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今日ご紹介するのは「コーヒーゼリー」です。コーヒーの味や香りが引き立つつくり方をご紹介します。 今日はリクエストにお応えして、コーヒーゼリーのレシピです。ゼラチンでもいいのですが、今日は寒天をつかったさっぱりバージョン。 ゼラチンと寒天ではゼリーの溶ける温度が異なるので、口溶けが違います。そのため寒天でつくったゼリーには硬いイメージがありますが、寒天の量を控えれば一瞬硬さを感じつつも口のなかに入れるとすっと溶けるあっさりとした味わいのコーヒーゼリーをつくることができます。おいしくつくるコツは市販のアイスコーヒーを使うこと。鍵を握るのは香りの揮発と温度の関係です。 寒天コーヒーゼリー材料 (2人前) アイスコーヒー…350cc 粉寒天…2g 砂糖…5g 練乳やガムシロップ、コーヒークリームなど 1.アイスコーヒー100ccを鍋に入れ、粉寒天と砂糖を混ぜたものを加えてよくかき混ぜてから中火にか
定番の「お好み焼き」を崩さずにふわふわに焼き上げる方法をご紹介します。鍵を握るのは生地の粘り気のもとであるグルテンと空気。定番のメニューを家庭でおいしく作る方法を、料理の理論とともに解説する連載です(85回目)。 冬に美味しくなるキャベツを主役にしたお好み焼きです。お好み焼きの生地は「硬くなるので混ぜすぎてはいけない」とよく言いますが、あまり混ぜないで焼くとひっくり返す際にバラバラに崩れてしまいます。生地の粘り気であるグルテンが生成されず、具材をつなぎとめることができないからです。とはいえ「崩れないように」と生地と具材をよく練ってから焼くと、今度はやっぱり硬い仕上がりに……。解決策は生地作りと具材を混ぜる工程を分けることです。 お好み焼き材料(2枚分) 薄力粉…90g 出汁…100cc (出汁を準備するか、100ccの水に顆粒だし1gを溶く) キャベツ…200g〜240g (4〜5枚が目安
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。今回のテーマは『おひたし』です。作り置きもできて手軽につくれるおひたしは、不足気味な野菜を補うのにうってつけ。今回は「ほうれん草のおひたし」と料理屋でつくられる「浸し地」という出汁、アレンジメニューとして「小松菜のおひたし」をご紹介します。ポイントは高温短時間の加熱です。 「一日350gの野菜を食べるとよい」 といわれていますが、平成29年度の調査では日本人一日当たりの野菜摂取量の平均値は 288.2 g。野菜料理一皿分が足りない計算です。生活習慣病の予防のためにも、毎日の食事になにか一品、加えたいところ。 今回、紹介する『おひたし』はそんなあと一品にぴったりの料理です。日本国語大辞典によると、おひたし【御浸】とは「ホウレンソウなどの青菜をゆでて、しょうゆ、かつおぶしなどをかけたもの。ひたし
「失敗しないマヨネーズの作り方」という記事でマヨネーズはエマルジョン(乳化ソース)である、という説明をしました。今回はその応用。卵黄の代わりに牛乳を使ってマヨネーズをつくります。 牛乳マヨネーズ 牛乳 60cc 塩 2g 植物油 200cc 酢(またはレモン汁) 大さじ1牛乳は乳タンパク質であるカゼインによって水と乳脂肪分が乳化したエマルジョンなので、卵黄と同じようにマヨネーズをつくることができます。ただ、卵黄ほど強い乳化作用はないので、機械の力を借りる必要があります。 バーミキサーを使って、油の粒子を細かくすることで、安定的な乳化が得られます。 酢以外の材料をビーカーか計量カップ、コップなどに注いでバーミキサーで混ぜます。 底の部分から乳化していきます。ある程度、固まってきたら、バーミキサーを上下に動かして上部の油も混ぜ込んでいきます。 かなり固くなりました。今回は植物油の一部にオリー
