タグ

ブックマーク / note.com/tamakisaito (1)

  • “感染”した時間|斎藤環(精神科医)

    花々を見て、煙のまとわりつく木々を見て、のぼっては下るカラスの群れを見て立ちつくすわたしに、ピーターが何か言った。「野菜に囲まれて物思いかい」だったかしら。「おれはカリフラワーより人間がいいぞ」だったかしら。ある朝、朝どき、テラスでのことだった。ピーター・ウォルシュ……もうすぐインドから戻る。六月?七月?どちらだか忘れた。だって、あの人の手紙は恐ろしく退屈なんですもの。覚えているのは語られた言葉、あの眼差し、ポケットナイフ、笑い顔、不機嫌。何百万の物事が何もかも消え失せて、残ったのがカリフラワーについての二言三言だなんて、とても不思議。 (バージニア・ウルフ著、土屋政雄訳『ダロウェイ夫人』光文社) 被災した時間 大規模な災厄は、人間の時間意識を変える。 そのことを最初に意識したのは9年前、東日大震災の直後だった。震災は時間の流れを分断し複線化した。列島は複数の時制へと引き裂かれた。目前

    “感染”した時間|斎藤環(精神科医)
    tomisyura
    tomisyura 2020/05/15
    "無数のカイロス時間が人々の記憶の遠近感を担保していたが、今や世界中がカイロス時間が溶融し均質化したコロナ時計に強制同期させられている。内向きの不要不急の充足こそが時間線の回復につながるのではないか"
  • 1