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久しぶりの note への記事投稿です。 さて、X上のとあるやりとりで、「高卒だけど大卒より金稼いでる」と自慢しているとある人物が、憲法解釈や人権問題について誤った話を繰り広げている様子を見た。基本的な誤りが多いため、多くの人々からそれを指摘する投稿が多数寄せられていたが、本人的にはその誤った部分の理解すらできておらず、自分の主張について相当の自信をもって投稿を続けている。 その様子を見ててて、なぜそのような誤った思考に陥り、相当の確信を持って語ってしまうのか?について考えたくなった。 誤解が無いように書いておくが、「高卒だから頭が悪い」とか「高卒だから正しい思考ができない」とは全く思わない(うちの両親は大学出てない)。 しかし、考えを進めていくと、高校までの学びと大学以降の学びの基本的な違いがあり、そこがベースになって、「考えること」=「学び」についての根本的なエラーが起きている可能性は
私、個人的に思ってるのが、修士号と博士号の違いって、どれだけ”知”や”先人の業績”にリスペクトできるかにあると思っていて、修士号よりも博士号のほうが、なんていうか「謙虚さ」が増すように思う。 博士号レベルで研究をするということは、自分の研究領域やその関連領域の”海”の広さへの自覚を持たされるということであって、そこでは自分の知らないこと・わかってないことがとんでもなくあるという認識を持つことになる。結果として、自分自身がいわゆる”巨人の方の上に立つ”ことしかせいぜいできないのだ、という謙虚さにつながる。 また、その研究の過程で行われる議論というものは、非常に哲学的なもの含めて、修士レベルより上位な・抽象的な議論が必要とされる場合がある。そりゃそうだ。言ってみれば、一般的な修士論文数本分になることもあるわけで、つまり論文A, 論文B, 論文Cより概念的に上位のことを論じることができなければ、
ほとんどのメディアというのは、『暮しの手帖』などの一部メディアを除いては、(純)コンテンツと広告との共生関係にある。このことは紛れもない事実であり、メディアの歴史もそのように進んできている。 もともとメディア事業というのは多大な設備投資が必要なものであった。紙媒体であれば印刷や配送に関するコストがかかり、放送媒体でであれば送信設備などにコストがかかる。そのため、メディアを始めるというのは設備産業そのものだったのである。 しかしながらインターネットの世界に関しては、メディア運営のコストは大幅に低下する。 印刷や配信・送信のための設備は不要だし、それらに匹敵するサーバーやCMSといったもののコストは、従来媒体のコストに比べればかわいいものだ。 そして、従来のマス四媒体においては、人的な営業による広告販売がその収入のほとんどを占めていたのに対し、(初期はそれらと同様だったけれども)インターネット
※上記のGoogleロゴは当時のものです。 たまに昔のインタビューや記事をネット上からサルベージしておかないと、気づいたら無くなってしまうので、時間があるときに粛々と過去の仕事を集めてます。 今回は湯川鶴章さんらによって開催された、『時事通信広告テクノロジーセミナー』にてGoogleの広告について話をしたときの内容。増田さんの管理している TechWave のほうはまだありますが、湯川さんのほうの『湯川鶴章のIT潮流』が無くなってしまったのは残念。今となっては資料的価値がめちゃくちゃあるのに。 新しい広告とは広告プランニングのシニア・マネジャー ペタろうと電子年賀状。自分たちでビジネスを作っていくおもしろさを忘れられずに、グーグルに 「新しい広告への挑戦」 広告、「広く告知する」というのがこれまでの広告ビジネス。広告という言葉をとらえなおさなければならない時代になっている。 「消費者の役に
私が日経BP主催の『B2Bデジタルマーケター養成講座』を企画して以来、10年超の友人である佐藤岳氏。その佐藤氏が独立して立ち上げた G-AX のサービス紹介記事より。 また、佐藤氏は私が主宰している『デジタル時代のB2Bマーケティング講座』の修了生でもあり、現在でも時たまチューターとして、同講座の助っ人をしてくれている仲である。 彼が他のB2Bマーケターと違うところは、リード獲得のいわゆるセールスマーケティングの支援をしつつも、それを行うためのプロダクトマーケティングや(単なる売り手主導のマーケティングではなく)「買い手を支援するマーケティング」(※これについては別で書くが、『デジタル時代のB2Bマーケティング講座』では、“Buyer Enablement を実現する”として教えている)という思考が頭の中に入っていることである。 そんな佐藤氏が得意とする手法の一つが、「記事広告」である。
