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note.com/takeuchi_kazuto
軍事史では、平時に高い地位についた軍人が、戦時にひどい失敗を重ねた事例が数多く記されています。このような軍人は一軍の司令官として大きな権限を持っているにもかかわらず、戦地で発生した問題を適切に解決できず、何ら有効な手を打たないか、あるいは非現実的な対策を講じて事態を悪化させ、軍隊に損失を与えます。 このような事象が起こる要因に関しては、軍事社会学や軍事心理学の分野で議論されていますが、ひときわ大きな影響を及ぼした研究者の一人にノーマン・ディクソン(Norman Dixon)がいます。第二次世界大戦(1939~1945)に陸軍将校として従軍した経験を持つイギリスの心理学者であり、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの教授を務めました。彼の『軍事的無能の心理学』(1976)は出版された当時から多くの論争を引き起こした著作として知られています。 Dixon, Norman. 2016(1976)
note.com/take
僕は2020年から「顧問編集者」という仕事をしています。これは経営者の思考を言語化して社内外に伝える仕事です。 この仕事についてForbesさんに記事にまとめていただいたのですが(本当にありがとうございます!)「もっと知りたい」という声もいただいたので、今日はもう少し詳しく書いてみたいと思います。 「顧問編集者」を始めたきっかけ僕はもともと書籍の編集者でした。 前職のダイヤモンド社では『佐藤可士和の打ち合わせ』『週刊文春編集長の仕事術』『福岡市を経営する』など、主にビジネス書を作ってきました。 2018年に出版社を辞め、1年ほどは書籍のフリー編集者をやっていました。運のいいことに『メモの魔力』や『リーダーの仮面』などのヒット作にも携わることができました。 そんななか、ある経営者から「Webサービスをローンチするとき自分の思いをnoteに書きたいのだけど時間がなくて困ってる。ちょっと手伝って
政治制度の重要な機能の一つは、政権を維持したい勢力と、政権を奪取した勢力との間で生じる政治的対立の規模と頻度を制御することです。少なくとも社会の安定と経済の成長を考えるのであれば、暴力的な対立が起こり、多くの犠牲者が出るような事態は避けなければなりません。 権威主義国の政治制度の特徴は、体制派に圧倒的な優位を与え、反体制派の政治的活動を抑圧し、仮に現体制に挑戦しても世の中が変わることはないと思い込ませることで、政治的暴力を抑止していることです、しかし、民主主義国の政治制度は逆の発想で設計されています。選挙制度を通じて反体制派に挑戦のチャンスを与え、平和的に政権を獲得し、世の中を変えることができるのではないかと期待させることで、政治的暴力に参加することを思いとどまらせます。 ニューヨーク大学のアダム・プシェヴォスキ教授は、このような民主主義の政治制度が適切に機能し、政治的暴力を回避するために
自分が属する組織に未来がないことに気が付いたとき、そのメンバーが選択できる行動は2種類に大別することが可能です。一つ目は組織から逃げ出すこと、もう一つは組織に留まり、内部から声を上げて、変革を促すことです。政治学の研究領域で、この状況をモデル化し、分析した先駆者としてドイツの研究者アルバート・ハーシュマンが知られており、彼の『離脱・発言・忠誠:企業・組織・国家における衰退への反応(Exit, Voice, and Loyalty: Responses to Decline in Firms, Organizations, and States)』(1970)は古典的な価値がある業績です。 Hirschman, A. O. (1970). Exit, Voice, and Loyalty: Responses to Decline in Firms, Organizations, and S
note.com/takeshisumida_
株式会社ベーシック執行役員 CAOの角田(@takeshisumida_)です。 私は、これまで仕事をする中で、知識面やモチベーション面においてマンガに助けられてきたことは多く、同じような立場の方の参考に少しでもなればと、これまでに、以下2つの切り口にてマンガをご紹介するnoteを書いてきました。 どちらも予想以上に多くの反応をいただけたこともあり、その後も違う切り口のテーマを継続的に考えていました。そして、そのうちの1つに"マネジメント"がありました。 ご承知の通りビジネス書においてもマネジメントはある意味普遍的なテーマであり、世の中には多くの書籍が出版されています。このテーマについて学べるマンガをまとめてみたくなるのは、マンガ好きとしてはごく自然な流れ?ではないでしょうか。 しかし、このまとめ、想像以上に作成が難しいことにすぐに気が付きます。と言うのも、そもそもマネジメントで語られる範
