『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)という番組は、テレビお笑い芸の歴史を変えた。芸人1組あたりの持ち時間を極限まで切り詰めることで、番組のテンポが良くなり、そこに出られる若手芸人の頭数も増えて、お笑いシーン全体が盛り上がりを見せた。他局ではこの番組の演出を堂々とパクった企画も多数現れ、『レッドカーペット』から始まったショートネタブームはすっかり一時代を築いた感がある。 『レッドカーペット』で人気に火が付く芸人には、大きく分けて2つの種類がある。視聴者が1分程度のネタを見て、「1分じゃ物足りない。もっと見てみたい!」と思うタイプと、「1分でじゅうぶん」と思うタイプだ。芸の引き出しが多くて器用な腕のある芸人は、短いネタでは物足りないと感じさせる。だが、一方では、1分だからこそ輝けるというタイプの芸人もいて、この層を掘り起こしたことが『レッドカーペット』という番組の隠れた功績なのだ。 長い時間