ロシアが支配していると言われている空域へのTB-2の進入は、ふたつのことを示唆している。ひとつは、9カ月前、ロシアの防空網によってひどく損耗したTB-2部隊(70機規模)を、ウクライナがなんとか再建したということだ。 もうひとつは、ウクライナ南部の広い範囲で、ロシア軍の防空網が徐々に弱まってきているということだ。ウクライナ軍は4カ月前に待望の反転攻勢に乗り出し、南部ザポリージャ州と東部ドネツク州の主要な攻撃軸で、ゆっくりと、だが着実に前進を遂げている。 TB-2は全長6.5m、最大離陸重量700kgのトルコ製ドローンだ。通信衛星で制御され、航続距離は数百kmにおよぶとみられる。搭載されている光学機器によって昼夜を問わず飛行でき、ハードポイント(機外兵装搭載部)から射程8kmの小型ミサイルを発射できる。