陰謀論とは、社会的、政治的に重大な出来事の原因を強力な集団による陰謀として説明するものであり、客観的な検証が不可能なもの、あるいは検証された上で事実に反していることが判明したものを指します。2016年のアメリカ大統領選挙でロシアがアメリカの有権者の世論を誘導しようと試みたことから、陰謀論が外交的手段として利用される可能性に研究者の関心が集まっています。 ウクライナはロシアの偽情報や陰謀論にどの程度の影響力があるのかを考える上で興味深い事例です。特に東部のドンバスにおけるロシア系メディアの活動は活発であり、かなり多くの市民が陰謀論を信じるようになっていたとされてきました。地理学者のMichael Gentileと政治学者のMartin Kraghは2020年にドンバスの南部にあるマリウポリの市民を対象とした社会調査を実施し、その実態解明に貢献しています。 Michael Gentile, M
note.com/takehora
2022年のGW中に、Twitterを中心として、OCIのインスタンスが勝手に削除されたとか、アカウントが停止になったとか、クレジットカードの決済が通らないとか、色々とOCIについての投稿がされた件についてです。 事象1: インスタンスが削除されたOracle CSA(Cloud Services Agreement)に違反すると、Terminate(停止)される。 対象サービスを使用して 人に嫌がらせをすること 人や財産に損害又は損傷を与えること 虚偽的、中傷的、嫌がらせ的又は不快感を与えるマテリアルを公開すること プライバシー権を侵害すること 偏見や人種差別、嫌悪、悪意を助長すること 未承諾のバルクメール、ジャンクメール、スパム又はチェーンレターを送信すること 財産権を侵害すること その他適用される法令、条例又は規則に違反すること 対象サービスのベンチマーク、又は可用性テストを実施する
note.com/take_housing
今日、4月26日は「よい風呂の日」。「よい(4)ふ(2)ろ(6)」に由来するとのこと。ということで「ほくさんバスオール」(図1)にご登場ねがいます。 図1 「ほくさんバスオール」(出典:エア・ウォーター物流HP) 「ほくさんバスオール」は、1929年に北海道にて設立された北海酸素株式会社(後の株式会社ほくさん)が1963年から販売開始した簡易型ユニットバス。当初の商品名は「ほくさんスタンウェルバス」といいました。 ほくさんバスオールの誕生当時の社長・水島健三は1959年、創業三十周年記念に「全国的企業」への展開を宣言します。プロパン、酸素、溶解アセチレンなどを手がける北海道の一企業・北海酸素が全国展開!?社員はどん引き。でもそれは後に現実化することに。その躍進の起爆剤となったのが「ほくさんバスオール」でした。 中尾光弘『攻めの商道:バスオールに賭ける水島健三の執念』(ダイヤモンド社、197
社会科学の研究者は、さまざまな研究領域で合理的な行為主体を想定することで、モデルを構築してきました。合理的な行為主体は、ある問題を解決するときに複数の選択肢が与えられた場合、最小の費用で最大の利益を得ることが期待できる選択肢をとる人物であることを意味します。 もう少し具体的に述べると、合理的な行為主体は、あらゆる意思決定の場面で、自分の選択肢をすべて列挙できるだけでなく、それぞれの選択肢から期待できる利得や損失を一貫した基準で評価できる認知能力を持ち、またそれらの情報を総合することで自分の利益を最大化できる選択肢を特定できる計算能力を発揮できる人物が想定されています。 これは人間の認知能力の限界を考慮すれば、あまり現実的ではないのですが、軍隊のように意思決定の最適化を図りたい組織は、合理的な意思決定をモデルとして位置づけており、その実行を推奨しています。 アメリカ軍が採用している軍事意思決
note.com/takeshi_teshima
私は誰?手嶋毅志といいます。これを読んでくださる方は知り合いが多いと思いますが、2022年3月に東京大学新領域創成科学研究科で博士課程を修了し、博士(科学)を取得、2022年4月からリクルートに入社しました。 博士課程の学生、そして理化学研究所JRA(大学院生リサーチアソシエイト)という研究職から、データサイエンティストという事業に入っていくロールへのジョブチェンジだと思っているので、転職エントリーとしてご報告&大学院でのあれこれをまとめました。 自己紹介(英語): https://takeshi-teshima.github.io 自己紹介(日本語):https://takeshi-teshima.github.io/ja TL;DR今年度から、株式会社リクルートという日本の会社で働いています。研究職ポジではなく、事業にどんどん入っていく性質のデータサイエンティストとしての入社です。 自
