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中東情勢
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ジョセフ・スティグリッツ教授が、日本のとるべき経済プランを提案した。 日本はヘリコプター・マネーを含む債務リストラを行うか、国債が国内消化だから大丈夫と信じ込むか二者択一だと指摘した。 経済政策の目的は経済成長ではない スティグリッツ教授は、常に経済の本質的な目的を忘れることがない。 World Economic Forumへの寄稿で 「経済成長はそれ自体が目的ではない。 私たちは生活水準を重視すべきだ。」 と書いている。 高齢化する先進国の実態を見るには、GDPの成長率を見てもだめという主張だ。 教授は、2008年以降の労働者1人あたりGDPの成長率で見れば、日本は欧米より優れていると指摘する。 それでも、日本は供給と需要の両面、実体経済と金融経済の両面に問題を抱えているという。 これまでの政策は失敗であり、代わりに実行すべき政策を提言している。 スティグリッツ教授は、まず「グリーン・フ
ポール・クルーグマン教授が、供給サイド経済学を批判している。 そうした理論は格差を拡大させるための言い訳にすぎず、経済成長には資さないと手厳しい。 供給サイド経済学の詭弁 クルーグマン教授は昨年末、3つの「Wonkish」(理屈っぽい)なブログ記事を書いた。 自由貿易と雇用、保護主義と貿易赤字、そして今回は供給サイド経済学である。 右派の提唱者を十把一絡げに批判しているのが潔い。 「彼らの世界観は、富裕層の減税が経済の奇跡を呼ぶとの主張に基づいている。 金の亡者の所得税を減らせば、彼らがさらに所得を得ようとして革新を生み、雇用を創出し、我々をこの世の楽園に連れていくインセンティブになるというのだ。」 クルーグマン教授は、世界的に問題点が指摘されているトリクルダウン、新自由主義について軽蔑を露わにしているのだ。 金持ちこそ悪事を冒す 「低い限界税率が生産拡大のインセンティブになるなら、個人的
マネックスグループの松本大氏が、数十年にわたる無借金を中断し、借金まで用いて投資に取り組んでいるという。 新入社員のころを除けば私はこれまで『無借金人生』でしたが、今回は人生で初めてお金を借りてまで投資しています 松本氏がアエラで、株式や不動産に対して強気の見通しを述べた。 根拠として「超大型量的緩和」がリスク資産を押し上げるとの見方を挙げている。 一方、その直後に世の中の現実について述べた発言が紹介されている。 株価がスルスルと上がる一方で、高級品が値下がりする。 こうした現象の背景を探るのはとても興味深いことです。 この対比は、2つの要素に分解できるのではないか。 お金の行き先: 実需か投機か? 時間的変化: デフレのちインフレ? お金の行き先 世の中には大きく分けて2つのお金のプレイグラウンドがある。 実体経済と金融経済だ。 実体経済は往々にして変化に時間がかかる。 だから、システム
ビル・クリントン政権で財務長官を務めたローレンス・サマーズ ハーバード大学教授が、トランプ次期大統領の唱えるインフラ投資の問題点を指摘した。 トランプ氏の唱える財政政策は一部の企業を優遇するだけで、経済刺激にはならないと批判した。 サマーズ氏はCNBCで、トランプ氏の財政出動案に大きな誤りがあると語った。 「(トランプ陣営の案では)最も重要なインフラである道路や学校の修復を除外している。 財源がつくのが、極めて商業的で収益を上げるものばかりになっているからだ。」 インフラ投資への税優遇についても、主たる投資家である年金基金はそもそも非課税であるため効果はないと断じた。 そもそもインフラ投資はトランプ氏の政策の小さな部分にすぎないとし、莫大な恒久減税案については減税対象がよく吟味されていないという。 こうした減税のエスカレートは貯蓄を促し、支出を控えさせてしまうとし、逆効果だと指摘した。 ま
最新ニュース 短期と長期は分けて考えないといけない:マーク・ファーバー (12/3/2023) スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、2024年の市場見通しを語っている。 【短信】ダウ・S&P 500は史上最高値へ:ジェレミー・シーゲル (12/3/2023) 永遠のブル ジェレミー・シーゲル教授が、サンクスギビング明けも強気予想を継続している。 【短信】ハワード・マークスが語るチャーリー・マンガー (12/1/2023) オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、亡きチャーリー・マンガー氏の投資手法について語っている。 【短信】インスピレーションを受けた2冊:ジム・ロジャーズ (11/30/2023) ジム・ロジャーズ氏が、いつもと少し毛色の変わった質問に答えている。 【短信】FRB利下げは近い:ビル・アックマン (11/29/2023) パーシング・スクエアのビル・アックマ
ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授が、次の景気後退について心配している。 通常の景気後退となった場合でも、FRBがやれることは多くないという。 「誰にもわからない。 もはや何が正常かさえわからない。 ・・・ 誰か確信をもって今後20年の見通しを語る人間がいたら、それはただの思い込みだ。」 ロゴフ教授が印CNBC TV18で、米10年債利回りについての見通しを尋ねられて答えた。 金融政策も政治も伝統的枠組みは無視され、かつては禁じ手とされていたような新たな手段が日常的に採られるようになっている。 もはや「正常」は存在せず、だから先行きが見通しにくくなった。 「金利が上昇せず低下するとの見方が多い。 しかし、マクロ経済に関するリスク管理という観点から言えば、逆に動きうるとの事実を考慮しなければいけない。」 元IMFチーフ・エコノミストは、先行きがわからないからこそ、リスク・シナリオが顕在化する
ジョセフ・スティグリッツ教授は、トランプ政権が世界にもたらす本当のリスクを指摘している。 そのリスクは極めて根源的なところにあるものなのだという。 「トランプが二国間貿易の赤字に集中するのは、率直に言って、愚かだ。」 世界最大・最強の国の国家元首を硬骨漢が一刀両断にしている。 トランプ政権の振りかざす論理の多くがブードゥー経済学によるものは周知のとおりだ。 それが本気ではなく権謀術数によるものとしても、それらは理不尽で迷惑と言わざるをえない。 しかし、そのことを今さら議論する意味はもはや大きくない。 スティグリッツ教授は、ブードゥー経済学だけでなく、トランプ大統領の行動パターンの悪質さに嘆いている。 1つは、大統領が終わった問題に固執する癖だ。 「思い出せば、トランプが国境の壁の話をし出す前にメキシコからの移民の数はすでにゼロ近くまで減っていた。 彼が人民元の為替レートが押し下げられている
ローレンス・サマーズ元財務長官(元ハーバード大学学長、現教授)が、米経済の日本化について警告している。 債券市場が示しているのは、次の世代にわたってFRBが好むインフレ指標について市場が1%ぐらいしか予想していないことだ。 これが意味するのは、米国が本質的に日本と同じ場所に行き着いたということだ。 サマーズ氏がBloombergで、米経済の日本化について警鐘を鳴らした。 同氏が債券市場について言及したのは、長期債利回り・長期の物価連動債利回り・ブレークイーブンインフレ率が極めて低水準まで低下した点だ。 「物価連動債(利回り)はゼロを大きく割り込み、-1%に近づき、ゼロになった。 流動性の罠と言われる現象であり、趨勢的停滞としても知られる。 市場は十分な需要がないことを示しているんだ。」 サマーズ氏は、総需要が不足していると言いたいようだ。 もっとも、株価急落局面での債券利回りをとらえて、需
ポール・クルーグマン教授が、Robert Skidelsky氏の経済学者に対する批判に噛みついた。 自分には各国経済政策の失敗が見えていたと言い張るから唖然とさせられる。 教授は量的緩和の失敗を予想していた? クルーグマン教授はNew York Timesのコラムで、スキデルスキー氏の指摘の多くに賛同するとしながら、例示の一つに「最悪」なものがあるという。 言うまでもなく、教授が関わったリフレについての部分だ。 スキデルスキー氏のコラムではこう書かれていた: 「政策決定者は何をすべきかわかっていない。 通常の(そして通常でない)レバーを押したが、何も起きなかった。 量的緩和はインフレを『目標に戻す』と思われていたが、そうはならなかった。 緊縮は、信頼感を回復させると思われていたが、そうはならなかった。」 クルーグマン教授は、「と思われていた」という部分にご不満の様子だ。 少なくとも教授は「
ポール・クルーグマン教授が金融政策の方向性についての議論を蒸し返している。 教授はいつか、この議論で宿敵トランプ大統領と意気投合するかもしれない。 クルーグマン教授は基本的な3つの質問を提起している: 1. FRBは失業率がどこまで下がりうるか知っているか? クルーグマン教授の答はNoだ. 現状の失業率は歴史的に見ても相当に低い。 しかし、教授によれば、完全雇用についての過去の推定値よりはまだかなり上にあるのだという。 さらに、インフレはまだ低い。 「インフレを昂進させることなく失業率を3.5%まで低下させられるか? 正直に言ってわからない。」 2. FRBはインフレがいまだ低いにもかかわらず、今金融を引き締めるべきか? もちろんクルーグマン教授の答はNoだ。 理由を3つ挙げている: 失業率はどこまで下げられるかわからず、やってみなければわからない。 間違えた時のリスクが非対称: 引き締め
ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が、金融政策一辺倒のパラダイムが終わり、財政も用いる新パラダイムが始まったと話している。 IMF専務理事の発言は称賛されるべきだ。 現在は、記憶されるべきとても重要な時点になるかもしれない。 サマーズ氏がBloombergで、IMFの変化について好意的なコメントを述べた。 ゲオルギエバIMF専務理事は14日のIMF・世界銀行総会において、各国が財政政策の終了を急ぎすぎれば世界経済が深刻な打撃を受けると心配した。 各国財政の持続可能性を重んじることが多かったIMFだけに、これが変化と捉えられたようだ。 (現在の状況を考えれば、当たり前のように思う人も多いだろうが。) サマーズ氏は、マクロ経済政策のパラダイム・シフトが起こりつつあると話す。 前回これが起こったのはボルカー・ショックの時だったという。 「1970年代終わりにポール・ボルカーが
ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、現状の持続不可能な状況を列挙し、近く大きなパラダイム・シフトが起こると予想した。 世界は狂ってしまった。 システムが破壊されている。 ダリオ氏が自身のSNSで、狂いつつある世界と経済について説明している。 同氏は大きく4つの常軌を外した状況が存在していると指摘している。 金融緩和が失わせる金融市場の規律 「お金は信用力のある人にとってはタダになった。 投資家はお金を貸してそれより少ないお金の返済を受けるだけでよしとしているからだ。 ・・・ その資金は、経済活動を刺激しインフレを高めようという空しい努力を続ける、各国中央銀行の金融資産買入れによって押し付けられたものだ。」 資本主義社会に規律を与えていた1つの要素は金利だった。 お金を借りて使うことに対してコストを払う。 だから借り手は借金をする時に真剣になり、一生懸命借金を返そうとするもの
著者の天達泰章氏は日本銀行を経て内閣府で経済財政白書の執筆を担当した日銀・政府内のエコノミスト。 そのエコノミストが物騒な著書を6月に上梓した。 (この書評記事は当初2013年に浜町SCIコラムに掲載されたものです。未掲載の書評のうち現在でも有用と思われるものを厳選し再掲しました。) (amazon) 過去に日本財政は破綻寸前と言われながら、破綻しなかった。 見誤ったのは、金融市場の生態に目を向けてこなかったからと説く。 つまり、仮にファンダメンタルズが破綻を指していても、市場がそう認識しなければ実際の破綻には至らないという考えだ。 逆に市場が過剰反応をすれば、ファンダメンタルズがOKであっても破綻は起こりうる。 その上で 外国投資家に財政赤字の穴埋めを頼るとき、財政破綻が訪れる と予言する。 そのタイミングは、 政府債務残高>民間金融資産残高 となるタイミング。 具体的には2025年頃と
債券王ことダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏のCNBC出演第2弾。 「王」と呼ばれる投資家からは予想しにくい投資推奨が語られている。 「今のムードでは、中央銀行がインフレを大きく引き上げ、金利を引き下げ、金利をインフレ率よりはるかに低位にして実質金利をマイナスにするのを基本政策にしているとの意識が広まっている。 先進国における債務問題が金融システムに現れ始めたことを理解し始めたんだろう。 日欧での銀行株の不振は、マイナス金利以来持続している。」 ガンドラック氏がCNBCで長期的な金融政策のトレンドを解説している。 言葉の定義は別として、先進各国の債務拡大が金融政策に制約を与えつつある。 金利水準を高くしてしまうと財政の持続性が失われてしまうのだ。 だから、低金利の幅の中で金融政策が運用されるようになり、それは銀行の収益を悪化させる。 これが金融政策の効果を削いでしまう。
