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「デザインシンキング」もしくは「デザイン思考」は、日本のデザイン界でもビジネス界でもここ数年、注目されている考え方だ。一方で、「デザインシンキングなんて糞食らえ」というひじょうにショッキングなタイトルの講演が、現在、アメリカを中心に話題になっている。トークの主はナターシャ・ジェン(Natasha Jen)。彼女はペンタグラム・ニューヨークのパートナーでもあるグラフィックデザイナーだ。ペンタグラムは、ロンドン、ニューヨーク、テキサス州オースティン、ベルリンにオフィスを構える世界有数のデザイン事務所。名だたる企業のロゴやブランドアイデンティティをはじめ、パッケージデザインやミュージアムのインテリアなど、幅広いプロジェクトを手がける有名オフィスと言える。 ナターシャ・ジェンは、ハーバードやイェール大学、ロードアイランド・スクール・オブ・ デザインで教鞭をとる教育者でもある。2017年のアドビ主催
Googleマップなど、インターネットで公開されているマップはたくさんある。いずれも正確で便利だが、一般的なマップであるという点ではどれもそれほど違いはないだろう。 こうしたマップでもっと楽しみたいという人のためのツールをソフトウェア開発者のAndrei Kashchaが公開した。 彼のマップの特徴は、通りをすべて線で描いていること。都市の名前を入力すれば、OpenStreetMapのデータから世界中の都市が線描のマップとして現れるのだ。 それだけでなく、出てきたマップはカスタマイズも可能。最初に登場するのはベージュの背景にブラックの線で絵が描かれたもので、都市名もブラックで書かれている。これらをいずれも拡大したり、好きな色に変えられるのだ。 こうしてできあがった自分だけのマップは、PNGイメージに変換もできるし、さらにはZazzleでマグカップやクッション、タンクトップなどにもプリントし
Googleは、Google Fontsチームが世界のタイポグラフィの専門家と共同で手がけた、フォント選びのためのライブラリーサービス「Google Fonts Knowledge」をリリースした。 Google Fontsは、CSSとAndroidを通じて1,300を超えるフォントファミリーを無料で提供するサービス。今回追加されたGoogle Fonts Knowledgeは、あらゆるメディアのタイポグラフィの普遍的な原理をカバーしており、デザイナーと開発者がスキルや目的に合わせてフォントの選択・使用ができるようにわかりやすく教えてくれるという。 コンテンツとしては、3つのカテゴリーを通じて30以上のレッスンを紹介。たとえば、タイポグラフィのイロハを教えてくれる「書体入門」は、誰でも知識とスキルを身に付けることができる入門書となっている。 「書体の選択」では、ユーザーの好みのフォントを見
デザイン担当者及び上級副社長、独占インタビュー アップル、最新の魔法は、ハードとソフトの境界線を無くした 「Dynamic Island(ダイナミックアイランド)」 iPhone登場15周年の今年、新たに発表された上位モデル、iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxは、サイドボタンを押しても画面が消えない「常時表示」など、今後のiPhoneの操作の方向性を隠喩するマイルストーン的な製品に仕上がっている。 そのなかでも特に注目に値するのが「Dynamic Island(ダイナミックアイランド)」だろう。今回、この画期的な新機能を開発したAppleデザインスタジオのヒューマンインターフェースデザイン部門を率いる副社長のアラン・ダイとソフトウェアエンジニアリング担当の上級副社長、クレイグ・フェデリギに画期的新機能誕生の背景や、それを実現したAppleの開発体制について話を聞
ボロボロになるまで読んだ絵本、日が暮れるまで遊んだ公園の遊具、初めて通った学校の校舎など、いわゆる「子どものためのデザイン」は、今でも私たちの記憶に深く刻まれています。同時にデザインは、子ども自身から多くを学び、たくさんの刺激をもらってきました。多くのイノベーションが「子どものような発想」から生まれているのは、その証左かもしれません。そんな相思相愛とも言える子どもとデザインの関係は、2023年の現在、どう変わったのでしょうか?あるいはどう変わらないのでしょうか?本特集では、子どもを取り巻くモノ・コト・バ、すなわち「こどもの時間」に与えるデザインの可能性を探ります。