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。 9回目のテーマは「魚の煮付け」です。魚の煮付けは失敗しづらい簡単な料理。今回は『カレイの煮付け』と『イワシの生姜煮』をおいしくつくるコツをご紹介します。 前回の『キュウリもみ』では塩梅(塩味+酸味)を学びましたが、今回は『魚の煮付け』をつくりながら、甘辛(甘味+塩味)のバランスを掴みます。 魚の煮付けは簡単な料理です。沸騰した状態の水の温度は100℃くらいと一定。鍋のなかに水気がある限りは焦げる心配もありません。また、あらかじめ配合した調味液で加熱するので、他の料理によくある「最後に味を調える」という工程がなく、「味付けに失敗」というリスクも少ないのです。 カレイの煮付け (2人前)カレイ(切り身) 2枚 酒 100cc 水 100cc 濃口醤油 大さじ2 みりん 大さじ1
食の博識、樋口直哉さんによる科学的「おいしい料理」のつくり方。29回目のテーマは『湯豆腐』です。なめらかで、やわらかい湯豆腐をつくるコツをご紹介します。ポイントは『塩』と『温度』。火加減に注意すればおいしくつくれます。アレンジメニューとして「野菜湯豆腐」もご紹介します。 湯豆腐は冬の定番ですが、江戸時代の料理書『豆腐百珍』には掲載されていません。あまりにも簡単な料理なので、載せるまでもないと作者は考えたのかもしれません。(ちなみに冷奴も掲載されていませんが、同じ理由かも) しかし、この湯豆腐。ちょっとしたところに気を配るだけで、味は格段によくなります。今日は湯豆腐の作り方を学びましょう。ポイントは『塩』と『土鍋』です。 本格湯豆腐材料(2人前) 絹ごし豆腐……1丁 水……1L 昆布……10g 塩……小さじ1 かけ醤油(そばだし) 醤油……50cc みりん……50cc 水……250cc 鰹節
食の博識、樋口直哉さんによる科学的「おいしい料理」のつくり方。年明け1本目、32回目のテーマは『七草粥』です。お正月料理で疲れた胃を、お腹にやさしいおかゆで休ませましょう。「生米から炊く」「熱湯にお米を入れる」、それだけで一段上のおいしいおかゆを作ることができます。 日本には1月7日、人日の節句に七草粥を食べる習慣があります。正月の酒やごちそうで疲れた胃を癒やすという意味もあったのでしょう。 今日は七草粥をつくりながら、おいしいおかゆの作り方をご紹介します。考慮すべきは米に含まれるデンプンの性質です。 材料(2人前) 米…75g(半合) 水…800cc カブの葉…2〜3個分(体積で1カップ) 塩…3g(小さじ1/2) 作り方1.鍋に800ccの水を沸かしたところに、米を入れる(Tips1『湯から加熱することで究極のお粥に』)。一度だけざっくりとかき混ぜ、弱火に落として30分煮る。(炊きあが
白菜と豚バラ肉を層にして、蒸し煮にした料理ってよく見かけますよね。あれはあれでおいしいのですが、昆布と白菜の組み合わせも乙なもの。 こういった料理をつくるのに大事なポイントは鍋の大きさ。14cm〜16cmくらいの小さい鍋がつくりやすいようです。 昆布は早煮昆布を使います。早煮昆布は食べるための昆布の俗称で、種類は様々。ガッガラコンブ(厚葉昆布)であったり、ナガコンブであったり、日高昆布だったり、真昆布の若いものだったりします。写真は真昆布ですが、どれも出汁というよりは食べるもの……とよく説明されますが、意外と出汁が出ます。ナガコンブはちょっとだけ苦味があるのが特徴でしょうか。 水で30分ほど戻してから使用します。 白菜を一枚一枚、剥がします。 昆布を挟んでいきましょう。 何枚か重ねたら、包丁で長さを揃えて切ります。 鍋に立てて並べていきます。 ぎっしり詰まったところで、さきほどの戻し汁を1
今回のテーマは、「カレーうどん」です。さらりとした口どけのよいとろみに、お店で食べるような風味とコクがプラスされたワンランク上の味を作ってみましょう。 「茹でうどん」は手早く料理したいときの強い味方。今日はリッチなカレーうどんをつくります。ベースとなるのは小麦粉とバターを炒めたルー。そこにカレー粉とそばだし(5:1:1)と牛乳を加えて「カレーうどんのつゆ」をつくります。面倒であれば薄めためんつゆに市販のカレールーを加える方法もありますが、一から手作りすると格段にすっきりとした味に仕上がります。 カレーうどん材料(2人前) 茹でうどん…2玉 水…450cc 鰹節…8g 昆布…4g(1片) 醤油…50cc みりん…50cc バター…12g(大さじ1) 小麦粉…9g(大さじ1) カレー粉…小さじ1~ 牛乳…100cc 豚バラ肉…60g 新玉ねぎ…1/2個 サラダ油…小さじ1 青ネギや茹でグリーン
