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掃除・片付け
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「世界で排出されるCO2の34%は食の生産から生まれ、そうして作られる食糧の33%が廃棄されているんだ。その33%を生産するのに、一体どれだけの水を使ったと思う?」 今、ものすごい深刻な旱魃に見舞われている北イタリアの状況を踏まえて、スローフード協会設立者のカルロ・ペトリーニ氏が放った言葉だ。数年前、一般人として世界で初めてヴァチカンに招聘され、教皇に環境問題についてのアドバイスを求められたという人の言葉は、さすがに説得力がある。 Carlo Petriniさん。Slow Food International提供 テーラマードレの発表会で先日の6月23日、ピエモンテ州を本拠地とするスローフード協会が2年に一度開催する世界的な食のイベント「Terra Madre テーラ・マードレ」と「Salone del Gustoサローネ・デル・グースト」の開催発表会があったので行ってきた。その発表会で、
3度目の春がやってきて感染者もどんどん減り始め、 欧州ではイギリスやオランダがまず、完全にコロナ規制を解除し始めた。 一方イタリアはかなり慎重派で、4月いっぱいは 室内でのマスク使用義務やグリーンパス(ワクチン証明)の 携帯義務などが続いていた。 そんな状況と並行してウクライナで戦争が始まった。 イタリアの人たちも、私自身も、頭は地続きのすぐそこにある 戦争のことでいっぱいになり、コロナは頭の隅っこに押しやられた。 そして5月1日からは、ほとんどの場所では室内でも マスク着用義務が緩和されたイタリアで、 ある日私はコロナに感染していた。 5月4日水曜日 書かなければいけない原稿がいくつもあるのに、 なんだかやる気が全く起きず、午後からソファに転がって ずっとネトフリ三昧。ダメじゃん、明日は頑張ろう。 ちょっと喉がイガイガするなあ。今思えば、これが発症前夜? 5月5日木曜日 朝起きてみると熱
イタリアでは今、ワクチン接種がどんどん進んでいる。 12月末に「ついに長いトンネルの先の光です!」と 華々しく始まったイタリアのワクチン政策は当初、全然機能しなくて、 3ヶ月以上たっても接種人口は全然増えていかなかった。 4月16日の時点で2度接種を終えたのは全国民のたった7%というお粗末さ。 イスラエルやイギリスに大きく遅れを取っていた。 契約通りワクチンが納入されない、接種スタッフが足りない、 予約システムがうまく機能しない。 毎日毎日ネットやテレビで政府を非難する声が飛び交っていた。 600人接種の予定だったのに連絡がうまく届かず、 接種会場に来た人はたったの80人。 解凍しちゃったワクチンはどうしたんだ!なんていう大事件もあって、 冷凍庫のプラグが抜けちゃった事故が起きている日本を、 全く笑えない状態が続いていた。 ところがある時から急に接種のスピードが上がりだした。 トリノの60
去年の9月、娘が遠くの大学に入学して一人暮らしを始めたので、 私も平日は、ほぼお一人様の夕ご飯だ。 原稿書きやグレースの散歩で結構忙しいので、 自分の好きなものをたっぷり作って、毎日同じモノを 食べ続けるのは、全然嫌じゃない。 娘がいたらさぞ文句を言われるだろうな、と思いながら、 3日も4日も温め直して同じものを食べている。 だから温め直してどんどん美味しくなる料理がいい。 おでんとかカレーとか野菜の煮物とか。イタリアだからミネストローネとか。 ミネストローネといってもレシピは特に決まりはなくて、 冷蔵庫を開けて、野菜室にいるヒトたちを総動員して、 刻んで、鍋に放り込み、煮込むだけ。 玉ねぎ、人参、セロリ、ズッキーニ、なす、カラーピーマン (日本では最近パプリカと呼ぶようですね)、ジャガイモなどなど。 私はニンニクも1つか2つ、刻んで入れる。 忘れちゃならないのはトマト。トマトがあるなしで
