります。ちゃんと対応しなきゃって思って夜遅くでも休みの日でも対応していて、そういうことを何年か続けて、もう疲れちゃったんです。あるとき、自分の人生って何なんだろうな、と思って、会社を辞めました。」 注文住宅の営業をやっていたある人の話だ。 だが今回編集者の中村明博さん(ダイヤモンド社)と一緒に本をつくって、編集の仕事はこれと似ていて、さらに大変で、そして偉大な仕事だと思った。 中村さんの編集方針は「無名の人を有名にする」。つまり、はじめて本を書く人の本をつくる。そして著者には「本は自分の分身だと思ってください」と言う。「人生ではじめての」「自分の分身」なのだから、著者は本気で取り組む。どうしたって細かいことも