MRRだけを追い求め、なかなか軌道にのらない事業、多くあるんじゃないか? という話。特にSaaS/サブスクリプション界隈。 今日とあるミーティングでの話になったんだが。 特にSaaS系で、MRRを追いかけることが多いと思うんだが、サブスクリプションなどのモデルでそれだけを追い求めた結果、コスト高になった部分を回収できるようなプライシングモデルになってしまってるところが多いよね、と。 SaaS/サブスクリプションは、テーラーメイドで顧客にサービスや商品を提供するわけではなく、ある程度パッケージやテンプレ化されたものを提供するので、一見「手離れ」が良く、1アカウントあたりのコストも低くなり、そしてスケールしやすいと思われがちだ。 しかしながら実際は、インサイドセールスだ、カスタマーサクセスだと、実はアカウントごとのLTVやcharnを追うと、非常にコスト高になりやすい。また、獲得のためのマーケ
以下の内容をTwitterやFacebookに投稿したら、結構反響があったので、noteにも保存用として転載しておこうと思う。またnoteはboldが使えるので、特に注目してほしい箇所は太字にしておきます。 【マーケティングの施策を考えるときに必要な準備】 1/まず考えること ・誰に ・どうなってほしいのか or どうしてほしいのか 2/次に想定すること "誰に"の”誰”は現在どのような状況・態度・意識にあるのか? 3/"差分"を明確にすること、 (どうなってほしい or どうしてほしい)ー(現状の状況・態度・意識)=ここの差分の解消がマーケティング活動が関わる領域。 【その”差分”埋めるためのマーケティング活動を企画するために必要な作業】 (1)誰に=必要なセグメンテーションを規定する (2)セグメントするために必要なデータを整理する ・現状持っているデータ ・持っていないデータ →これ
※このリストに興味のある方は上記マガジンをフォローしてください。今後リストが追加されたときに通知が行きます。 ※この書籍リストは同一マガジン内で重複して紹介している書籍があります。 ※複数の論文が入っている場合、特にここを読んで欲しいという箇所がある場合は、書籍のリンクの下にその箇所についての記述があります。 【実務・実践の方法を学ぶ】編ここでは、実際の現場の実務・実践に“直接”役立つ本を紹介します。 正直、この領域の書籍については、今B2Bマーケティングブームなこともあり色々な書籍が出ています。中には製品・サービス紹介やポジショントーク的なものありますし、個人や一企業の経験をさも一般化できる“理論”かのように謳っているものもあります(というかそういうもののほうが多いかも)。その中から、私が一度読んでいただきたいおすすめの実務家本・ビジネス書を以下に挙げます。ちなみに、エンタープライズ系の
B2Bマーケティングにおいて、「コンテンツ」が必要な本質的な理由 〜 B2Bコンテンツ・マーケティングを深いところで考える。 現在、第8期を開催中の『デジタル時代のB2Bマーケティング講座』やコンサル・顧問先で、「B2B企業にとってなぜコンテンツが有効・必要なのか」という話をすることがある。 “コンテンツ・マーケティング”というと、えてしてSEO対策だの、サイト集客だの、リードナーチャリングだの、そういうデジタル領域のプロモーショナルな視点でTIPSめいたものが説かれるものだ。その理由は、コンテンツマーケティングというものを、「デジタルマーケティング」の文脈からしか説明ができていないからだ。 しかしながら、「なぜB2Bマーケティングにおいてコンテンツが重要なのか?」ということについて、B2B取引やB2Bマーケティングの観点から本質的な説明がなされているものには出会うことがない。 そういった
