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SNS上を見渡すと、夫婦別姓をめぐる議論を見ない日がない。2022年3月に夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は憲法違反だとして、事実婚の男女が国に賠償を求めた訴訟で、最高裁が同規定を「合憲」とする判決を出したのはまだ記憶に新しい。 現在の民法では、結婚の際、男性または女性のいずれか一方が必ず姓を変えなければならない。結婚して姓を変える人は、女性が圧倒的に多く、全体の約95%を占める。筆者は、結婚して姓を変えた5%の男性のうちの1人である。 改姓後に起こった出来事は、夫婦別姓を考えるうえで非常に有益であった。本稿では、私個人の経験などを踏まえながら、夫婦別姓を議論する際に必要となる視点について論じてみたいと思う。 改姓をめぐって経験した制度的な不条理 まず私が姓を変えたときの両親の反応が微妙なものだったことをよく覚えている。最初は「婿養子になるのか」という問い掛けだったが、ほどなく「なぜ(
航空業界に衝撃が走っている。 11月7日、鈴与ホールディングス(HD)が中堅航空会社・スカイマークの株式を取得すると発表されたのだ。2015年にスカイマークが経営破綻して以来、同社の再建を支援してきた投資ファンド、インテグラルが保有する株式の一部を鈴与HDに譲渡する。 鈴与HDは11月14日にスカイマーク株式を13%取得し、筆頭株主になる予定。取得価格は70億円以上になると見込まれている。インテグラルの保有比率は20.3%から7%程度に低下する見込みだ。 鈴与は静岡県に本拠を置く企業グループ。1801年に回船問屋として創業し、中核の物流事業を中心に建設、食品、情報など幅広く事業を展開している。トップは代々、「鈴木与平」を襲名し、現在の会長は8代目になる。清水(静岡市)では知らぬ者がいない、地元の親分的な存在だ。 グループには東海地場のフジドリームエアラインズ 株式売却そのものにサプライズは
高級チョコの代名詞的な存在であるゴディバがパン屋「GODIVA Bakery ゴディパン本店」を東京・有楽町駅前の東京交通会館で開業したのは8月4日のことだ。 パンもチョコも売れない8月にもかかわらず、初日は前夜から客が並び始め、11時の開店時には200人を超えた。店頭にはチョコレートまたはカカオ由来の原料を使ったパンが24種類、焼き菓子が4種類並んでいたが、トレイ2つに山盛り載せる客も出るほど売れ、途中から整理券が配られ1人4個まで(8月21日から5個まで)に制限した。 現在は朝9時から整理券を配っているが、それでも閉店の20時まで持たず16時、17時には完売する。いったいなぜ、真夏にチョコを使ったパン屋が、整理券を必要とするほど大盛況なのだろうか。
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幼稚園や保育所で、わが子がほかの子から性的ないじめを受けたと知ったらどう対処するか。子ども同士のスカートめくりや性的なからかいも性被害だ。「子どものいたずらでしょ」と流してしまうのは危険だという。なぜなら被害を受けた側は大人になっても恐怖や羞恥心を忘れられず、トラウマになってしまうケースもあるからだ。 「好きな子には意地悪しちゃうものなんだよ」 漫画のストーリーはこうだ。田舎町で3世代同居家族の「おばあちゃん子」として育ったゆっぺさんは3歳で祖父母と離れ、両親・双子の妹とともに都市部へ引っ越す。5歳から通い始めた幼稚園で、いじめっ子男児から性被害を受けた。最初は弁当にゴミを入れるなどの「嫌がらせ」だったが次第にエスカレートし、お昼寝の時間に下着の中へ手を入れられた。 ゆっぺさんはまず、「恥ずかしいことをされている自分を周りに知られたくない」と思ったそうだ。一方で母親や先生に訴え、男児に加害
山陰本線を走る特急スーパーまつかぜ。あと数分時間をずらせば乗り換えが便利になる列車もある(写真:うわじま6号/PIXTA) ダイヤ改正が鉄道ファンの間で話題となる季節がやってきた。 暇さえあれば時刻表をダラダラと眺めて無為な時間を過ごしている筆者にとって、ダイヤ改正でいちばん気になるのは「意地悪(いじわる)ダイヤが改善されているか」という点だ。 JR全線乗車を目指して各地の路線に乗るプランを考えるため時刻表と真摯に向き合っていた頃から気になっていたのが「タッチの差で乗り換えられない」という事例。スマホもネットもない学生時代、旅先で何度「関ケ原の雪の影響で新幹線が適度に遅れていたら、新幹線からの乗り換え客を待つため5分前に出発するはずの特急も遅れるので乗ることができるかも」と思ったことか。 そこで2022年12月号の時刻表で見つけた、あと一歩で乗り換えられない、乗り換えられそうで乗り換えられ