アリアンツ経済顧問のモハメド・エラリアン氏がゴールドマン・サックスによるインタビューで、政策や投資についてバランスのとれた見解を披露している。 「市場参加者は、ファンダメンタルズから見て値付けが間違っていることを確信していても、何度も経験したように、FRBの資産買入れに逆らえば踏みつぶされてしまうことを理解し重んじている。 FRBがもたらした歪みがどれだけ調整されるかわからないため、インフレ期待を測る通常の市場の指標に頼るのには注意が必要だ。」 エラリアン氏がゴールドマン・サックスによるインタビューで、インフレの先行きを占うのに市場の指標を用いることができないと話している。 ここでいう指標は言うまでもなく(国債利回りと物価連動債利回りの差である)ブレークイーブン・インフレ率だ。 米ブレークイーブンインフレ率(緑:5年、赤:10年、青:30年) 足下のCPIに比べればブレークイーブン・インフ
ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が、モダン・マネタリー・セオリー批判の輪に加わった。 ハト派経済学者とMMT論者とは連続した空間にいるようにも見えるが、その違いを読み解こう。 経済状況の変化が、以前の正統性に大きく反する新たな経済学的概念を生んだ。 そして今、これら新たな概念をキワモノ経済学者らは過度に単純化、誇張し、いわゆるフリー・ランチを与えてくれるものと提案している: 誰にも負担を課すことなく、政府は財政支出を拡大できるというのだ。 サマーズ氏がワシントン・ポストへの寄稿で、モダン・マネタリー・セオリー(MMT)批判に参戦した。 幸いなことに、MMTについては名のある経済学者ならすべて誤りと指摘している。 ハーバード大学名誉学長の経済学者がこれに同調するのも当然の話なのだ。 レーガン減税のブードゥー経済学 サマーズ氏はMMTと同様の議論がレーガン政権の減税の際に
元日銀理事の早川英男氏による金融政策についての解説と論考。 今年出版された経済書の中で最良ではないかと思うほどの良書だ。 金融政策本の決定版 極めて正統的な観点・手法で日本の金融政策を見直している。 わかったつもりであったものが思い違いであったり、自分の知らなかった側面・歴史を持っていたり、教えてくれることしきり。 専門的ではあるが、文章は平易、流れるように書かれていて読みやすい。 9月の日銀による「総括的な検証」の前、7月の出版。 本書のすごいところは、「総括的な検証」で検証された点を網羅しつくしていること。 あたかも、日銀は本書を元に「総括的な検証」を行ったがごときである。 長く日銀でエコノミストの道を歩んだ早川氏の認識・考えは、日銀政策委員はどうかわからないが、日銀内のエコノミストたちの間で深く共有されているのであろう。 語彙集: ワラス中立性 この本にはいくつかの楽しみ方がある。
日本銀行で国際局長などを歴任した長井滋人氏が、日本人に特徴的な為替に対するバイアスを解説している。 日頃いかにステレオタイプに為替に反応しているか反省させられるような発見だ。 1986年以降の日本経済の歩みを振り返ると、一貫して為替レートの動きに翻弄されてきた感が強い。 プラザ合意があった1985年の翌年に日銀に入行した長井氏が証券アナリストジャーナルへの寄稿で書いている。 この期間を通して「金融政策の反応関数の最重要パラメータも為替レート」だったと書いている。 円高が起こるたびに政策対応がなされてきたのである。 過去の現実を淡々の述べた上で、長井氏は本質を明かす。 「この事は必ずしも円の動きが日本経済へ与える影響が常にそれだけ重要であったことを意味する訳ではない。 ・・・国民全体が円の動きに常に過大なまでの関心を持ち、それが故に政治家も官僚も対応せざるを得なかったということだ。」 長井氏
新債券王ことダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏のYahoo Financeによるインタビュー第2弾:金融政策の真相と帰結。 「今日驚くべき発言がラエル・ブレイナードFRB理事から飛び出した。 『FRBがインフレを押し上げるために介入したい背景の理由は極めて複雑で、公衆に説明するには複雑すぎる』というんだ。 私が考えるに、そこに何も根拠がないというようなものだ。」 ガンドラック氏がYahoo Financeで、中央銀行の詭弁を批判した。 FRB高官でさえ、なぜ中央銀行が物価上昇を望むのか明解に説明することができない。 インフレを上昇させれば実質金利を下げられるからというのは一応の理屈かもしれない。 しかし、それは金融政策のために金融政策をやっているような響きがある。 実際にそれが十分に機能しない場合、危険な循環を引き起こしかねないのではないか。 ガンドラック氏の解釈はもっと
ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、中国企業の米国内上場禁止の噂についてコメントした。 この出来事には第2次世界大戦直前に起こったことと似た面があるという。 私たちは、私たちの人生では体験したことがないが以前多く起こった典型的な行程を経験をしているところなのだ。 最近では1930年代終わりだ。 この状況は、1930年代終わりと同じ力学によって動かされている。 ダリオ氏が自身のSNSで、ワンパターンな話になると恐縮しつつ書いている。 同氏が指摘した3つの力とは: 富と政治の格差拡大 金融政策の効果が低減 新興勢力の台頭 今回ダリオ氏が注目したのは、トランプ政権が検討していると噂された中国企業の米市場上場廃止だ。 米市場の資金が中国に流れるのを制限しようという目論見のようだ。 ピーター・ナバロ大統領補佐官や米財務省はこの噂を否定している。 ダリオ氏は、こうした資本規制には先例が
ポール・クルーグマン教授が「国民所得分配」勘定の創設を提案している。 GDP成長は全体の数字だけでなく、どの層にどれだけ分配されるかが重要だとの考えだ。 これ(法案)は本当にいいアイデアだ。 ・・・ GDPはさまざまな目的のために必要な数字だが、もとより経済的成功の尺度として適当なものではない。 クルーグマン教授がGDPに対する考えをThe New York Timesのコラムで書いている。 教授が誉めているのは米民主党上院議員Chuck Schumer、Martin Heinrich両氏がGDPの偏重を回避するために提出した法案だ。 クルーグマン教授は、GDPが万能でないことについてはいくつもの理由があるという。 「1つの問題は、GDPが教えてくれるのが所得平均に起こっていることでしかないことであり、これは必ずしもほとんどの人々の生活にとって重要ではない。 (Amazonの)Jeff B
ポール・クルーグマン教授が、インフレ論争についてCNNのつまらない質問に答えさせられて、少しかわいそうだ。 短期金利がゼロの環境では、お金を使おうというインセンティブがあまりなくなり、別の形の貯蓄に向かうだけになる。 過去15年間、貨幣の量をインフレのドライバーとする考えは完全に死んだ。 すべての貨幣集計量がインフレ上昇を伴うことなく急拡大した。 金利が極めて低く、基本的にこの状況では貨幣を増発すれば流通速度が低下したためだ。 クルーグマン教授がCNNで、流動性の罠や貨幣数量説について話した。 教授が言いたいのは、単純にマネタリーベースやマネーサプライが増大することでインフレが起こると心配する必要はないということだ。 "A combination of libertarian derp and techno babble."@paulkrugman remains unconvinced
ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が、金融政策の限界を認識すべきと論じている。 興味深いのは、ハト派の代表格である同氏が、さらなる金融緩和が効果が薄いだけでなく逆効果になりうると指摘していることだ。 このことがジャクソン・ホールのテーマ『金融政策の難題』から導出されることを願う。 でも、期待はしていない。 サマーズ氏は、ジャクソン・ホール経済シンポジウムの直前、同シンポジウムに期待していない旨を(28回にわたり)ツイートしている。 期待していないと言っても、中央銀行に対して強い批判を込めているわけでもなさそうだ。 むしろ、期待すべき話ではないといいたいようなのだ。 話は、サマーズ氏がこの数年主張し続けている21世紀の趨勢的停滞論に根差したものだ。 中央銀行は、私たちが考えているように、今後10年間の先進国世界におけるマクロ経済安定のための主たるツールになりうるだろうか。
ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、米国株市場に慎重なスタンスを継続した。 同市場がトンネルを抜けるまで、新興国市場への投資を推奨している。 3-5年で見れば米国株は最もパフォーマンスのいい資産だ。 《永遠のブル》がCNBCで米国株市場への確信を語った。 その教授でさえ、常に市場が上げ続けるとは考えていない。 市場とは上げ下げを繰り返し、上げる時にもペースを変えるのが通常だからだ。 2009年から始まった長い強気相場は時々それを忘れさせてしまいそうになるが、数年に一度癇癪を起して投資家を驚かせる。 シーゲル教授は昨年末の法人減税法案の通過あたりから急速に弱気に振れ始める。 2018年の米国株上昇を0-10%と予想し、《永遠のブル》とは思えないような慎重なコメントを繰り返している。 教授は、その予想を今も継続している。 今年はすばらしい年だったとしながら、金利は上昇し、企業の利益予