B2Bマーケティング > セールス・マーケティング なんですけどね。(別題:B2B取引におけるマーケティング対象者についてちゃんと考えようよ) 今朝方、某有名メディアにて6月くらいからB2Bマーケティングの特集?連載?がスタートするということで、インタビューを受けていた。 90分ぐらいかな、そのくらい話をした中で、「日本の今のB2Bマーケティング界隈は、B2Bマーケティング=セールス・マーケティングになってしまってる」って話になった。 「プロダクト・マーケティング」の話が出てこない、と。 最近では、「プロダクト・マーケット・フィット(PMF)」と言った話が急に出てくるようになってますけれど、そういう新語・バズワードに飛びつく前に、もっと基本から考えようよ、というのは私と私が周辺(私塾生やゼミ生)に求めるもの。 で、B2Bマーケティングには、ヴァーチカル・マーケティング、フィールド・マーケテ
最近、これしか食べてないんじゃないか? と思うほど、毎日買って食べている。 「八代目儀兵衛」の名前を聞いても、多くの人が「それ、何の会社?どこの老舗?」っていう感じでしかないかもしれないし、セブンイレブン・ジャパンの今企画で初めて名前聞いたという人も多いかも知れない。 「八代目儀兵衛」ってなんなの?というと、きっと一般的なカテゴリーでいうと(飲食店運営もやってる)「お米屋さん」という位置づけになると思う。自社がお米を作って販売しているというイメージもあるかもしれないが、 生産者さんが手塩にかけて育てた最高においしいお米を、最高においしい状態で食べる。その体験を一人でも多くの方に届けられたら、日本人のお米離れはゼロになると、真剣に考えています。 同社”儀兵衛の「志」”よりであり、同社の企業情報でも、「米及び関連商品の販売・飲食店運営」とある。 同社サイト”八代目儀兵衛のサービス”よりしかし、
※本文章は2021年に mediologic.com で書いたものの転載です。昔のブログの記事をnoteに徐々に移植しています。 以下に書くのは,"原DX”の話である。 紛れもなく,これまでのキャリアの中で自身の思考に影響を大きく与えたことの1つは,博報堂にかつてあったインタラクティブ局に在籍していたことである。その時期に話をされていたことを書こう(そもそも当時ですら知ってる人は少なかったと思うが)。もう20年近く前の話だし,誰も書くことはないだろうから。あるいはこの文章を博報堂の誰かが目にして,博報堂の戦略の”見直し”に刺激となればうれしくおもう。 2000年前後,当時は”サイバー”や”デジタル”という名称がついた企業や部署というものが広告業界の中で多数生まれた時期であったが,博報堂においては”インタラクティブ・カンパニー/インタラクティブ局”という,当時としては珍しい独立採算のカンパニ
※本文章は2018年に mediologic.com で書いたものの転載です。昔のブログの記事をnoteに徐々に移植しています。社会構想大学院大学は社会構想大学院大学に校名変更しています。 これは全くもって個人的な意見なのだけれども、今年の4月から東京・高田馬場にある「社会情報大学院大学」という社会人大学院で教鞭をとっていて思うこと。 二年間という「時間」と「学費」を”掛ける”学生たちに対して、果たして「実学」的なことや、「ワークショップ」やあるいはゲストを読んで「事例」(≠ケーススタディ・ケースメソッド)を聞かせることが本当にいいことなのだろうか?ということ。 そうしたプログラムは確かにその瞬間は役に立ったかと思うかもしれない。しかし正直なところ、そんなタイプの勉強は「大学院」にいなくても今では同様の学びを得ることはできる。 じゃあ「大学院」で教えるべきことはなんなのか?と考えると、抽象
2023年2月9日、「BACKSTAGE23」というイベントに登壇し、表題のテーマにて30分ほど話をしてきました。 登壇時に用いた資料は以下のとおりです。 今回話しをした内容は、『デジタル時代のB2Bマーケティング講座』で教えてることから抽出したものです。どういったコンセプトで行っている講座かはスライドの4pを御覧ください。 ※ちなみに講座の募集は、以下のページから資料を申し込んだ方にだけお知らせしております。 話をした内容を箇条書きに書くと次のようになります。 B2CマーケティングとB2Bマーケティングの違い (p13-p16,p18-p20) 色々と“違い”を挙げることはできるが、もっとも重要な点は、B2Cは「商品中心」の傾向があり、B2Bは「関係性中心」の傾向がある。 買い手企業と売り手企業との間の協働性・共同性が、B2B取引の本質である。 しかし、単純にB2CとB2Bのマーケティン