オライリー・ジャパンは、新たな調理法を紹介する新刊書「分子調理の日本食」を2021年4月26日(月)に発売する。 宮城大学食産業学群教授石川伸一、石川繭子、桑原明の三氏が手がけた同書は、新たな調理方法と料理を分子レベルから開発する「分子調理法」を、身近な日本食に応用した世界で初めての書籍。 「ゲル化」「熱ゲル化」「泡化、炭酸化」「架橋化」「乳化」「実験器具利用化」といった技術を使って作り出したレシピと、その背景にある「分子調理学」が解説されている。 紹介する料理は、スノードームに入ったふろふき大根、温めると固まって冷やすと溶けるけんちん汁、アサリと三つ葉のお吸い物球体、甘辛いイナゴのハンバーグ、かつお節でできた酒器、液体窒素で冷やした冷やし中華、「脳天に突き刺さる」ほどのうま味が濃縮した煮汁ソースなどだ。 今回作った料理は、著者らの空想の料理を実験室で現実化したものだそうで、読むと未来の料
茨城県水戸市に2021年7月、星乃珈琲店 茨城県立図書館店がオープンした。茨城県立図書館は、2001年に県庁移転に合わせて旧茨城県議会議事堂の改修を経て開館したもので、エントランスを入ると正面階段を中心にシンメトリーな空間が広がり、階段を上がると旧本議会場へと続く建造物である。 店舗デザインは、天井高さ15mの1階ロビーの開放性や歴史ある左右対称な空間特性を活かしながら、星乃珈琲店の上質で温かみのあるカフェ空間を融合して設計。内装設計は、日本レストランシステムの宮島忠、Nowhere-Designsの鈴木弦、ambosの石井一東によるデザインチームが担当した。 新たな図書館の顔となるロビーは、シックなトーンで統一しながら、壁3面にブロンズミラーを用いることで空間に広がりをもたせた。さらに、アーチ形状の高さ4mの書棚と上部のミラーの連続性により、県立図書館としての威厳をより一層高めている。
佐藤オオキが率いるデザインオフィス nendoは、ローソンのプライベートブランド商品のロゴデザインとパッケージデザインを手がけた。これと合わせて、ローソンの新型コロナウイルス対策のキャンペーンビジュアルも公開した。 多くの国内コンビニチェーンには統一されたイメージのプライベートブランド商品があるが、ローソンはこれまで、「MACHI café」「Uchi Café」「NATURAL LAWSON」「からあげクン」「おにぎり屋」など、商品ジャンルやターゲットごとに複数のブランドを運用してきた。 これにより、ユーザーには商店街にいるように、専門性が高くて個性豊かなブランドから選べる楽しみを提供できるが、「ローソン」としてのブランドイメージを訴求しにくい点もあった。そこで、各ブランドの特性を維持しながらも統一感のあるビジュアル・アイデンティティを検討。 まずはローソンのメインロゴから、「シルエット
クックパッドといえば料理レシピのサービスでお馴染みだろう。サービスのスタートは1998年の3月とのことなので、2019年の今年で実に21年目を迎える。 そんなWebサービス業界では老舗とも言える同社が主催し、サービス開発の手法や考え方について知見や学びを共有する勉強会「Cookpad Product Kitchen」が2018年12月6日(木)に開催された。 イベントでは、クックパッドの新規サービス開発部 UXエンジニア 出口貴也氏とデザイン・イノベーション・ファーム Takramでリードデザインエンジニアを務める神原啓介氏とが登壇。約75名の参加者を相手に、出口氏と神原氏それぞれが「なぜデザインとエンジニアリングの融合に取り組もうと思ったのか? プロジェクトにとって、デザインとエンジニアリングを越境することはどのような効果を生むか?」などといったトピックについて、それぞれが実践的に取り組