元日銀審議委員 白井さゆり慶應義塾大学教授が、家計のインフレ・マインドと日銀の金融政策についてコメントしている。 日本の低インフレは構造問題であり、金融政策で対応すべきではないという。 「日銀は他の中央銀行と比べても相当(強力)な金融緩和をやっている。 量も種類もできる限りのことをしているが、物価の基調は弱いままという印象だ。」 白井教授が22日のテレビ東京番組で話した。 年初に上昇するかに見えた日本の物価だったが、その後再び低下している。 教授はこの一時的な上昇について食料・原油の影響と分析する。 いずれにせよ、コスト・プッシュのインフレは「産業にとって望ましくない」のだから、喜ぶべき話ではなかったようだ。 日本はデフレ・マインドでなくインフレ・マインド 日本の物価が上がらない。 FRBが2%を達成し、ECBも達成に自信を見せているが、日銀は2%から遠ざかるばかりだ。 黒田総裁は会見で「
ポール・クルーグマン教授が、新設された米国家通商会議のPeter Navarro議長によるドイツ叩きを2つの側面から非難している。 ドイツとユーロを混同すべきでないとした他、他国への内政干渉となるような要求は慎むべきとの指摘だ。 ドイツ一人勝ちにナバロが噛みつく クルーグマン教授が問題視するナバロ議長の言動はこうだ: 「ドイツは為替操作国であり、シャドウ・ドイツ・マルクとユーロの両方とも過小評価されていると攻撃している。 これが米経済外交にとって格好の標的だとの疑わしい考えは別にして、彼は正しいのだろうか? 答はYesでありNoだ。 不幸にも、『No』の部分は、米国にも関連する事柄だ。」 Yesとはどういうことか。 言うまでもなく、ドイツがマルクを使わず、ユーロを使っていることで、独経済に比べて通貨ユーロが過小評価の状態にあるという点だ。 これが、ドイツの貿易に有利に働いている。 その対極
先週BloombergとCNBCが相次いでファストフード業界に関する短編ビデオを公表していた。 もはやお手頃価格でなくなったファストフード業界で起こる変化を解説したものだ。 いずれもマクドナルドの業績開示におけるCEOの発言を紹介するなど、共通点も多い。 Bloombergの方が数日早く公開されたのだが、CNBCの方から紹介しよう。 CNBCのビデオタイトルは「なぜファストフードはこんなに高くなったのか」。 タイトルどおり、販売価格に重点が置かれている。 ビデオによれば、ファストフードが属するCPIの品目「限定的サービスの外食・軽食」における2019-23年の上昇率は27.76%だという。 これが「フルサービスの外食」の23.78%、全体の19.18%より高いというのがビデオの問題意識だ。 なぜかと言えば、読者の多くが想像するとおり、サービス分野での賃金上昇が効いている。 事業者はコスト増
元日銀理事の山本謙三氏が日銀「金融システムリポート」の中身を解説している。 そこには地銀だけに責任を押し付けるべきでない実情が垣間見える。 「金融システムは危機的状況には至ってないが、地銀の収益悪化が確実に進んでおり楽観できないという内容だ」 17日公表の日銀「金融システムリポート」の内容を山本氏がBloombergインタビューで解説した。 長く続く金融緩和の中で相対的に運用力に劣る金融機関は厳しい環境に置かれている。 長短金利はゼロかマイナス、イールド・カーブもフラットとなれば、おいしい仕事はそうそうなくなる。 そうなれば、リスクを度外視してリターンを追求しがちなのも人情だ。 なにしろ、マイナスのリターンに甘んじていれば、ただただじり貧になり、破綻さえ起こりうるからだ。 日銀「金融システムリポート」では「ヒートマップにおいて、不動産業向け貸出の対 GDP 比率が『赤』(過熱方向でトレンド
レイ・ダリオ氏が執筆中の新著『変わりゆく世界秩序』(仮訳)から、前回紹介したニクソン・ショックの後についての描写をいくつか読んでおこう。 1971年ドルや他の通貨が金とのリンクを解消して以降、世界は不換法定貨幣制度に移り、ドルは金・他の通貨・株式・最後にはすべてに対して価値を下げた。・・・ お金と信用の拡大に制約を与える、金にリンクする貨幣制度から脱した結果起こったのは、お金と信用(の拡大)の大幅加速、インフレ、原油・コモディティ価格(上昇)、そして債券ほかの債務のパニック売りだった。 これは金利上昇を引き起こし、1971年から1981年の10年間のほぼすべての期間で、投資家を不動産・金・収集品などハード・アセットへ走らせた。 ダリオ氏が自身のSNSで書いている。 同氏は、政府が貨幣の大規模増発を行う度に貨幣の価値が大幅低下したという。 最近でいえば2008年のQE宣言、今年の大規模財政・
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