メーカーが倒産してごっそり残された在庫の山を一掃するウルトラCがある。それは「競合メーカーに買い取らせること」だ。そんな不条理がなぜ許されるのか。 スマートフォンシフトが遅れたメーカーの苦難 「ごろ寝マウス」をはじめとする入力機器や各種ファニチャ製品で知られたシグマA・P・Oシステム販売株式会社が、10月11日に破産を申し立てた。同社に限らず、吸収合併も含めてここ数年で消えていったメーカーは数多く、今後もまだ同様の事態は起こる可能性がある。昨今のPC“アクセサリ”メーカーの競争激化がこの背景にあることは想像に難くない。こうしたメーカーの破産や事業停止の裏でうごめく諸々の事情をのぞいてみたい。 マウスやキーボード、さらにはサプライ製品を取り扱うPCアクセサリメーカーは、一般的に利益率も高く、ハードウェアのみを取り扱うPC“周辺機器”メーカーに比べると財務状態は良好といわれている。その理由は、