アップルのチーフ・デザイン・オフィサー、ジョナサン・アイブが2018年11月に来日した。短い滞在期間の合間をぬって実現したのが、アイブが最も敬愛する日本人デザイナー、深澤直人との対談だ。この20年、工業デザインを牽引してきたふたりのデザイナーが、デザインの進化について語り合う。 >> English Text スパルタカスでの共創 2018年夏、アップルは世界で初めて時価総額1兆ドルを超える企業となった。上場企業の頂点がデザイン主導で成功した会社という事実は、デザイン業界にとって福音だ。そのアップルのデザイン主導の転換を先導したのが創業者の故スティーブ・ジョブズと最高デザイン責任者のジョナサン・アイブだ。1992年に入社するやデザイン部門の中心的存在となるが、やがてアップルは財政危機に陥り、不遇の時代を迎える。 だが、96年、ジョブズがアップルに復活。アイブと出会ったことで同社の未来に希望
デザイン・イノベーションファームTakramの田川欣哉がナビゲーターとなり、ビジネス、テクノロジー、クリエイティブの3領域をつなぐトップランナーを迎える連載「BTCトークジャム」。今回のゲストは、マツダ常務執行役員 デザイン・ブランドスタイル担当の前田育男さんです。 トーク音源はこちら デザインが大きな絵を描く 田川 マツダのデザイン部門には、どんなグループがいくつぐらいあるんですか。 前田 まず商品を手がけるプロダクションデザインスタジオと、先行デザインに特化したアドバンスデザインスタジオ、モデルを統括するデザインモデリングスタジオ。それにブランドスタイルを統括するグループも設置しています。あとはデザインエンジニアリングのグループがあるから、大きく5つです。 田川 日本のカーメーカーでデザインエンジニアリングの部隊があるところは、そんなにないですよね。 前田 デザイナーがエンジニアの仕事
デザイン・イノベーションファームTakramの田川欣哉がナビゲーターとなり、ビジネス、テクノロジー、クリエイティブの3領域をつなぐトップランナーを迎える連載「BTCトークジャム」。今回のゲストは、IDEO CEO/代表取締役社長のティム・ブラウンさんです。 複雑な問題に取り組むためのコラボレーションマインド 田川 IDEOのデザイン領域がプロダクトからソフトウェア、サービス、組織、ポリシー策定にまで広がっていったことは理解していますが、現在はどういったことに取り組んでいるか解説していただけますか。 ブラウン デザインがインパクトを与えられる、ほぼすべての場所に関わっていると言っても過言ではありません。私たちが最初に「デザインシンキング」の考え方に至ったのは、デザインはもっと多くのチャレンジができ、さまざまな問題へ当てはめられるというポテンシャルに気づいたからです。 IDEOの強みは、たくさ
米国のデザインエージェンシー、Ziba Designのフェローであり、近年自ら立ち上げた実験会社、monogoto (米国・ポートランド)の代表を務めるビジネスデザイナーの濱口秀司氏。企業の戦略レベルから商品開発まであらゆるレベルのプロジェクトを手がける濱口氏は「プレゼン資料にAXISフォントを使っている」という。その背景と理由、さらに「百発百中で成功させる」と言われるプレゼンの秘訣も聞いた。 最近はどのようなプロジェクトを手がけられていますか。 日本って、アメリカなど海外のものをありがたがる傾向がありますよね。僕はそれが嫌で、日本で成功したものを逆にアメリカに持っていこうと思っているんです。だから今、monogotoという会社は日本の企業にフォーカスしてます。日本で面白い成功事例をつくって、アメリカ人に「日本はすごい」 と言わせたい。僕は日本人のイノベーション力を信じているのです。 プロ
2019年度の「SIGCHI(シグカイ) LIFETIME RESEARCH AWARD(生涯研究者賞)」を受賞したマサチューセッツ工科大学メディアラボ副所長の石井 裕教授。歴代21人目でアジア人初となる快挙である。世界に先駆けて「タンジブル」という概念を打ち出し、独自の研究を続けてきた石井教授に、改めてインタビューした。 デジタルの世界で人間の物理性、身体性を取り戻す ーーこの度は受賞、おめでとうございます。「SIGCHI LIFETIME RESEARCH AWARD」とはどのような賞にあたるのか、教えていただけますでしょうか。 ありがとうございます。今回いただいた賞の母体は、ACM(Association for Computing and Machinery)という、世界で最も大きなコンピュータサイエンスの学会です。その中の分科会のひとつであるSIGCHI(シグカイ)で「SIGCH