専門職大学院では論文形式のものを求められないところも多いのですが、「実務研究論文」や「研究成果報告書」という形態で数万字の成果を求められる修士課程の社会人院生には役立つかと思いますので、広く公開させていただきます。
社会人大学院生に、1年次が始まる前にでも、或いは1年次の5月ぐらいまでに読み終えてもらいたい本 〜 社会構想大学院大学コミュニケーションデザイン研究科高広ゼミより はじめに〜社会人大学院生の論理的思考不足は大きな課題 リカレント/リスキリングという言葉が知られるようになり、社会人が大学院にて学び直す機会が増えています。また、社会人向けの専門職大学院はどこも人気なようです。 この専門職大学院、文科省の定める基準においては「論文相当」のものの執筆を必要としないところもあったりするのですが、修了要件に入っている場合は相応の文字数、だいたい4〜5万字程度を最低限として、「研究成果報告書」や「実務論文」と呼ばれるようなものを書かねばなりません。 さて、私の経験上、社会人大学院生もいくつかのグループに分けることができ、(1)卒論のある学部卒、(2)卒論のない学部卒、(3)高卒で大学卒業相当資格、(4)
マーケティングの定義と役割(副題・誤ったことを教えられる受講者は、かわいそうである〜実務家や社会人向けのセミナーなどでよく見る残念な光景) 今日の午後、とある社会人大学院による実務家向けのマーケティングセミナーに参加していた教え子(社会人)から、次のようなメッセージが入ってきた。 先生、今、社会人向けのマーケティングのセミナーに出ているんですが、実務家の教員(=大学院で教えている)が次のように言ってるんですが、これって正しくないですよね? ※上記は主旨をそのままに文体などは変えてあります。 それで、その問題の内容というのが次のようなものだった。 「マーケティングの目的は販売を不要にすること」 米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院の経営学者、フィリップ・コトラーの定義: マーケティングとは→「売れる仕組みづくり」 ・商品、サービスが選択される必然を作り出す ・顧客のニーズを満たす価値をつ
マス広告の効果や使われ方は、“運用型”になって本当に“新しく”なったのだろうか? 〜私には車輪の再発明のように聞こえてしまう。 ※この文章は特定のサービスや特定の人物を指しているものではなく、ある“界隈”の話として、ずっとモヤモヤしていたことについて、一度くらい書いておきたいと思って書いています。 スタートアップ界隈で、運用型TVCMってのが出てきて、で、その説明をするときに、「これまでTVCMではちゃんとした効果測定がされてこなかった」とか、「売上に貢献する効果が見えにくかった」とか、「ブランディング中心で、ダイレクトには弱かった」みたいな話が、まことしやかに語られたり、書かれたりしてるのを見ることがある。 ※あと、「効果がわかります」というときの“効果”が何を指しているかとか、また、効果がわかるとしても、単価が実は結構高いのだという話を表に出さないのは、正直ズルいと思うなあ。 昔からT
Naresh K. Malhotra による、S.L.VargoとR.F.Luschによる「サービス・ドミナント・ロジック」の視点からの「価値」と「価値共創」に関する短い、しかし基本的で重要な解説。 以下は、 Special Issue: Toward a Better Understanding of the Role of Value in Markets and Marketing (9) (Review of Marketing Research, 9) amzn.to の冒頭に寄せられた、Malhotraによるintroductionより。 *の箇所は訳だけでは読み取れない部分として高広の解説として付け足してあります。 Value cocreation is an ongoing, iterative, and continuous process that transcends
