神戸連続児童殺傷事件の、加害者であった男性が手記を出版した。太田出版から『絶歌』というタイトルで書店に並ぶ予定らしい。 「神戸連続児童殺傷事件、元少年が手記出版」(朝日新聞デジタル) http://www.asahi.com/articles/ASH695KC1H69UCVL01C.html 手記は全294ページ。「精神鑑定でも、医療少年院で受けたカウンセリングでも、ついに誰にも打ち明けることができず、二十年以上ものあいだ心の金庫に仕舞い込んできた」として事件前からの性衝動を明かし、犯行に至るまでの自身の精神状況を振り返っている。 後半では、少年院を出院してからの社会復帰についても綴られているとのこと。 実は、4月にこの事件について井垣康弘が文藝春秋に神戸家裁の決定全文を公開している。井垣さんは、裁判官で神戸連続児童殺傷事件の審判を担当し、医療少年院送致を決定した。井垣さんはこの事件では、
先日、児童ポルノを法規制することについて、記事を書いた*1。私はバーチャル・ポルノの法規制に反対だ。また、子どもを性の対象にするという、欲望を禁止することもできないと考える。その前提の上で、子どもを性の対象とする人たちについて、<法規制とは別の文脈で>よく考えたいと思っている*2。 次の本が、昨年末に発刊された。 欲望のゆくえ 子どもを性の対象とする人たち 作者: 香月真理子出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2009/11/20メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 97回この商品を含むブログ (15件) を見る 目次は次のようになっている。 本書を書いた動機 第1章 少女への想いを文学で昇華させる会社員 第2章 幼女を性的に描く漫画家 ■同人誌の現在 ■アダルトゲームの販売男性に聞く ■児童ポルノをめぐる国会の動き 第3章 男児に加害し、相互援助グループに通う男性 ■子どもの
写真の、ではなく、実際のモニカを探し出すまでのくだりは、まるでミステリーのようだった。そのスリリングな展開には不謹慎ながら魅了された。つまびらかにされてゆくのはおぞましい現実だが、次第に謎が解けていく快楽、高揚がそこには確かにあった。ドキュメンタリーだけれども、文体は小説っぽく、それが尚良かったのかもしれない。ノンフィクションノベル風というか、短編小説のような味わいがある。でもこれはフィクションじゃない。すべて事実だ。やがて明らかになるモニカの過去と現在は、味わいだのなんだのと呑気なことを言っていられない、過酷さと悲劇に満ちている。彼女と、同じフィルムに収められているアグネス、マリン、そして中年の男女はいったいどこの誰なのか____ 写真の持ち主ベントによれば、モニカはスウェーデンに住んでいるという。ベントはモニカと、彼女が12歳くらいのときから約3年間、文通をしており、膨大な量の手紙とフ
2008年03月01日00:00 カテゴリ書評/画評/品評Love 志願兵による戦訓 - 書評 - 独身女性の性交哲学 改めて確認した。 独身女性の性交哲学 山口みずか 体で勝ち取った言葉の強さを。 長くて良質の書評はすでに「独身女性の性交哲学 / 山口みずか」として上がっているのでこちらは短めに。 本書「独身女性の性交哲学」は、もの言う売春婦、山口みずかが、愛とセックスの哲学。Philosophy、すなわち「愛知」よりもまさに「哲(さと)り学ぶ」という感じだ。 まえがき 第1章 「恋愛」ってなに? 第2章 「愛」ってなに? 第3章 「セックス」ってなに? 第4章 「欲望」ってなに? 第5章 「幸せ」ってなに? あとがき 引用文献一覧 体で勝ち取った言葉の強さは、風俗嬢ライターには共通して感じる。しかし本書の特徴は、多くの風俗嬢ライターの文章から伝わってくる痛さがほとんどない。同じ(元)売
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