2022年2月24日、ロシア軍はウクライナで攻勢を発起しましたが、本稿を執筆している3月3日現在に至るまで首都キエフの占領には至っておらず、各正面でウクライナ軍の激しい抵抗を受けています。ウクライナ軍に対してロシア軍が今でも定量的、計数的に優勢であることは確かですが、それにもかかわらずロシア軍がこれほど苦戦している理由は何でしょうか。 この記事では、軍事の観点からこの問いに答えてみたいと思います。ロシア軍の能力を人事、情報、作戦、兵站という4つの側面から分析し、それぞれの側面から見えてくる軍事的弱点を説明します。また、今後のプーチン大統領がロシア軍の弱点に対処するため、どのような行動をとる可能性があるかを示し、これから起こり得る事態について予測します。 人事:作戦の開始直後から低下している士気部隊の戦闘力を維持し、また増進するために軍隊が重視すべき機能の一つが人事です。人事は幅広い業務から
「アウトプットはスタートだ」と思っている人がいます。 「アウトプットはスタートだ」と思っている人は、ツイートでもnoteでもYouTubeでも、どんどんアウトプットしていきます。「とりあえずアウトプットしてから考えよう」と思っています。 一方で「アウトプットはゴールだ」と思っている人がいます。 「アウトプットはゴールだ」と思っている人は、ツイートでもnoteでもYouTubeでも、アウトプットするためにめちゃくちゃ考えます。ノウハウを集めたり、本を買ったり、人に聞いたりして「なるべく完ぺきに準備してから世に出そう」と考えています。 そして、たいていは「アウトプットはスタートだ」と思っている人のほうが先にうまくいきます。 なぜ、そうなるのか……? 予想はついていると思いますが、ちょっと詳しく見ていきます。 「アウトプットがスタート」だから失敗が怖くなくなる「アウトプットがスタートだ」と思って
世界の平和は人類の理想ですが、現実に戦争は起きており、近い将来になくなる見通しも立っていません。 もし自国の周辺で他国が武力に訴える兆候を示したならば、その意図と能力を正確に見積もり、将来に起こり得るあらゆる危険を予測し、最悪の事態を回避する手を打たなければなりません。国家が行政活動を通じて達成すべき最も基本的な目標は安全保障であり、軍事学はその達成を支援するために研究されてきた学問といえます。 現在、日本で軍事学の調査、教育、研究の主体になっているのは防衛省・自衛隊です。しかし、平時から国民全体に研究成果を広く知らせ、知識の向上に努めることも大事だと思います。このような観点から、軍事学がどのような学問なのかを一から解説する記事を作成することにしました。 あくまでも軍事学を知らない方が、その内容を大まかに見通せるようになることを目標としているので、あらゆる研究領域を網羅することはできません
軍隊で新兵訓練を受けた兵士は、まず教練に従って機械的に動く方法を身に着けます。この訓練を通じて兵士は個人ではなく部隊として行動する規律を習得するのですが、だからといって武装した敵を目の前にして冷静沈着でいられるわけではありません。 銃口を向けられた際に恐怖を感じ、戦友が次々と戦死する状況で混乱することは当たり前の反応です。だからこそ、敵と戦うためには、兵士一人ひとりが強い意志を持って臨むことが欠かせないのです。 研究者Anthony Kellettの著作『戦闘動機づけ:戦闘における兵士の行動(Combat Motivation: The Behavior of Soldiers in Battle)』(1982)は心理学の理論で兵士がいかに戦う意志を形成しているのかを分析した研究成果であり、戦場で部隊が士気を保つために必要な要因を考える上で有意義な知見です。 社会心理学では兵士の士気を動機
兵站(logistics)の目的は、軍隊が移動し、武装し、給養することを可能にすることにあります。政治的な目的を達成するために軍隊を運用する方法を指定する戦略(strategy)や、戦闘において個別の部隊をどのように展開、機動、運用すべきかを指定する戦術(tactics)に並ぶ第三の軍事学の中核的な研究領域であり、管理、補給、輸送、衛生、整備などの機能で成り立っています。 この記事では、兵站の基礎的な知識として兵站支援の3つの方式をまとめてみました。兵站学の研究課題がどのようなものか、なぜ軍事学においてそれが重要なのかを知りたい方のための内容です。 兵站支援の3つの方式軍隊は数万名、数十万名の兵士と、多種多様な武装を組み合わせた複雑な組織であり、それが戦地で整然と一つの計画に沿って行動できるようにするためには、さまざまな所要を満たさなければなりません。砂漠で戦うためには給水を考えなければな
