ブックマーク / globe.asahi.com (7)

  • 【小泉悠】元大使の一本の電話、道を開く 目指すは「オタク」を束ねるプロジェクト:朝日新聞GLOBE+

    突然かかってきた電話の主は、元ウズベキスタン大使の河東哲夫さんだった。 河東さんは、外務省を辞めて評論家として活動していた。面識はなかったが、小泉さんが軍事雑誌に書くものを読んでいた。 「彼には、事実関係を丹念に拾い出すだけでなく、それが意味することを概念化する力があった。他の著者とはちょっと違っていたんです」 「一度、会って話さないか」と河東さんに誘われ、都内のホテルで事をした。 「大学ではアカデミックな研究が出来なかった」と打ち明けた小泉さんに、河東さんは言った。「アカデミックではない研究をやればいいじゃないか」 そうか、大学でなくても研究はできるはずだ。ニッチなことをやれば仕事の需要はあるのかもしれない、と思うようになった。 2018年にパリの武器展示会「ユーロサトリ」で=人提供 2009年、河東さんの推薦で外務省国際情報統括官組織の専門分析員になった。ロシアの軍事関係の分析レポ

    【小泉悠】元大使の一本の電話、道を開く 目指すは「オタク」を束ねるプロジェクト:朝日新聞GLOBE+
  • 【小泉悠】研究者は挫折、就活はことごとく失敗 無職で気づいた自分の天職:朝日新聞GLOBE+

    小泉悠さんにとって、夏は一つの思い出がよみがえる季節だ。 毎日のように通っていた図書館のある市民センターの2階で、母親が有志と原爆展を開くのだ。 両親は、二人とも反核・反戦運動に熱心だった。母親らが主催していた夏の原爆展では、小泉さんも投下直後の悲惨な写真を毎年見ていた。 『風が吹くとき』『トビウオのぼうやはびょうきです』……。当時読んだ原爆をテーマにした児童書の題名は、いまでもいくつもそらんじられるほど。その恐ろしさは、深く脳裏に刻まれた。 母親らが原爆展をしている階下の図書館で、息子は軍事も、読みあさっていた。自衛隊員と遊んでいることも、親は快く思わなかった。 「両親とはさんざんもめました」 だが、両親との確執は、独特のバランス感覚とさまざまな素養を養うことにもなった。 意見の異なる相手にどう耳を傾け、どうしたら納得してもらえるのか。自分のやっていることを両親に説明しようと必死で考え

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  • 【小泉悠】「いいところなし」の少年に、「細部から全体像を描く」を教えてくれた人:朝日新聞GLOBE+

    手元に置いた携帯電話がひっきりなしに鳴っている。ほとんどが取材依頼だという。2月24日のロシアによるウクライナ侵攻後、時の人になった。 引っ張りだこになるのには訳がある。相手に目線を合わせつつ、複雑な事象をわかりやすく説明する力。ロシアにもウクライナにもくみせず、膨大な軍事情報をつないで全体像を描き出す分析力。 「彼は言葉の力で一種の社会現象を起こしている」。そう話すのは、2019年、小泉さんを東大先端科学技術研究センター(先端研)に誘った先端研教授の池内恵さんだ。 「彼が話すと議論が整理されていくんです。いろんな人が投げた球を一つずつ拾い、それに答えつつまとめるという、非常に高度なことをやっている」。だが、人気の理由は、明晰さだけではなさそうだ。ときおり垣間見せるユーモアや、硬軟とりまぜた引き出しの多さ。自ら「軍事オタク」ぶりを見せて、楽しんでいるふしもある。 東京大学先端科学技術研究セ

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  • 「資源ごみ」と言うと怒られる マシンガンズ滝沢秀一が清掃員をやって得た気づき:朝日新聞GLOBE+

    ――どんなきっかけでごみ清掃の仕事を始めたのですか。 36歳の時に妊娠して出産のお金が必要になりました。芸人の仕事だけではとても足りないのでアルバイトを探したんですけど、これが見つからないんです。まだお笑いをやりたい途中なのに消極的にやめるのはイヤだった。友達にたまたま紹介されたのがごみ清掃員でした。 それまで、ごみのことを真剣に考えたことなんて一回もなかったので、衝撃を受けたんですよ。何にかって言うと、ごみの量。ごみ清掃車は1台約2トン入るんですけど、それを1日6回集めては捨てて、ってやるから合計12トン。それが何百、何千台って毎日、いろんなところを走っているんですよ。 怖くなってベテランの先輩に『日って、ごみあふれませんか』って聞いたら、『あふれるよ』って当たり前のように言うんです。もうびっくりしちゃいましたよ。 ――ごみの量や種類も地域によって違うと気づいたといいます。 普通の