中国の家電メーカー Xiaomi(シャオミ)はさきごろ、創業10周年を記念するイベントにおいて、新型テレビ「Mi TV LUX Transparent Edition」を発表した。価格は49,999元(約76万円)で、2020年8月16日より中国市場で販売を開始している。 その名が示す通り、このテレビは世界初となる量産型の「透明テレビ」。オフの状態では一見すると厚さ5.7mmのガラス板のようだが、画面全体が透明な自発光の有機ELディスプレイでできているという。 画面上に映し出される映像はまるで空中に浮かんでいるかのようで、仮想と現実が融合したこれまでにない視覚体験を楽しむことができるそうだ。 画面サイズは55インチで、コントラスト比は150000:1の透明OLEDパネルを採用し、これまでにない明るさを実現している。 また、円型のベース部分はあらゆる環境に溶け込むデザインで、コンパクトディス
首都大学東京 インダストリアルアート学域の授業「プロダクトデザイン特論D」において、学生の皆さんが3チームに分かれ、第一線で活躍するデザイナーの方々にインタビューを実施。インタビュー中の写真撮影、原稿のとりまとめまで自分たちの手で行いました。シリーズで各インタビュー記事をお届けします。 “佐藤可士和”をたどる ユニクロ、セブンイレブンのブランディングから携帯電話のデザイン、幼稚園のトータルプロデュースまで、さまざまな領域にわたってデザインを手がける佐藤可士和さん。今回はそんな可士和さんの半生をたどりながら、そのデザインに隠れた思考を探ります。 ミッフィーの絵本から始まった。 ――最初のデザインとの出会い、明確にデザインという言葉を意識したのはいつですか? デザインとの出会いは原体験でいうと、2歳か3歳ぐらいにディック・ブルーナのミッフィーの絵本を親に与えられたときです。絵本はすごく好きでた
アップルは12月、iPhone、iPad、MacのOSをいっせいにアップデートし、OS機能の一部として新アプリ「フリーボード」の提供を開始した。3年ぶりに行われたアップル社重役の年末の日本訪問で来日していた同社のワールドワイドマーケティング部門の上級副社長、グレッグ・ジョズウィアック氏に、同社が肝入りで開発した、この新しい生産性ツールの魅力や狙いなどを聞いた。 シンプルゆえに多彩な電子ホワイトボード 「フリーボード(英語名は「Freeform」)」は、いわゆるクラウドベースの電子ホワイトボードアプリだ。画面構成は極めてシンプルで、起動すると画面いっぱいに方眼が描かれた白いボードが広がる。ユーザーは画面の上のツールバーから、付箋、図形、文字、写真、ファイルといったボードに配置したいものを選んで、置きたい場所に配置。そのうえで形を整えたり、文字を打ち込んだり、写真を選択したりするだけだ。マウス
フォントメーカーのモリサワは、楽天グループと共同開発した日本語コーポレートフォント「Rakuten Sans JP」を発表した。2024年3月より楽天のコーポレートサイトの一部で使用を開始しているほか、その他のサイトや各種アプリ、IR資料などでも広く活用される。 楽天は国内外において、インターネットサービスをはじめ、金融、モバイル、プロスポーツといった多岐にわたる分野で70以上のサービスを展開。また、楽天会員を中心としたメンバーシップにより、「楽天エコシステム」という独自の経済圏を形成している。 同社はこれまで、ブランド価値の向上の一環として、欧文コーポレートフォント「Rakuten Font」を2020年に開発し、モリサワが提供する「UD新ゴNT」の日本語フォントとともに運用してきた。 今回は日本語での情報発信においてもさらなるブランドの統一感を示すため、楽天グループの戦略的ブランディン
米自動車メーカー・テスラ(Tesla)は、新車となる電動ピックアップトラック「Cybertruck(サイバートラック)」を公開した。2021年後半から生産を開始し、価格は39,900ドル(約434万円)から。完全自動運転をオプションで付けると7,000ドル(約76万円)アップとなる。 「スポーツカーよりも高いパフォーマンスで、トラックよりも優れたユーティリティ」をもつとされる同車。ボディは非常に高い耐久性と乗員の安全を目指しており、超硬度30X冷間圧延ステンレス鋼の外装から「Tesla armor glass」と呼ばれるウィンドウまで、すべてのコンポーネントは防弾仕様となっている。 シングルモーターRWDタイプでは、時速0-60マイル(0-96km/h)の加速は6.5秒、航続距離は250マイル(402km)を超え、デュアルモーターAWDタイプやトリプルモーターAWDタイプはこれを上回る性能
