「お墓見」というものをしている。私が主宰している凱風館の門人たちのために2019年に合同墓を建てた。その墓前で、いずれそこに入る予定の人たちが集まって法要を営み、会食するという行事である。今年で五年目になる。 きっかけは凱風館の寺子屋ゼミで、ある女性ゼミ生が「親の墓の管理までは自分が責任を持つけれども、私が死んだ後、私のことは一体誰が供養してくれるのでしょう?」という問いを口にしたことである。門人には独身の方、子どものいない方が少なくない。この人たちにとっては死後「誰が自分を弔ってくれるのか?」ということが切実な霊的問題なのだということをその時に知った。 そこで私が「じゃあ、凱風館でお墓を作りましょう」と提案した。これなら「供養してくれる人」は長期的に確保できる。 武道の道場は、私が師から学んだ技法と思想を次世代の人々に継承するための場所である。門人たちはまた次の世代にそれを手渡す。そのよ