    「資源ごみ」と言うと怒られる マシンガンズ滝沢秀一が清掃員をやって得た気づき:朝日新聞GLOBE+
    tamanekosan
    tamanekosan 2022/01/13
    “ごみの3R(リデュース、リユース、リサイクル)ってよく言われますよね。僕はもう一つのR、リスペクトを加えようと言っています。尊敬する、敬意を払うって気持ちがあれば、ごみ問題のいろんなことを解決できる”
  • 「公共」って何だろう?日米の違いを考える:朝日新聞GLOBE+

    およそ半世紀前の話である。アメリカ東部コネティカット州で、通学途中の小学生2人が姿を消した。姉のクローディアは11歳、弟のジミーは9歳。2人の行方は1週間たっても分からなかった。これは誘拐ではなく、家出だった。しかも、不思議な家出だった。家出を計画したクローディアには、独自の哲学があった。 「あたしの家出は、ただあるところから逃げだすのではなく、あるところへ逃げこむのにするわ。どこか大きな場所、気持ちのよい場所、屋内、その上できれば美しい場所」 そう決心した彼女が選んだのが、ニューヨークのメトロポリタン美術館だった。 アメリカ児童文学の名作「クローディアの秘密」(E.L.カニグズバーグ作、松永ふみ子訳、岩波少年文庫)は、その姉と弟が繰り広げる冒険の物語(フィクション)である。 「クローディアの秘密」(岩波少年文庫) 葉を隠すには森が一番と言われるように、2人は美術館の雑踏の中に身を隠した。

    「公共」って何だろう?日米の違いを考える:朝日新聞GLOBE+
  • 「不当な政治介入を排除できる」 福田康夫元首相が語る「記録を残す意味」:朝日新聞GLOBE+

    ――公文書に関心を持ったきっかけは 直接的なきっかけは、米国に国立公文書館(NARA)という大変立派なものがあるのを知ったことです。1980年代半ば、国会議員になる前、父(赳夫元首相)の秘書をしていた時だ。地元である群馬県の前橋市の学校が、終戦直後の航空写真が欲しいということで探していたが、なかなか見つからなかった。知り合いの新聞記者に頼んでNARAで調べてもらったら、「あるよ」と。それで米国に行ったときにNARAに寄って検索用カードで「MAEBASHI」を調べたら、数十枚の写真がすぐ出てきた。ワシントンDCに、日の地方都市の、しかも戦争で焼かれた写真があるということにびっくりした。しかも、よく整理されていて誰もがアクセスできる。「あぁなるほど、さすがだな」と感心した。 正しい情報を入手することができるのは、民主主義の原点。入手できないと、国民は正しい判断ができない。結果、悪い判断によっ

    「不当な政治介入を排除できる」 福田康夫元首相が語る「記録を残す意味」:朝日新聞GLOBE+
  • [Part1]中立捨てた博物館 -- 中立と公平 -- 朝日新聞GLOBE

    ああだこうだと努力をしながら、一方に肩入れせぬよう力を尽くす人たちの話を聞くにつけ、やはり公平中立とは追求すべき美徳なのかと思っていたら、ネットである記事を見つけた。見出しは「『中立性』を否定し、人権擁護を公言する博物館」──。あえて真ん中には立たないと宣言する人たちがいる。話を聞きにいってみることにした。 英ロンドンから北西へ列車で2時間半の港町、リバプール。産業革命前から交易の拠点として栄えた街は、アフリカとの奴隷貿易の一大拠点だったという負の歴史も背負っている。 往時の面影を残し世界遺産にも指定されている海沿いの観光スポットに、この街出身のビートルズの博物館などに交じってれんが造りの建物が立つ。「国際奴隷博物館」だ。 館内に入ってみた。年間入場者数は40万人。平日の夕方だからか人は少ない。 「私たちは忘れません」(We will remember)。こんなメッセージで展示は始まる。ア

    [Part1]中立捨てた博物館 -- 中立と公平 -- 朝日新聞GLOBE
    tamanekosan
    tamanekosan 2016/04/13
    “いま起きている社会問題に、徹底的に関わろうとする姿勢を感じる。”
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