今日は、冬の料理でおなじみの「ポトフ」をご紹介します。おいしく作るポイントは肉の旨味を最大限に引き出すこと。時間はかかりますが、じっくり煮るだけの簡単な料理です。 ポトフは肉と野菜を水から煮込んでいく庶民的な料理です。野菜や肉を煮て、その旨味が溶けこんだ液体ごと味わうこの料理には、フランス料理の基本が詰まっています。 ポイントは〈弱火でことこと煮込む〉こと。ところでポトフのような煮込み料理に用いる塩はどのタイミングで振ればいいのでしょうか? この料理をつくることでその答えがわかります。 ポトフ材料(2人前) 牛肉(煮込み用)…300g〜 塩…小さじ1/2+1/4(4.5g) ベーコン(ブロック)…100g 玉ねぎ…1個 にんじん…1本 セロリ…半分 長ネギ(白い部分)…半分 昆布…2g(5cm角) 水…1.2㍑ 胡椒…適量 パセリのみじん切り…適量 マスタード…適量 1.牛肉に塩を振り、3
定番メニューをおいしく作る方法を、その理由とともに解説する本連載。今回は白菜を使った鍋、「扁炉(ピェンロー)」をアレンジしたレシピをご紹介します。干し椎茸のうま味を生かすためのポイント、白菜の正しい使い方とは? 白菜を使った鍋といえば舞台美術家でエッセイストの妹尾河童さんが著書のなかで紹介し、人気メニューとなった『扁炉(ピェンロー)』が有名。今回はそれをアレンジした白菜鍋をご紹介します。そもそもピェンローとは中国では鍋料理の総称。妹尾河童スタイルのピェンローは中国では一般的ではなく、日本生まれのオリジナルと言っていいでしょう。 白菜鍋のポイントは乾物の旨味を上手に活かすこと。味のベースには干し椎茸を使い、そこに豚肉の旨味を重ね、白菜と調和させます。干し椎茸に含まれるグアニル酸、豚肉のイノシン酸、白菜のグルタミン酸という異なる種類の旨味を重ね、たっぷりのごま油でコクを出しましょう。 白菜鍋材
レシピというよりも料理の考え方、業界動向などについて書いていきます。恒温調理についてもこちらに載せていきますねー。
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。19回目のテーマはいまが旬の『サンマの塩焼き』です。魚焼きグリルでなくフライパンで、脂がのったすっきりした味わいのサンマの塩焼きをつくります。サンマのはらわたを利用した肝醤油のつくり方も併せてご紹介しています。 秋はサンマの季節。昔は日が暮れてくると家々の路地からはサンマを焼く煙が流れていた、と聞きますが、今では魚を焼く煙はすっかり嫌がられるように。そこで今回はサンマをフライパンで焼く方法をご紹介します。ほとんど煙を出さずに焼ける、現代的な方法です。 サンマを焼くポイントは加熱を最小限、短時間に抑えること。長く焼くとサンマのおいしさである脂肪分が流れ出て、身がパサパサになってしまうからです。このポイントを踏まえて、いくつか工夫をしていきます。 サンマの塩焼き材料(2人前) 生サンマ 2尾
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。18回目のテーマは『きのこソテー』です。旬のきのこから100%の味を引き出す調理法をご紹介します。アレンジメニューとして、『きのこの和風マリネ』『きのこの味噌汁』も併せてご紹介しています。 秋はきのこの季節。天然物が手に入れば言うことないですが、スーパーで買える栽培種のきのこで秋の味覚を楽しみましょう。 きのこを使った料理は従来の常識では『強い火でさっと炒める』のがコツとされてきました。今日はそんな常識を覆す『きのこのゆっくりソテー』を作ります。15分程度という長い加熱時間が必要ですが、きのこから100%の味を引き出す調理法です。 きのこのゆっくりソテー材料(4人前) きのこ (各種あわせて)およそ600g オリーブオイル 大さじ3 にんにく 1片 塩 1g〜2g 胡椒 適量 バ
オイスターソースは色々なメーカーから販売されています。どの銘柄でもいいのですが、塩味や濃度が異なるので量の調整が必要。今回使用した光食品のオイスターソースは濃度がゆるいので、味が絡みやすいのがメリット。オイスターソースのこってり感というよりも魚醤の風味が強く、わりとシャープな味です。 一般的なのは李錦記でしょうか。何と言っても李錦記のオイスターソースはメーカーが創業するきっかけになった商品です。昔は缶で売られていて、瓶に移し替える手間が必要だったのですが、あらかじめ瓶で売られているので便利になりました。こちらは濃厚でいわゆるオイスターソースらしい味わい。 作り方は極めてかんたん。僕の父が家でよく作っていたレシピで、もともとは丸元淑生さんの本に掲載されていたもの。レタスだけではなく、青菜などあらゆる野菜が同様に調理できます。 元レシピとの違いは塩の有無で、オリジナルは早い段階で塩を加えていま