AI関連システムの開発及びコンサルティングを行っているデータグリッドは、ディープラーニングを応用したGAN(敵対的生成ネットワーク)により、従来困難であった高解像度(1024×1024)の実在しない人物の全身画像を生成する「全身モデル自動生成AI」を開発した。 同社は、2018年6月にアイドル自動生成AIを開発。しかし、アイドル自動生成AIでは顔領域のみの画像生成となり、十分な表現力がなかった。そこで、生成された人物の表現力を高めるために、「全身生成」及び「動作生成」の2つの研究開発に取り組んだ。 今回、GANと呼ばれるAIに大量の全身モデル画像を学習させることにより、実在しない全身モデル画像を高解像度・高品質での生成に成功した。全身モデル自動生成AIは、広告やアパレルECのバーチャルモデルとしての利用を想定しているそうだ。 同社は今後の展望として、全身モデル自動生成AIの更なる精度向上及
▲第4回展「恋ってすばらしい。」の会場。©Peanuts Worldwide LLC 東京・六本木のスヌーピーミュージアムは、米・カリフォルニア州にあるシュルツ美術館の公式サテライト。2016年にオープンして以来、半年に一度企画展を入れ替え、現在は4つ目の「恋ってすばらしい。」を開催している。ここで目を見張るのは、「恋」というテーマをドラマチックに描いた空間デザイン。作品の見やすさを重視した通常の展覧会とは異なり、肝心の原画を凌駕してしまうほど空間自体に物語性がある。 ▲第4回展「恋ってすばらしい。」のフライヤー。アートディレクターは祖父江 慎。 大きくカーブした壁に、天井から床までを覆いつくしたドットパターン。壁の小窓を覗けば、誰かと目が合ってしまってドキッとする。スヌーピーをはじめとする「ピーナッツ」のキャラクターたちが繰り広げる恋のドラマを、自分の意思ではどうにもならない「お天気」に
京都大学の学生寮のひとつである吉田寮は今、存続をかけて大きく揺れている。築105年という建築的意義や「市民と考える吉田寮再生100年プロジェクト」の活動経緯は前編にまとめたが、後編では退去期限1週間前に実施されたシンポジウムの様子を中心にレポートする。 退去期限1週間前に開催された再生提案シンポジウム 吉田寮からの退去期限が残り1週間に迫った2018年9月23日(日)、寮近くの京都大学人間環境学研究科棟地下大講義室を会場に「市民と考える吉田寮再生100年プレゼン&シンポジウム」が開催された。当日は160人ほどの一般参加者が集い、テレビ2社、新聞4社、ウェブメディア1社、ドキュメンタリー1者と、さまざまなメディアが集まるなど、社会的関心の高さが現れた。 ▲吉田寮前に掲げられたタテカン型のポスター 大講義室の前のホワイエでは午前中にポスターセッションが行われ、提案作品を前に、提案者らは参加者や
ニューヨークに本社を置く、起業家向けコワーキングスペースを提供する企業「WeWork」は、同社独自のカリキュラムを展開する小学校「WeGrow」を設立した。 創業以来、同社では会社の発展とともに、社員の子どもたちの成長を見つめるなかで、自分たちが日々求めている情熱や気力、創造性、利他主義、驚きはすべて、子どもたちがもともと持っている特性であることがわかったという。 従来の教育では、こうした特性はやがて失われてしまうおそれがあり、そうなると、大人になってから取り戻さなければならなくなる。 WeGrowは、すべての子どもが持つ驚くべき能力を解き放つことに力を注ぎつつ、未来の起業家を育てる学校だ。第一校はニューヨークのチェルシーに2019年秋に開校予定。まずは3歳から9歳、翌年以降は2歳以上を対象とし、モンテッソーリ教育に根ざしたカリキュラムを通じて、心や体、芸術や自然、さらにはWeWorkメン
