はじめに 3週間ほど前のことになるが、また経済学者が転売行為を擁護して軽く炎上したようだ。 転売そのものの否定って、ほとんど資本主義の否定なのと(流動性が高い=転売しやすい)、最初のプライシングが失敗していて過度に安いから転売される。転売ヤーは「高値を払ってでも欲しい人が入手できるようにする」高付加価値なサービスを提供。https://t.co/xtxZlRv0U2 — 坂井豊貴 (@toyotaka_sakai) 2021年7月26日 経済学者に限った話ではないが、「転売行為は迷惑」という当たり前のことを理解しない人がいるのはなぜだろう。 彼らには根本的に何か変な思い込みがあるような気がする。 思うに「価格は需要と供給で決まるのが最善だ」と彼らが考えている点に問題があるのではないだろうか。 この点は一旦脇に置くことにするが、今回の記事では「転売ビジネスがなぜ悪なのか」を経済学者でも理解で
日欧EPAの交渉が、今日から再開される。日本は酪農品や豚肉の関税をどれほど下げるか、という屈辱的な交渉である。 TPPは先週末に国会で批准された。今週から、さっそく日欧EPA交渉である。政府は、年末のどさくさにまぎれて、年内に大枠合意したい、と考えている。あと20日しかない。 またぞろ、自由貿易か保護貿易か、という欺瞞にみちた議論を始めるのだろうか。保護貿易派を守旧派として激しい攻撃を加えるのだろう。そうして、経済的強者である大資本のご機嫌をうかがおうとしている。こんな議論を続けていたら、政治不信を招き、極右勢力の台頭に隙を与える。 経済的強者の、こうした悪いたくらみには、農業者など経済的弱者たちが、厳しい反撃を喰らわせるだろう。 自由貿易といえば耳ざわりはいい。しかし、それは、ごく一部の人たちが描く、人間社会の1つの極めて特殊な理想にすぎない。 理想を追求するのは勝手だ。しかし、そのこと
次のようなお話を聞いたことはないだろうか? 銀行は人々にお金を貸すが、返すときには利子が付くので、その分のお金をどこかから集めてこなければならない。ところが最初に貸したときには利子分のお金は発行されていないので、お金の量全体が増えなければ、返済することができない破産者が必ず出る。だから人々はお金を返すために、銀行からの借入を永久に増やし続けなければならない。 そしてこの手の話*1は、だから資本主義は必ず崩壊するのだとか何とかいう話に続く。さて、仮にこの話が正しければ、借入がただ一回だけ行われ、その返済期日に元利金のすべてが返済されなければならない(借り換えや追加の貸し出しが行われない)世界では、必ず破産者が出ることになる。本当か? まず単純なケースとして、銀行の貸出金利と預金金利が同一のケースを考えよう。企業は100の原価で生産した商品を、いくらでもいいが、120で売却するとしよう。このと
モノポリーというゲーム 「モノポリーというゲームを知っていますか?」 「聞いたことはあるけど、やったことは無いな」 「数人でプレイするボードゲームなんですが、資本主義社会のルールを学ぶことが出来るゲームなんですよ」 「へぇ。どんなゲーム?」 「土地を所有してレンタル料を搾取し、その土地に家やホテルを建てて搾取するレンタル料を高額にするなどして、他のプレイヤーを破産に追い込むゲームです」 「ほう。搾取のゲームってわけか」 「そうですね。所有をすれば搾取が出来る、という資本主義社会の基本的なルールを、ゲームの中で体験的に学ぶことが出来ます」 「へぇ」 「このゲームでは、バンカーという役割を担当する人が必要です」 「バンカーって何?」 「争い合うプレイヤーとは別に、ゲームを取り仕切る人のことです*1」 「ふむ。ゲームの進行役ってわけか」 「その通りです。このバンカーは、実際の経済の中では何に当た
先日、メールにてワンルーム屋ってどうなの?って質問を受けたので今回はワンルームマンション販売業者について。 私もちょっと事情があってワンルーム業界の話は知っていますが、ワンルーム屋って何なの?って話から。 普通、不動産屋というのは一戸建てなり、ファミリータイプのマンションを売るのが仕事なんですが、ワンルーム屋というのは主に投資用目的のワンルームマンションを売ります。 ファミリータイプの家は衣食住の住ですから、必要なものとしてお客様も探していますし、普通に真面目にしていれば売れます。 ワンルームマンションというのはそもそも家を持ってる人にもう一軒投資用に買いませんか?って話から入りますが、主な営業方法は電話です。 一日300~500件ぐらいは電話します。それを三ヶ月続けて一軒契約が取れれば良いかなって感じです。それで慣れてきたら月に1本ペースの契約。大体、1部屋売ると50~100万の歩合が付
なぜ水なのか 「今回は、水ビジネスで儲ける方法を説明しよう」 「ふむ。なんで水なの?」 「水は、人間が生きるために必ず必要な資源だからね。水のような資源の権利を押さえてしまえば、その使用料を取ることで搾取ができる」 「ふーん。生きるために必要な資源なら、空気だっていいんじゃない?」 「その通りだね。水ビジネスの次には空気ビジネスの時代が来るかも知れない。でも、現状ではまだ難しいかな」 「なんで?」 「うーん。今のところ、空気には所有の概念が無いからね」 「『今のところ』ってことは、将来的には空気が所有されちゃうかも知れないの?」 「ありえない話じゃないと思うよ」 「ふーむ……。それで?」 「水は今、世界中で需要が増え続けていて、しかも利用可能な淡水は減り続けている。だから、水ビジネスで得られる利益は今後どんどん増えていく可能性が高い」 「なるほど」 「どんどん利益が増えるっていうのは、どん
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