今回のテーマは見た目も食感も涼しい『こおり豆腐』。豆腐を寒天で包む、江戸時代に考案された料理です。現代では冷蔵庫で冷やして黒蜜をかけ、デザートとして楽しみます。通常より寒天の量を減らすことで口に入れるとすっと溶け、上品な味わいを楽しめます。 玲瓏(こおり)豆腐は江戸時代の料理本『豆腐百珍』にも掲載されている有名な料理です。当時は酒のつまみとして辛子醤油で食べていましたが、現代では黒蜜をかけて甘味として楽しむのがオススメ。氷が貴重だった江戸時代、氷に見立てた寒天で豆腐を包むことで、見た目から涼をとっていたのでしょう。 今回、覚えるべきは寒天の使い方。さっぱりとした甘さとひんやりした感じが楽しい、古くて新しいデザートです。 玲瓏(こおり)豆腐材料(4人前) 絹ごし豆腐…1丁 粉寒天…2g →(Tips 1 粉寒天の使い方) グラニュー糖…40g 水…500cc 黒蜜…適量 1.豆腐は四角に切り
今日のテーマは「ナスの油味噌炒め」。ある処理をすることで、油を吸わず、さっぱりジューシーに仕上がります。身が引き締まった旬のナスに甘辛い味噌ダレが絡んで、箸が止まらなくなる一品です。ぜひお試しください。 ナスの油味噌炒めは新潟の郷土料理。本来は青じそが入るところを生姜に変え、甘めの田舎風の味に仕上げました。ポイントはナスをレンジにかけてから油で炒めること。この一手間で油の使用量を1/3に減らすことができます。 ナスの油味噌炒め材料 ナス…300g サラダ油…大さじ1 味噌…30g(今回は越後味噌を使用 普通の米味噌でかまいません) 砂糖…大さじ2〜大さじ3(20g〜30g) 赤唐辛子…1本(半分にちぎって種を捨てる) 生姜…10g(親指の先くらいの大きさを千切りに) 1.ナスはヘタを切り落とし、1.5cm幅の輪切りにする。 2.1のナスをボウルに入れ、ふんわりとラップをして、600wのレン
今回のテーマは、ナスの唐揚げです。片栗粉をまぶしたナスを高温の油でさっと揚げて、ジューシーで香ばしい仕上がりになります。切ったナスは水に浸けてアク抜きするのが定石ですが、この説明は誤りだそう。水に浸ける本当の理由についても紹介しています。 ナスは夏から秋にかけてが旬。様々な料理に使えますが、やっぱり定番は揚げ物。今回は薄く衣をまぶしてから揚げ、香り油と花椒塩で味付けしました。冷たいビールと最高の相性です。 ナスはトマトやきゅうりと同じ果菜類。94%が水分ですが、果汁が出にくいという特徴があり、加熱してはじめてジューシーさが出てきます。この唐揚げは高温短時間の加熱で水分を内側に留めるのがおいしさのポイント。 ナスの山椒揚げ材料 ナス…2本(300g) 片栗粉…50g サラダ油…大さじ1 にんにく…1片(みじん切り) 赤唐辛子…5本(ヘタを切り落として、種をとりのぞく) 花椒…小さじ1 塩…小
シリーズとしては長くなりましたが、硬水と軟水でかなり味や仕上がりが変わってくるのがわかってきました。今回は豚肉を茹でて比較してみましょう。 豚バラ肉を半分に切り、軟水(東京都の水道水)と硬水(コントレックス50%+水道水50%)で茹でてみます。 沸騰するまでは強火、沸いてきたら弱火に落とします。水道水はいつもの状態。はじめのアクを取り除けばその後はアクがあまり出ません。 硬水はアクがたくさん出る一方、硬水はアクがたくさん出るのが特徴。水道水の場合は最初のアクを除去すればアクは出なくなりますが、硬水の場合はしばらく経つと表面にアクが寄ってきます。 都度、除去していきましたが結果として煮汁は硬水のほうが澄んだ仕上がりになります。これはストック編での検討結果と同じです。肉を茹でたときに出てくるアクは水溶性のタンパク質で、鉄を含むヘモグロビンやミオグロビンが含まれるため、加熱されると灰色や茶色にな