note.com/taketo1024
根からのスポーツ嫌いの37歳男が、1年間のジム通いを継続できた経験を振り返り、その過程で獲得した 楽しくないけどやったほうがいいこと を継続するためのマインドセットについて書きます。 世にはスポーツや筋トレが好きな人がその素晴らしさを語り、初心者に対して参入を勧める文章や動画は数多あれど、僕のような その楽しみが全く感じられない人間 が語る小さな成功経験にもそれなりの価値があるのではないかと思いました。 以下、僕の運動・スポーツに対する苦手意識や劣等感を率直に語るため、好きな人にとっては不快な表現も含まれると思いますが、そんな僕でも継続できたという強調のための表現としてご容赦頂ければ幸いです。 根からのスポーツ嫌い僕は幼少の頃から成人に至るまで、可能な限り運動という行為を避けて生きてきた。 小学校の頃は逆上がりはできなかったし、一輪車も壁から手を離して乗ることはできなかった。走り方も何やら
note.com/takerumu
2015年頃に本格化したNikeとAdidasの戦いは凄まじいものでした。コラボレーションによる製品開発、SNSを活用したデジタルマーケティング、OMOにD2C/DTC… いま話題のトピックがカバーされており、メーカーや小売業におけるデジタル戦略を検討するうえで非常に優れた教材となります。 両社の歴史は非常に長いものの、筆者は2015年がひとつの転換点だったと考えています。ほぼすべての若者がスマホを持つようになったタイミングに、Nikeからスマホアプリ『SNKRS』がローンチされ、Adidasからは人気スニーカー 『Yeezy』が発売された年だからです。 当時のファッションのことなんて覚えてないよ、という方もいらっしゃると思いますので、順を追って説明していきたいと思います。まずはYeezyというブランドを起点にどんなムーブメントが起こったのか、さらっと振り返ります。 YeezyがNikeと
note.com/takeuma9618
会計システムって何を使ってますか?とか勤怠システムは何を使ってますか?とか、そういう質問を受けることがある。しかしながら、種々の会社の管理部門を預かってきた立場としては、正直そういう単品質問は何も物事を解決しないと言いたい。収益を生まないシステムを自ら作ることは管理部門の場合は稀なので、提供側の単品販売ロジックにしたがって選択するしかないから、単品質問にならざるを得ないという状況もあるだろう。 昨今ではオンプレミスでの製品提供は姿を消して、SAASでのサービス提供が主流になってきている。多くの提供会社がしのぎを削ってよりよい製品を色々な切り口で提供し、乗り換えを防ぐために機能強化を図って開発競争を展開している。2020年くらいまではそうしたサービスの単品販売が主流だったような感じだが、ある程度勝負はついてきていて、最近では〇〇×□□というAPI連携を前提とした合従連衡での販売競争が強まって
現在、アメリカ政治の研究では分極化(polarization)という現象が注目されています。分極化とは国内の政治、社会が異なる党派によって分断され、妥協が困難になっている状態であり、政治の不安定化を引き起こす効果があります。 経済的な不平等など国内の社会的、経済的な要因が影響していることが指摘されていますが、国外に軍事的な脅威が存在しないことも分極化の重要な一因であるという見解も有力視されてきました。その見方によれば、ソ連崩壊後のアメリカは外部から脅威に晒されなくなったため、政策、法案、予算をめぐって超党派的な対話が難しくなったと説明されています。 以下に紹介する論文は、この見方に反論した最新の研究成果です。そこでは外部に脅威が存在するかどうかにかかわらず、アメリカの分極化は進んできたのであって、仮に脅威が新たに出現したとしても、アメリカの分極化が解消されるとは限らないと主張されています。
note.com/takesin_1101
