「心から深くお詫びします」極めて異例の謝罪となった。85歳という高齢のローマ教皇フランシスコが、7月25日、カナダ西部のエドモントン郊外を訪れた。カナダ国内で最大級の寄宿学校があった跡地だ。集まった先住民の人々に向けた演説で、カトリック教会運営の寄宿学校での、先住民の子どもに対する政策は「取り返しのつかない過ちだった」とした。謝罪の言葉が英語で翻訳された直後に、大きな拍手が沸き起こった。長年求め続けた教皇本人からの「直接の謝罪」を、ようやく得られた歴史的な瞬間だった。さらに教皇は「キリスト教徒による悪行について、謙虚に許しを請う」とまで語った。 【写真を見る】遺体は“1000人以上” 暴行、レイプ…先住民の子どもを大規模虐待~カナダ寄宿学校の闇~ だが、この謝罪を「意味がない。決して許せない」と語る人々がいる。取材した寄宿学校の元生徒たちだ。彼らが明かした虐待の実態は、「悪行」という言葉だ