私たちには見えない壁が、鳥の目には映っているのかもしれません。 日本・森林総合研究所とポルトガル・リスボン大学(ULisboa)は新たな研究で、世界に広く分布する海洋性のアナドリのDNA分析を実施。 その結果、小笠原諸島とハワイ諸島のアナドリは約85万年前に遺伝的に分岐した集団であることが判明しました。 しかし不思議なことにハワイの集団は、小笠原よりも遠いアメリカ大陸の向こう側の大西洋の集団とより近縁で、距離的には近い小笠原とハワイの間の方が遺伝的には遠いことも判明します。 アナドリは海洋上でもかなり広い範囲を移動できる海鳥であるため、この結果は非常に謎に満ちています。 海の上に何かアナドリの移動を阻むような”未知の障壁”でもあるのでしょうか? 研究の詳細は、2023年2月2日付で科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されています。