こんにちわ!たけしんです。ゲートルーラーの今までについての振り返りをいたします。 すみません真面目にやります。こんにちは、たけしんです。この一年、みなさまはいかがお過ごしだったでしょうか。僕はなんだかんだゲートルーラーを追い続けてしまっていました。せめて、これが後世の役に立てばいいと思い、本noteを執筆して、厄落としとしようと思います。当然全文無料ですのでそこはご安心ください。 まずは前回の卒論とされるnoteを読んでくださった方々に改めて感謝いたします。随分多くの方に読んでいただきました。みなさまのお役に立てたのであれば幸いです。 さて、本文に先んじまして、先にゲートルーラーの現状について振り返っておきます。元々ゲートルーラーは株式会社大遊からリリースされていたTCGでした。大遊は有限会社遊縁(カードキングダム)と、大興印刷株式会社の合弁会社であり、その出資比率は50%50%でした。し
2013年、ウクライナのヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領はロシアとの関係を重視する姿勢を打ち出し、欧州連合との友好協定を締結しない方針を決定したことで、大規模な抗議運動を引き起こしました。ヤヌコヴィッチ政権は警察、治安部隊で鎮圧を試みたものの、2014年2月22日にロシアに脱出しています。これ以降、ロシアは親ロシア派を通じてウクライナの政界に影響力を行使することが難しくなりました。 ロシアはウクライナの対外政策に対する影響力を回復するため、軍事的手段を行使することを決定しました。2014年2月から3月にクリミア半島へ軍事侵攻し、2014年2月から5月には東ウクライナで反政府組織の形成と活動を支援しています。この一連の行動でロシアは自らが望む政治的な成果を上げることができたのかは曖昧であり、研究者も検討すべき課題として位置づけています。 Kofman, M., Migacheva, K.,
ある授業でロシアとウクライナの関係を取り上げたついでに、戦役分析として行った結果を研究メモとして公開しておきます。ただ物騒な内容なので期間限定とします。あらかじめ申し上げておくと、資料的、分析的な価値がある分析ではありません。『ミリタリー・バランス』のいくつかのデータを使って予備的な分析を行ったにすぎません。 ただ、基本的なデータは一通りまとめているので、これから国際ニュースを追いかける方の参考になるかもしれません。より詳細な分析が必要となることがなければよいのですが、いずれアップデートした分析が必要になるかもしれません。 基礎的能力の比較ウクライナの2020年の国内総生産は1420億ドルで、総人口は43,922,939人、労働生産性を考慮した一人当たりの国内総生産に換算すると3,425ドルです。同時期のロシアの国内総生産は1兆4600億ドル、総人口は141,722,205人で一人当たりに
2014年にウクライナのクリミア半島と東部のドンバスでロシアが軍事行動を起こしたことで、ヨーロッパ各国では安全保障に対する懸念が大いに高まり、国防政策の見直しが進められました。アメリカとの同盟を強化することも、防衛体制の強化の一つとして重視されていました。 ところが、2017年にヨーロッパの防衛をアメリカが負担することに対して繰り返し不満を表明してきたドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任し、ヨーロッパではロシアの脅威に対応する上でアメリカに期待を寄せることに政治的リスクがあることを認識するようになり、どれほどヨーロッパ諸国が自主的な防衛努力に取り組むべきか議論が行われるようになりました。 さまざまな議論が出されましたが、アメリカの軍事力に頼らずにヨーロッパを防衛することは難しいのではないかという見方は根強く、イギリスのシンクタンクである国際戦略研究所が出した「ヨーロッパを防衛する:シナ
国際政治学の理論的研究では、合理的な行為主体がそれぞれの利益を最大化できる最適な戦略を選択するはずだと想定することが一般的になっていますが、戦争の歴史は、このような理論が通用する状況ばかりではなく、むしろ通用しない場合の方が多いことを示しています。 以下の論文の著者らもこの問題に取り組んでおり、戦争が差し迫った状況に置かれると、人々は合理的選択理論で予測できない判断を下すようになると指摘し、その理由を人間の心理的メカニズムで説明できると主張しています。 Johnson, D. D. P., & Tierney, D. (2011). The Rubicon Theory of War: How the Path to Conflict Reaches the Point of No Return. International Security, 36(1), 7–40. doi:10.11