「クリティカル・リーディング」ができる人とできない人の一番大きな違いは、読んでいるときに、自分の意見・考え・枠組みだけで書かれてることを解釈・理解しようとしているかしていないかかな、と。つまり、「クリティカル・リーディング」ができる人は、書かれていることと自分との位置を確認できて読んでいる。 「いやそういうことは書かれてないんだけど」 という解釈や意見を発してくる人というのは、結局のところ、目の前の文章を、それを中心にして適切に読んではおらず、自分中心で読んでいる。 なので、クリティカルに読み、整理された結果としての意見ではなく、「俺は・私はこう思う」という意見にしかならないのだろうな、と。 たまに、「それは文章そのものがわかるように書いてないから悪いのだ」と言ってくるような人もいるが、実際のところは、文章を“読む”力の問題だろう。 社会人大学院で教えていても、どうしても「自分はこう考える
人材採用において、“学習障害・発達障害・グレーゾーン”とどう向き合うか?人材の雇用と脳の働きの多様性〜ニューロダイバーシティ とある面接において・・・ とある企業において、マーケティング組織の組成に関わっている関係で、毎月100件以上の履歴書や業務経歴書を見ている。そしてそこから絞った人たちについて、面接官として面接する側に座ってる。 先日、 「データとかを見てずっと分析してるのが楽しい」 「けれども、他の人と大人数で会議とかするのが苦手」 と正直に話す30代前後の男性を面接した。 この男性について、協調性やチームワークという側面をもって考えると、きっと多くの人はNGを出して次に進めることはしないだろう。 そうした“苦手”の原因は、本人の話し方や本人自身がそのような話をしていたこともあり、発達障害・学習障害・グレーゾーンに属した特質を持っているからだということがわかった。 しかし色々と話を
ここしばらく濃密にマーケティング界隈の人材採用に関わっていて、おおよそ100-150本/月の“マーケティング関連職”の募集に関する履歴書やBizReachの登録内容を見ています。 たくさん見ると、見えてくるものがあったりします。そこで、採用する側から見た、採用につながる書類やつながらない書類についてツイートをしてみたら、それなりに反応がありました。 また投稿を続けていると、よくある転職希望者向けのTips集のような内容とは違うものになってると気づいたので、投稿内容を一箇所にまとめてみました。※140文字の制限もないので、少し記述を追加しています。 ※採用側としてもちゃんとしたマーケティング人材を獲得するため、どういうふうに履歴書やBizReachなどに書いてほしいかを伝えておくのは重要だと思います。 勤めてる会社でMVPとったとか、最年少○○になったとか、そういう話は「ふ〜ん、それで?」と
「吾人が他人を理解するといふは外より物を得るのではなく内から出すのである。自己の中に他人と自己とを結合する力を見出すのである」 -西田幾多郎 (1966) 『西田幾多郎全集』第16巻「初期草稿」岩波書店 例の件なども根っこは実はそこから来ているのではないか確信しているのだが、モダンマーケティングの孕む根深い問題は、おそらく「マーケティングにおける”他者性”」にある。 価値というのはモノに内在しているという、長らく続いたモノを中心としたマーケティングの支配的思想が、サービス概念によって、価値は共創的に生まれると考えられるようにもなってきたように、マーケティングというものを「企業が顧客に働きかける活動」というものから、「企業と顧客間との相互行為である」というものとして、もっと思想を変えていかなければならないのだろう。 もちろん、企業と顧客との相互行為をとらえたマーケティング概念はないわけではな
※追記・本文の記述が誤りの可能性があります。文中にある「ロゴ」の件は、上記のPatagoniaが請け負う企業ロゴ入りサービスの件だったようです。 ---------------- シュイナードがPatagoniaの全株式を手放して、新たに設立した非営利団体などに譲渡ってニュース。 パーパスとかナラティブの文脈で語られるのにちょうどいいネタだから、きっとそれらの代表的な事例として使われるんだろうなぁ。 今回のは株主資本主義とそれがもたらす環境負荷の話から来ているのであって、もしシュイナードの決断がパーパスやナラティブの文脈で話されてしまうとすると、シュイナードの意とするところからズレてしまう気がする。 Patagoniaは今後、ブランドロゴを入れた服をやめるという。これは「ブランド」が着られているという状況、つまり(懐かしい言葉で言えば)「ブランド」が記号のように消費されている現状へのアンチ