芸術からデザインそして児童教育に至るまで独創的な活動を繰り広げたブルーノ・ムナーリ(1907-1998)。彼のそのはてしない活動を体験するための展覧会「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」が、神奈川県立近代美術館 葉山にて2018年4月7日(土)から6月10日(日)まで開催される予定だ。 ムナーリは、幼少期から美術やデザインに関心を持ち、19歳の時に当時のイタリアを席巻していた前衛美術運動の未来派に参画する一方で、雑誌の編集や挿絵などの仕事も行い、幅広いフィールドでデザインへの関心と造詣を深めた。そのような経験を活かし、折りたたんで持ち運び可能な彫刻「旅行のための彫刻」などかつてない美術作品を発表。また、シンプルであると同時に用の美を備えた照明や家具などを多数発表し、国内外で高く評価されている。さらに、子ども向けの造形教育にも大いに興味を示し、木の描き方を記した絵本「木
▲© Herzog & de Meuron 香港のWest Kowloon(西九龍)地区に新たな視覚文化美術館「M+」が2019年に誕生する。20世紀と21世紀のビジュアルアート、デザイン、建築、映像を香港、中国本土、アジア、その他の地域から収集、近現代の視覚文化美術館としては世界最大級になるという。 眼前に海を臨むWest Kowloon Art Parkに隣接する同館の設計は、スイスの建築設計事務所 Herzog&de Meuronが担当。空間、ファシリティ、機能の面で効率的なシステムを構築している。 ▲© Herzog & de Meuron ▲© Herzog & de Meuron さまざまな入口からアクセス可能なフラットな建築で、17,000平米の敷地には展示スペース、3つの映画館、大講堂、学習センター、ミュージアムショップ、パフォーマンススペース、カフェ、メディアテークを収容
UR都市機構は、神奈川県横浜市磯子区の「洋光台団地」をモデルケースとして、継続的に団地の価値を上げ、より良い社会づくりに貢献する「団地の未来プロジェクト」を2015年3月より進めている。 そしてこのほど、同プロジェクトのアイコンとなる新たな拠点として、洋光台北団地集会所の建築アイデアコンペにおいて最優秀賞に選ばれたNAAW(長野憲太郎・王翠君)の案をベースに、隈研吾と佐藤可士和によるディレクションのもと実施案を策定したリニューアル工事を行い、「団地の集会所 OPEN RING」が完成したことを発表した。 北団地の屋外空間の良さを活かすために、建物と地形の関係性を高めることを考え、サンクンガーデンをより広く階段状に改修。軒下空間と関係づけることによって、既存建物・周辺環境を含め全体として「集まり」を感じる空間を作り上げた。 ▲ 団地の集会所 これに合わせて、洋光台中央広場のトーン&マナーを継
AXIS180号の表紙インタビューに登場いただいた落合陽一さんは、1987年生まれの若き研究者にして、気鋭のメディアアーティスト。2015年から筑波大学助教に就任し、現在、デジタルネイチャー研究室を主宰している。研究論文はシーグラフなどの国際会議で発表し、CGやコンピュータサイエンスの学会誌にも掲載されている。メディアアーティストとして発表した作品は、アルス・エレクトロニカやシーグラフ・アート・ギャラリーをはじめとして、各地で高い評価を受けている。2015年に刊行した『魔法の世紀』では、20世紀から21世紀への情報技術の急速な変化を、「映像の世紀」から「魔法の世紀」への移行と分析。このパラダイム転換は大きな話題を呼んだ。 プレゼンテーション用の資料などでAXISフォントを使っていただいていると聞きました。 大学生の頃から愛用しています。学生時代って、自分なりに制作環境を整えていく時期じゃな
写真家で現代美術作家の杉本博司氏が、小田原付近に、なにやらものすごいものをつくっているらしい、という噂はかなり前からありましたが、それが何なのかは具体的にはわからず。ところがいよいよその全貌が見えるときがきました。 10月9日にオープンした小田原文化財団江之浦測候所(読み方は”えのうらそっこうじょ”)。その数日前のプレス内覧会に行ってきました。さて、江之浦測候所。測候所って何だろう、と思って英語表記を見たら、Observatory!(Odawara Art Foundation Enoura Observatory)ここはまさしく名前の通り、ギャラリーでも美術館でも公園でもない。海を、自然を、天空を展望するための特別な場所なのです。 杉本博司とは何者? と思う人は多いと思います。彼の撮った写真はよく知られていますが、それだけでなく古美術商としても有名です。江之浦測候所は、その杉本氏が若いこ
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