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しゃべり過ぎる人のことを「女性」と認識するのであれば、森喜朗氏は間違いなく「女性」だ。先週、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長である同氏は、「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度規制をしないとなかなか終わらないので困る、と言っておられた。誰が言ったとは言わないが」と発言。これが国際的に猛烈な反発を招き、コロナの蔓延とともにオリンピックを危険に陥れている。 アラームがなってもスピーチを続けた この発言は日本オリンピック委員会の評議員会ので、何と40分にも及ぶスピーチの中で行われたという。私の経験上も、日本で公衆の面前で話し過ぎるのは、たいていは女性ではなく男性だ。その中でも私の記憶に最も残っているのは、他でもない森氏である。 2019年10月30日、ラグビーワールドカップ日本大会の成功を祝してフランス大使館で催された大規模なパーティーの席で、主賓だった同氏は30分ほど続くス
最愛の紫上の死は『源氏物語』のクライマックス 「御法」で描かれる紫上の死の場面は、『源氏物語』全体のクライマックスと言っても、まず言い過ぎではあるまい。 紫上という人は、源氏が妻として真剣に愛した唯一の人であった。あの須磨明石へ蟄居の折に、いつだって源氏の脳裏に浮かび来たのは紫上であったし、帰京後、また共に暮らすようになった折の叙述に、源氏は、この君の魅力が天下無双のものであることをつくづくと再確認し、「いったいどうやって平気で何年も逢わずにおられたものであろう」と我ながら訝しくさえ思ったとある。 それほどに源氏が心を込めて愛した人が、物の怪の祟りでもなく、まったくの定命(じょうみょう)によって、何の苦しみもなく「消えゆく露の」ようにも儚く死んでしまうのだが、しかし、その死の床には、源氏も、明石の中宮も、夕霧も、みな囲繞して看取っていた。こんな幸福な死に方をした女君は、この人を置いて他には
2018年、インターネットで大きな注目を集めた「新宿駅タックル男」。 多くの人が行き交う新宿駅の構内で女性だけを狙って次々と体当たりしていく男性の姿を捉えた動画がSNSなどで拡散され、同じような被害にあったことがある女性たちから怒りの声が日本中で上がった。 この文章を書いている私もまた、男性から思い切りぶつかってこられた経験は数え切れないほどある。歩きスマホをしているわけでもないし、突然立ち止まったり人の流れに逆らって歩いたりしているわけでもない。しっかり前を見て歩いている状態のときでも、彼らは肩を突き出すようにして「意図的」に体当たりをしてくる。 ときどき数メートル先から、こちらを睨むようにして突進してくる男性の姿に気がつくことがある。こういった場合、体当たりされる危険を察知して男性の動線を避けても、なぜかわざわざ歩み寄ってきて肩をぶつけて、舌打ちをしながら立ち去っていくこともある。 「
巨大クライシスを乗り越えた後の世界の秩序や常識はどうなるのか──。ポストコロナの「ニューノーマル」(新常態)について、さまざまな予測、提言、議論がされているが、リーダーシップとコミュニケーションについて長年、研究してきた筆者が予言、いや期待する「ニューノーマル」は「女性リーダーと新世代リーダーの台頭と活躍」だ。 ニュージーランド、台湾、ドイツ、フィンランド、デンマーク……。世界的に見て、このコロナ危機に上手に対処している国のリーダーに女性が多いということが話題になっている。こうした非常事態時には、力強さを体現する男性のほうが向いているのではないかという思い込みもあるが、なぜ、この未曽有の危機に女性リーダーが真価を発揮できるのか。その理由と女性リーダーの強みについて考えてみよう。 成功する女性リーダーは「カメレオンタイプ」 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(39歳)。今回のコロナ
「#いだてん最高じゃんねぇ」というハッシュタグがある。NHK「いだてん」後半の主人公=田畑政治(阿部サダヲ)の口癖をもじった「いだてん」応援タグである。 12月15日の最終回に向けて、このハッシュタグが、ここ数日かなり盛り上がっている。世間的には盛り上がらなかったという烙印を押された格好の「いだてん」だが、コアな層はいよいよピークを迎えつつあるという「2層構造」になっているのだ。 今回は、最終回を目前にしたこのタイミングで、この「2層構造」の実態を総括したいと思う。「いだてん」の1年間を冷静に振り返りつつ、最終回に向けた期待を述べてみたい。 視聴率の低迷にあえいだ「いだてん」 正直、「いだてん」の1年間は苦闘の1年間だった。視聴率が低迷し続けたのだ。 初回こそ15.5%を記録するも、だんだんと高度を下げ、2月10日放送の第6話で9.9%と初の1ケタ台に落ち込み、それから12月8日の第46話