「70歳代の接種予約リストに入れてもらったんだけどね。 死んだりするのは、ごく稀なケースってわかるけど、 その稀が俺じゃないっていう保証はないもんね。 研究データの材料になるのは嫌だよ」 毎朝のグレース(愛犬ラブラドール8歳女子)散歩で会う、 ハスキー犬ハリーのオーナー、ブルーノが言った。 まさに今のイタリアの、いやきっと、世界中の大半の人が思っていること、 そのままを表している気がした。 「No Vax」という、かなり過激にワクチン接種を反対する運動が イタリアで広がっているけど、そこまではいかないまでも不安は拭えない、 しなくて済むならしたくない、そう思っている人は多いんじゃないかな。 去年10月からの第2波が収まらないまま第3波がやってきて、 11月のピーク時には1日2万人以上の感染者と500人を超える死者を出し、 ほとんどの州がレッドゾーンに指定された。 去年の3月、都市封鎖をした
2021年2月23日(火曜日) ちょうど一年前の今日、私たち家族は、 ピエモンテ州のトリノから隣の州のアオスタへ、 3泊4日のスキーバカンスへ出発した。 新型コロナウィルスというものが中国・武漢で発生していることはもちろん、 日本でダイアモンドプリンセス号が大変なことになっているのは ニュースで知っていたし、イタリアでも ロンバルディア州やヴェネチアのあるヴェネト州で 症例が出てきていることは知っていた。でもそれはみんな 遠いところのできごとのようで、現実感は全くなかった。 だからイタリアがその2週間後には 大変なことになるなんて夢にも思わず、むしろ日本が大好きだという イタリア人の友人家族が、そのカーニバル休暇を利用して 日本へ旅行に出かけたのを、 「日本の感染がもっと酷いことになったら イタリアに入国できなくなるのでは?」なんて、 今から思えばトンチンカンな心配をしていた。 トンチンカ
ここ掘れワンワンのトリュフ犬 11月13日(金曜日) 昨日からどんよりと霧が沈んで、骨にしみる寒さになって来た。 いつもの年なら、私が暮らす、このピエモンテの晩秋特有のお天気には、 しめしめ、白トリュフが美味しくなってくるねー、 とニヤニヤするところだ。でも今年は、 レストランも営業できないし、自分の住む市町村から出られないから、 トリュフなんか食べに行くことはできない。 気温が下がればウイルスの動きが活発になるというので怖い。 世界で最高品質の白トリュフが食べられる ピエモンテ州ランゲ地方、アルバの界隈には、 世界中から白トリュフと、バローロやらバルバレスコなどの ピエモンテワインを目指して押し寄せてくるはずのグルメや フーディーも今年はいない。 ピエモンテ州のレストランは、一年で一番の稼ぎ時だっていうのに。 こんなふうに目の前で削ってもらって食べる白トリュフ。今年はお預け。 昨夜のニュ
パリやウィーンでテロがあったり、ミラノでは銀行強盗が発生したり。 先日はトリノの郊外で夫が妻と2歳の双子、飼い犬を射殺したという事件。 物騒なニュースが増えているように感じるのは気のせいだろうか? コロナで疲弊した心と経済が大変なことになってないか。 (写真はクリスマスのイルミネーションがついたトリノの街並み。著者撮影) 11月3日(火曜日) 夕方、同じトリノに住む日本人のMちゃんからメッセージ。 「やっぱりピエモンテ閉まりそうだって。何買っておこうかな?」 閉まりそう、つまり、ロックダウンということだ。 第1波の時は、小麦粉が全然手に入らなくなって困ったので、 私はオーガニックの店に行って、小麦粉、醤油、豆腐などを買う。 それから消毒液と使い捨て手袋、マスクなども少し多めに買う。 6時過ぎに家について、ニュースを見ると 今日の死者350人! 今日、新しい法令が出て、明日あたりから実施され