変化は期待より遅れてくるものだ Change always comes later than we think it should. by Jean Luc Picard - PICARD Season 2 Episode 4 "Watcher".デジタルや組織改革や事業改革の仕事に携わっていたりすると、よく話に出てくる不満として変化のスピードの話がある。 多くの場合、その不満を漏らしている人物が考えるより遅いということであったり、またそこで期待されてるスピードがその企業の実態と合わないレベルだったりすることがある。 自分もそういう経験(「うちの会社はなんでもっと早く変わらないのか」)をしたことがある。組織が大きくなればなるほどその変化のスピードは遅くなる傾向は、まるで相対性理論のようだ。質量が大きくなればなるほど、前に進めなくなる。 しかし、いつからかそうした「とにかく早く変えよう」とい
売り手企業が売りたいタイミングと、 買い手企業が買いたいタイミング、 その2つがちょうど合うタイミングはなかなか無いのだ これが本質。 だから大事なのは”見込客”との接点維持。 なので、「リードナーチャリング」ではなく、「エンゲージメント」という思考がより重要。
(本文章は、2016/11に書いたものの転載です) Facebook上のとある壁で、「インサイトと潜在的ニーズって何が違うの?」という一言ではじまった議論が盛り上がっている。 そこでは色んな人が色んな私的定義を書いているが、それぞれに色んな意見があって面白いなと思う反面、なぜそのような事が起きているのかを考えた。もちろん日本語化しにくい言葉であるという側面もあるだろうが、マーケティングコミュニケーションの文脈で話をしているのに、単に(一般的な insight の訳語としての)「洞察力のこと」なんて言ってしまう人も見受けられるので、ちょっとまとめておく。で、恐らく「インサイト」に対する混乱は次のようなものだ。 そもそもマーケティングコミュニケーション領域における「インサイト」の定義や発生についてみんな知らないし、調べてない。 「潜在的ニーズ」というのは実はどうも「和製英語」であって、これがコ
経営学の世界においても「営業研究」という分野はまだまだこれから発展しそうな分野であり、私自身もマーケティングだけでなく、営業も非常に(研究対象としても)興味がある分野であることから、色々な論文を読んではいる。 その中で、例えば、(欧米的な)「sales」と(日本における)「営業」とは違うのではないか? またそうであるとするならば、「マーケティング」の役割も違うのではないか?と考えることがある。 さて、(特にB2Bの領域では)「日本の製造業にはマーケティングは存在してこなかった」と言われる一方で、営業部門の中に”営業企画”という名前の部署は存在している(きた)ことがあちこちで確認ができる。 実は日本では、営業部門の中にある“営業企画”がマーケティングや販促の機能を請け負ってきたのであり、「マーケティング」という名前を関した部署がないだけで、実質的に日本の製造業においても「マーケティング」の”
はじめに「パーパス」がブームである。 そのせいか、「パーパスってどう考えたらいいんですか?」という質問をよく受ける。 正直、マーケティングの世界で、「パーパスを目的にしたマーケティング」とか「パーパスを手段したマーケティング」のような話を聞くと、目が点になる。 ほんとバズワードに群がって、好き放題に解釈して、それをネタにしてビジネスしようとする人たちにはいつもいつも嫌になる。 で、「パーパス」というのがよくわからん、という話をよく聞くので、ここではその説明を行いたい。 題材としては、近々第二弾の映画も公開される大人気マンガ『キングダム』を扱って説明をする。 「パーパス」=企業の“社会的”な“存在意義”や事業の“大義(名分)” もうこの段階で言ってしまうと、「パーパス」というのは、企業、それが所属する社会・世の中においてどういう”存在意義”を持つのか、それが行う事業の”大義(名分)”は何かと
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