日常のどこにレイプドラッグが潜んでいるかわかりません。写真はイメージです(写真:iStock/webphotographeer) 3回目となった6月11日は東京、名古屋、札幌、仙台、大阪、神戸、下関、福岡、鹿児島の計9か所で実施。それぞれの場所で数百人から数千人が集まる大規模なものとなった。 JR東京駅前の行幸通りには約300人が集まり、被害当事者団体『スプリング』のメンバー岩田美佐さんは「16歳で集団レイプに遭い、進学もできなくなった。いっそ殺されたほうがよかった」と語った。岩田さんや被害者たちの叫びを聞いて涙を浮かべる参加者の中で、深くうなずきながらすすり泣く女性がいた。 急激に増えている『レイプドラッグ』 藤本ありささん(仮名・36)だ。自身もレイプ被害に遭ったというが、 「何も知らない人に話すと必ず言われることがあるんです。“記憶がないだけマシだね”って。励ましてくれてるのかもしれ
あと半月ほどで夏休みシーズン。大型連休や年末年始と並び、新幹線をはじめとする鉄道が混雑するお盆の列車予約スタートはもうすぐだ。 今年のゴールデンウィークは10連休だったこともあり、鉄道の利用は極めて好調だった。その中でも東海道新幹線は、前年比118%増の457万9000人が利用し、ピークとなった4月27日は、下り列車だけで26万8500人が乗車した。 その日、東京駅の東海道新幹線改札付近を通ると「指定券をお求めのお客様へ」という看板が立っており、そこには「東海道・山陽新幹線は本日は指定席・グリーン席共に、満席となっております。その為、指定席の発売や、列車・座席の変更はお受けできません。予めご了承ください」と記されていた。 緊急時に駅員が手書きでホワイトボードや模造紙に記したものではなく、しっかりとした看板だ。JR東海に問い合わせると、今回のゴールデンウィークについては「事前に多くの利用者が
2019年6月6日、作家の田辺聖子が亡くなった。1956年のデビュー以来、長きにわたって残した彼女の足跡が、いまの文芸界の一端を形作っていることは間違いない。いったい田辺聖子とはどんな存在だったのか。改めて確認しておきたい。 田辺聖子の業績 とはいえ、話を絞らないと収拾がつきそうにない。なにしろ遺した小説は膨大にあり、3部作と言われる『言い寄る』『私的生活』『苺をつぶしながら』や、『猫も杓子も』『ジョゼと虎と魚たち』……すべてはとうてい挙げ切れない。 あるいは、ユーモアと温かさに満ちたエッセイの数々。『女の長風呂』からやがて『ああカモカのおっちゃん』シリーズと呼ばれるようになる一連の作品をはじめ、広く読者に愛された。 源氏物語、小倉百人一首などの古典作品を扱った作品もあれば、近現代の文学者の生涯をたどる『千すじの黒髪 わが愛の与謝野晶子』『花衣ぬぐやまつわる…―わが愛の杉田久女』といった伝
千葉県出身のタレント、マツコ・デラックス氏が以前テレビで、「総武線沿線の千葉県民にとって、錦糸町は関所のようなもの」と語っていた。 マツコ氏によれば、錦糸町の「関所」というのは、いきなり新宿や銀座といった東京でも特に人が多い場所に行くとびっくりしてしまうので、まず錦糸町で東京の雰囲気に慣れるということだそうだ。 そんな錦糸町もいま、イメージを変えつつある。また鉄道計画の進捗によっては東京東側の一大拠点となる可能性も秘めている。そんな「関所」・錦糸町の現在とこれからを探った。 都営バスはドル箱路線が多い まず、駅周辺の様子を見てみよう。 古くから栄えてきたのは駅の南側で、「テルミナ」という駅ビルがある。そして駅前には駅前広場と都営バスのターミナルがある。この都営バスのターミナルからは15系統が発着し、都営バスの中でもいわゆる「ドル箱」系統も発着する。 例えば東京メトロ東西線の東陽町駅との間を
大変だ。「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(NHK 日曜夜8時〜)が大河ドラマで新記録を打ち立ててしまった。 6月9日(日)放送の第22回「ヴィーナスの誕生」は視聴率が6.7%で、1963年から始まってこれまで58作放送されてきた大河ドラマで記録に残っているものとしては、2012年11月18日(日)放送の『平清盛』第45回の7.3%というワースト記録をさらに下回る最低水準となった。 「いだてん」は、日本で初めてオリンピックに参加したマラソン選手・金栗四三(中村勘九郎)と、日本へのオリンピック招致に尽力した田畑政治(阿部サダヲ)の2人を主人公にしたドラマ。 「いだてん」の存在意義とは 1年間全47回のドラマのなかで前半(第24回まで)は、金栗と最初に日本人がオリンピックに参加した1912年のストックホルムオリンピック、後半(第25回から)は、田畑と日本でオリンピックが開催される19
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