久しぶりのパスタレシピです。イタリア料理のアーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノは日本では人気の料理。日本人的にはかけそば的なシンプルさにそそられるのかもしれません。 とはいえアーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノはシェフの数だけ作り方やレシピが存在します。 三つ星レストランのレシピになると、バジリコソースが添えられ、アンチョビが入り、グラノパダーノチーズが入り、トマトが入り、カリカリにしたパン粉……という具合にかなり複雑なもの。軽く鍋を煽ってクリーミーな仕上がりにすることが強調されています。 再解釈パターンではこんなものも。こちらの動画の2つ目に紹介されているバージョンはパスタを塩ぬるま湯につけて戻し、にんにくを水に漬けてにんにくの出汁を抽出し、そのにんにく出汁、野菜だし、パセリの茎でさきほどのパスタを煮込んでいくスタイル。にんにく自体を入れない、という方法が興味深いところ。 ところで、
今回ご紹介するのは、本格派の汁なし担々麺。意外と簡単で、お店で食べるような味が手軽にたのしめます。担々麺の個性を決めるのは2種類の辛さ。ぜひお試しください! もともとは外国生まれでも、日本で発展、定着した料理はたくさんあります。担々麺もその一つ。本場の四川省では汁のない和え麺のスタイルが一般的ですが、日本に四川料理を広めた陳建民さんがラーメンのように汁を張ったスタイルを定着させたことは有名な話。 今回は本場のスタイルに近い、和え麺のスタイルの担々麺をご紹介します。ポイントは「たれを混ぜすぎないこと」です。乳化ではなく、油分が分離した状態のメリットを学べます。 担々麺材料(2人前) ◼️肉味噌 合ひき肉…200g A 醤油…大さじ1 A 味噌…大さじ1(できれば赤=豆味噌) A 酒…大さじ1 A 花椒(あれば)…小さじ1(荒く砕く) ◼️たれ(1杯分につき) 酢…小さじ1 醤油…大さじ1 烏
暑い日が続きますが、枝豆が店頭に並んでいました。今回、入手した品種はサッポロミドリ。 枝豆は品種が多く、それぞれに異なる味わいがあります。鮮度がモノを言う野菜(枝豆は大豆の未熟果ですが、農林水産省的には枝豆は野菜で、大豆は穀類です)なので、買ってきたらなるべく早く茹でましょう。色が鮮やかで、ふくらんだ豆の粒の大きさがそろっているものが良品。部分的に黒ずんでいたり、傷がついたものは鮮度が落ちています。 枝豆の茹で方はためしてガッテンが紹介した「4%の塩水で3分30秒茹でる」というのが一般的に知られる「おいしい茹で方」。この方法で茹でると枝豆が塩分濃度にして1%になるうえ、アミノ酸の溶出が抑えられ、おいしく仕上がるのです。 僕の茹で方は以前、こちらに書いていますが、ガッテン方式よりも塩分濃度が低めにするかわりに昆布のうま味で味を補う方法です。どちらの茹で方にも共通するのはさやの両端を切る下処理
今回の21世紀料理教室のテーマは「酸」。ちなみに何度か説明していますが、21世紀料理教室は一般家庭で役に立つノウハウではなく、きわめてギーク的な内容であることを先に述べておきます。白い粉末といっても危ない話ではありません。 キッチンで活躍する調味料といえば塩と砂糖ですが、モダニストキュイジーヌ(現代的料理)ではそこにもうひとつ酸を加えることが提案されています。 日本で一番手に入りやすいのがクエン酸です。クエン酸はレモンやライムなどさまざまなフルーツの酸味で、意外なところでは梨の酸味もクエン酸によるもの。この粉末クエン酸を使えば塩で塩味をつけたり、砂糖で甘味をつけるのと同じ感覚で料理に酸味を加えられます。 「酸味なんか酢やレモン汁があるじゃないか」 という意見もあるでしょう。たしかにそうですが、もう少し説明します。 具体的な使用方法を説明しましょう。ビネグレットソース(ドレッシング)の基本は
21世紀料理教室です。ふだんの家庭料理とは違う雰囲気の料理(というか家庭ではあまり作らないであろう料理)を紹介するシリーズです。 レストランに行くと食事のはじまりにアミューズが提供されます。ビールやスパークリングワインとつまむためのスナック類が多いですが、このグラノーラのチップスもその一つ。 元ネタはMind of a chefという番組で見かけたDavid Kinchのレシピ。ミシュラン三つ星を獲得したManresa(現在は閉店)の定番アミューズだそう。朝ごはんの定番のグラノーラをコースの冒頭に持ってくるのが素敵です。 もうひとつの長所は「小麦粉不使用」ということ。つまりはグルテンフリーですね。日本ではグルテンフリーってなんやねん、みたいな受け取られ方をしますが、欧米圏ではグルテンフリーで、という要望が結構多いので、今回使うオートミールパウダーは武器として扱えるようにしておきたいところ。