政治学の研究者は戦争の原因を説明するためにに、いくつかの要因が作用していることを理論的に想定することが一般的です。国際システムの要因が作用していると想定する場合は、勢力均衡の安定性や国際レジームの有効性を調べ、国内の政治システムの要因が作用していると想定する場合は、政権の支持層の意向や民主的な権力分立の程度を調べます。 しかし、意思決定に関与した個人、つまり政治家の性格や属性を調査する研究者はこれまで多くありませんでした。Horowitz、Stam、Ellisはこの研究テーマに取り組み、計量的アプローチを駆使することで、どのような特性を有する政治家が戦争を始めやすいのかを解明しようとしています。 Horowitz M.C., Stam A.C., Ellis, C.M. 2015. Why Leaders Fight. Cambridge: Cambridge University Pre
note.com/takesue1011
武末(@takesue1011)です。 PLG(Product-Led Growth)の盛り上がりもあり、開発チームの重要性が増すばかりですが、一方で、開発チームをマネジメントすることやテックメンバーたちと働くことのお作法については、あまりアップデートがされていないように感じます。 そこで今回は、非エンジニアである自分自身が開発チームを率いる上で大切にしていることをまとめたいと思います。 ※ 私自身「非エンジニア」という言葉はあまり好きじゃないのですが、一方でこの言葉が伝わりやすいのも事実なので、本稿ではこの言葉を使用したいと思います。 きっかけ私が開発チームを率いるようになったきっかけは、戦略コンサルであるアーサー・D・リトルからリブセンスに転職した2013年までさかのぼります。 当時のリブセンスは事業部制で、各事業部にテックメンバーが所属する体制をとっており、私も転職事業領域の事業責任
note.com/takeshisakuragi
写真:ダマスカス郊外ドゥーマの反体制派地域でのアサド政権に抗議の声をあげる市民(2012年4月撮影) 今回、NewsweekのWorldVoiceに掲載された記事が、ひどい!とシリアを知る方々からいろいろと抗議の声が上がっています。記事がこちらになります。 「For Sama」というドキュメンタリー映画が描くシリア内戦と「正義とは何か?」という疑問 執筆者:木村菜穂子 https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/kimura/2021/11/for-sama.php?t=1&cn=ZmxleGlibGVfcmVjcw%3D%3D&refsrc=email 冒頭から語られている「For Sama」の作品の感想は決して悪いものではありません。シリアの戦争の悲惨さを実感した筆者の感想が述べられています。ただ、問題なのは、アレッポを破壊しているのはアサド政権だと
ウィスコンシン大学の准教授ジェシカ・ウィークス(Jessica L. P. Weeks)は国内政治が対外政策に与える影響を分析してきた研究者です。2014年にコーネル大学出版会から出版した著作『戦争と平和における独裁者(Dictators at War and Peace)』は独裁的な政治システムを持つ権威主義国がどのように武力行使を決定するかを説明するモデルを提示し、計量的アプローチや事例分析で裏付けを行った研究です。 Jessica L. P. Weeks, Dictators at War and Peace. Ithaca, NY: Cornell University Press, 2014. 著者の理論によれば、権威主義国が武力行使を決意しやすいかどうかを判断するために注目すべきポイントは二つです。一つは政権を率いる指導者が行使できる権力の強さであり、もう一つは政権を構成するエ
note.com/taketetsu1982
今回は「“チーム”をデザインする」をテーマに、私の考えをお伝えしたいと思います。 価値提供を実現するにはチームが大事 現代のサービス・プロダクトづくりにおいては、ひとりでできることに限界があることから、サービスの持続性確保が大きな課題であることが多いです。 とくにデザイナーは、未来をカタチにする機会が多く、ひとりで完結するには難しいポジションです。デザイナーとしてウェブサービスやスマートフォンアプリを開発していくにはエンジニアとの共創が必要ですし、マーケターとともにランディングページを作成したり、セールスと営業資料を共創することもあります。 アフリカにこんなことわざがあります。 「If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.」(早く行きたければ一人で進め、遠くまで行きたければみんなで進め)すべてを
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