J・J・エイブラムス監督最新作。監督曰く、「人生における映画の重要性についての“映画”」だということで、その映画愛の深さとそれらを一本の映画におさめる手腕は計り知れないものがあるとは思うんですが、どうもボクはその「才気」にイライラしてしまいまして、もっとこうオマージュの部分を隠し味にしてですね……以下、こんなカンジのが続きます。 一番の不満は登場する子供たちが「映画好き」という記号でしか表現されていないヘンな子たちに見えること。たとえば、劇中で何かしらの映画の台詞を真似たり、ハリウッドスターなどが直接画面に映るならわかります。でもこの作品にはそれがない。「人生における〜…」なるものがテーマだということはわかるんですけど、どうも最初からそのテーマありきでフィクションの皮を被っているキライを感じるんです。 たとえば、クリストファー・ノーランの『インセプション』ですが、あれもノーラン監督の好きな