イタリア+日本。おいしいものをめぐるいい時間、いい出会い。 Italy + Japan, happy time and pretty people around good food ピエモンテ州の某有名チーズショップ前。牛だってマスク着用のイタリア。 9月から書かせてもらっている ニューズウィーク日本版のWorld Voiceというコーナーで、 漫画家のヤマザキマリさんが「イタリア人は鼻をかんだハンカチを 他人と使い回すからコロナ感染が拡大し」という自説を あちこちで書いたり出版までしている件について書いた。 鼻を噛んだハンカチだろうがティッシュだろうが それを使い回すだなんて、そんな不潔なことをするイタリア人は 少なくとも私の周りにはいない。私の知り合いの イタリア在住者に聞いても、そんなことない!という。 ヤマザキさんの周りに一人ぐらいそういう人がいたのかもしれないが、 (ご自身の夫が
イタリア+日本。おいしいものをめぐるいい時間、いい出会い。 Italy + Japan, happy time and pretty people around good food 3月4月のイタリアは、コロナウイルスの感染拡大がものすごくて、 先日の日経新聞も書いていたけれど、まさに「地獄」の日々だった。 実際には、ロックダウン中で家の中にいる限り安全だから (そして家の中にいることしかできなかったので) 地獄を体験しているというよりも 地獄を間近に見ている、でもそれはいつ、 実体験に変わるかわからない、そんな恐ろしさのある日々だった。 毎日夕方6時になると、市民保護局長が記者会見をして、 その日のデータを発表していた。 毎日毎日休みなく定時に記者会見して、 お疲れだろうな、免疫力下がってコロナに感染しないといいけど、 と思っていたら、3月の後半に発熱のため自主隔離、という発表があった。
こんにちは。 みなさんがたくさん読んでくださったおかげで、 9月1日からニューズウィーク・ジャパンで ブログ「パスタな国の人々」の連載が始まりました。 これからもここで書いていきますが、 月に2回ほどは、ニューズウィークの方も のぞいてみていただけたら嬉しいです。 よろしくお願いします。 第1回目はこれ。 https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/miyamoto/2020/09/7811the-words-50-best4090-food-for-soul_1.php?fbclid=IwAR3MHmm_39ZcpC10I9ByJbiCtiVIkazGs2btDkjWQFZu37G0RMIRSFFq_N4
8月15日、日本は終戦記念日だけど、 イタリアではキリスト教の祝日「聖母の被昇天」という日で、 その前後2週間ほどの間はバカンスがピークに達する。 7月、8月はすでにバカンスモードなイタリア。 6月に入ると、仕事をしていてもそわそわして使い物にならない、 そんなイタリア人が多いけど、 みんながイメージするような、 イタリア全国民が長〜いバカンスを取れたのは遠い昔の話。 でも8月15日の前後2週間ぐらいは話が別だ。 レストランやバールやブティックも、休むところが多い。 日本のお盆週間みたいな感じ。 だからこの時期は街から人も、車も消える。 24年前、イタリアに来たばかりの頃は、 本当に全ての店、レストランが休業になったから、 私や、トリノに暮らしていた日本人の友人たちは、 水が買えなくなったら困ると言って買い込んだり、 中華レストランだけは閉まらないから餓死はしないよね、 なんて冗談半分で心
6月15日からはEU内の移動も自由になって、 イタリアに、ほぼ普通の暮らしが戻ってきた。 久しぶりに会った友達でも 私たち日本人は 「わー、久しぶりー」なんて言って手を振るとか 会釈をするだけなのは普通のことだけど、 愛情深いイタリアの人たちにとって、 2ヶ月ぶりに会った友達に 会いたかった! という気持ちを表現するための ハグもキスもなし、でマスク越しに話しをするのは どんなにか不自由な気持ちだろうと思う。 ヴェネチアには観光客が少し戻ってきたという 明るいニュースや https://tg24.sky.it/cronaca/2020/06/13/coronavirus-venezia-turisti ナポリではサッカーのコッパ・イタリア決勝で、 ナポリのチームが強豪ユヴェントス(トリノのチーム!)に勝ったというので 人がものすごく集まってお祭り騒ぎになったり https://www.hu