最新調理テクニック紹介シリーズ。エルブジのシェフ、フェランアドリアが日本から吸収した素材は柚子、寒天、そしてオブラートでしょう。一時期のエルブジのメニューにはオブラートを使った料理が並びました。今回はオブラートの基本的な使い方の一つ〈透明ラビオリ〉です。 オブラートは数種類のデンプンを水で糊状にし、シートに伸ばして170℃で熱したもの。アメリカなどでは「Edible Paper Obulato」という名前で流通しています。食べられる紙というのが面白いですよね。 オブラートは日本生まれの素材。医師の小林政太郎が苦い漢方薬を容易に服用できるように開発し、戦後に食品包装などの分野に応用されました。現在では複数のメーカーが製造していますが、フェランアドリアは「国光オブラートが最も味がよく、扱いやすい」としています。 透明ラビオリのテクニックの際に必要な機材はヒートシーラー。オブラートを接着するため
34回目のテーマは『鶏肉とひよこ豆の煮込み』。肉、トマト、豆は、世界各国の料理にも見られる黄金の組み合わせ。今回は煮込み料理の基本と豆のおいしい調理法について学びます。食の博識、樋口直哉さんによる科学的「おいしい料理」のつくり方。この連載もベースにした『新しい料理の教科書』が発売となりました! 豆を使った蒸し煮をご紹介します。煮込んだ豆のやわらかな甘さには、他の野菜では得られない滋味があり、自分で一度作ってみるとそのおいしさを見直すはずです。 豆はカリウムが豊富で、ナトリウムの摂取が過剰になりがちな現代人にこそ、必要な食材。今回は手軽に調理できる缶詰を使って、『鶏肉とひよこ豆の煮込み』をつくります。 鶏肉とひよこ豆の煮込み材料(2人前) 鶏もも肉…250g~300g 塩…2.5g〜3g 玉ねぎ…小1個(100~120g) トマト…中玉3個(200g、大なら一個) にんにく…1片 オリーブオ
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。今回のテーマは『パンケーキ』です。ふっくらパンケーキをつくるコツは、生地を寝かせないこと、混ぜすぎないこと、ふっくらの源である空気が抜けないように加熱すること、です。アレンジメニューとして「ベーコンとバナナのパンケーキ」もご紹介します。 こんがりきつね色で、ふんわり軽いパンケーキ。市販されているパンケーキミックスの原材料は基本的に小麦粉、砂糖、ベーキングパウダーの3つ。つまり、ベーキングパウダー以外は台所にある材料で普通につくれるのです。(ベーキングパウダーだけは買ってください) 自作すれば経済的ですし、甘さを調節できるのも利点。今回は甘さ控えめの配合にしていますが、パンケーキづくりを通して、ベーキングパウダー、粉類を使った料理やお菓子作りの基本が学べます。 基本のパンケーキ材料(16cm2
連載50回目は、旬の新ジャガイモとアボカドのサラダ。新ジャガイモを茹でて材料を混ぜ合わせるだけ。簡単につくれてハムを添えたりアレンジも自由自在です。ジャガイモを砂糖と一緒に茹でることで、しっとりした仕上がりになります。 新ジャガイモを使ったシンプルなサラダです。ジャガイモを料理する場合、皮むきが手間なのですが、皮ごと食べられる新ジャガイモならよく洗うだけでOK。 ジャガイモの細胞壁はペクチンという成分で繋がっているのですが、新ジャガイモに含まれている成分はその前身であるプロトペクチンが多いのが特徴。このプロトペクチンは水には溶けないので、加熱をしてもホクホクにはなりません。つまり、新ジャガイモは潰すタイプのポテトサラダには不向き、ということです。 今回は新ジャガイモを適当な大きさに切ってから茹でます。ペクチンが水に溶けないということは煮崩れにくいということなので、茹ですぎても大丈夫。おおら
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