各分野で功労のあった個人に対して授与されるそうで、 過去には外国人にも授与されている。 日本人ではイタリア料理の落合務シェフや サッカーの中田英寿選手が騎士勲章を貰っている。 最上位の勲章は現明仁上皇、 2番目の偉いヤツを黒澤明監督が受けている。 イタリア歴史小説の大家・塩野七生さんや ヴェネチアなどの歴史的建造物に 現代の建築技術を融合させた安藤忠雄さんは 3番目の等級の勲章。 これは安藤さんとは関係ないけど、ヴェネチアの運河にあった面白いオブジェ。 というわけで、今回の57人の騎士勲章をもらった人たち。 半分ぐらいは医師、看護師、研究者などの医療従事者。 最初の感染者を発見して治療をした医師と看護師。 集中治療室や救急医療の現場ではなくて、 診療所という比較的安全と思われていた場所で 医療に関わるホームドクターである彼らは、 人手が足りなくなったレッドゾーンの医療現場へ 感染の危険も顧
イタリア+日本。おいしいものをめぐるいい時間、いい出会い。 Italy + Japan, happy time and pretty people around good food
ー「親戚を家に訪ねる」 今までは家族であっても、 同じ家に住んでいなければ会いに行くこともできなかった。 例えば結婚した娘や息子や、年老いた両親が 500m先のご近所の、別の家に住んでいてもダメだったのが、 OKになる。もちろん、会う時には距離を置いてマスクをして、 などの注意は怠らないことが大前提。 でも誰もチェックする人はいないんだから、 会いたかった気持ちが爆発して、 ハグしまくりそうだ。 何せラテンの血が流れているイタリアの人たちは、 感情を行動やジェスチャーやスキンシップで たっぷり表さなといられない。 例えばずいぶん前に、日本に2年ぐらい帰れなかったことが あった。母に会いたいなあ、会ったらギューって 抱きしめちゃおうかなあ、と思っていた私は、 日本の地面を踏んだ途端に照れ臭くなり、 数歩離れたところから母に、 ああ、ただいま、元気そうね、なんて 典型的な日本人として挨拶したの
イタリア+日本。おいしいものをめぐるいい時間、いい出会い。 Italy + Japan, happy time and pretty people around good food 黒豆が大好きすぎて、お正月が終わって2週間以上経った今も、 また黒豆を煮て、食べて喜んでいます。 noteの方に、そんな黒豆への想い、というか自慢の煮方について書いたので、 ここにも貼っておきます。 noteのリンクは こちら。 @@@@ ついボーっと していたら、あっという間に1月が半分過ぎた。 それでも私は、上手に煮えた黒豆を毎日大事に食べては、嬉しくなっている。 黒豆が大好きで、お正月のお重の一角にほんのちょびっと盛り付けてあるのを お箸で一粒、ふた粒、じゃなくてスプーンでごそっとすくって食べたい、 口いっぱいに黒豆を感じたい。そう思って生きてきた、なんて言うのは大袈裟だけど。 それで好きが高じて、いかに
サボりながらも長いこと続けてきた「ピエモンテのしあわせマダミン」をお引越しリニューアルしようと思っていたら、イタリアではコロナウィルスの感染があっという間に広がって、今、恐ろしい状態になっている。 今日3月18日現在、感染者数28.710人、死亡者数は1日で475人も増えて2.978人 日本でも心配してくださっているイタリアファンの皆さんのために、状況の変化を時系列に並べて書いてみた。 @@@ 2月の中旬までは、個別の感染ケースが数件見つかったものの、水際対策での押さえ込みに成功していたかに見えたイタリア。あっという間に感染が広がり、今や、中国に次ぐ大きな感染国となってしまった。事実上の外出禁止になってからすでに10日、自粛ムードになってからも数えれば、もう一ヶ月近くがたつ。先の見えない重苦しい気分や不安がだんだんと膨らみ、身近に忍び寄ってきている。 2月21日(金曜日) イタリア北部のヴ
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