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ブックマーク / wedge.ismedia.jp (26)

  • How to Deter China:陸上自衛隊への期待と課題 島嶼防衛と海上・航空優勢拒否との両立

    米国のシンクタンク「戦略・予算評価センター」のアンドリュー・クレピネビッチ所長が「中国をいかに抑止するか:第1列島線防衛の場合(How to Deter China: The Case for Archipelagic Defense)」と題する論文をForeign Affairs誌の2015年3月/4月号に寄稿した。 クレピネビッチは「エアシー・バトル(AirSea Battle)」を提唱して米軍に強い影響を与えた人物であり、今般提唱した「第1列島線防衛」も米軍に何らかの影響を与える可能性がある。この論文でクレピネビッチは、有事における中国軍の西太平洋進出を阻止する上で、南西諸島から台湾、フィリピン、ベトナムに至る第1列島線の防備を固めることの重要性を説き、その際には米国および第1列島線諸国の陸上戦力が大きな役割を担うことを強調し、特に陸上自衛隊に強い期待を寄せている。 なぜ陸上戦力が求

    How to Deter China:陸上自衛隊への期待と課題 島嶼防衛と海上・航空優勢拒否との両立
  • なぜ日本のリベラルはリフレ政策が嫌いなのか

    リベラルはアベノミクスの第1の矢、大胆な金融緩和、リフレ政策が嫌いらしい。リベラルが、機密保護法や集団的自衛権に反対するのは、そのイデオロギーから言って当然だろうが、なぜリフレ政策に反対するのだろうか。 リフレ政策のお蔭で経済が拡大している。雇用が良くなっている。増えているのは非正規ばかりと言われていたが、正規の雇用も拡大している。雇用情勢が良くなっているのは大都市だけのことではない。有効求人倍率はどの都道府県でも上昇している。 人手不足のおかげで、これまで安い人件費で猛烈に人を使っていた企業も、考え直さざるを得ない状況になっている。そもそもブラック企業と評判の立った企業に人が集まらなくなっている。 経済の好転は自殺者も減らす 自殺者も減っている。景気が良くなれば自殺者も減るとは常識的な判断だが、これは厳密な実証分析でも支持されている。失業や倒産は当然、経済的困窮を通して自殺率を高め

    なぜ日本のリベラルはリフレ政策が嫌いなのか
  • 歴史に学ぶインフレより怖いデフレの危険性

    第一次世界大戦後の混乱の中で、ドイツは物価水準が6千億倍にもなるハイパーインフレーションに襲われた。それによって、ナチスが権力を握り、ヨーロッパを戦乱に陥れ、ユダヤ人の大虐殺を行った。世界を征服しようというナチスの勢いを見て、日の軍部は日独同盟を結び、アジア征服に乗り出した。その結果が、大惨事である。 そうした歴史を引き合いに出して、アベノミクスの第1の矢である大胆な金融緩和によりインフレを引き起こすなど、とんでもないことだと批判する人もいる。 しかし、ちょっと待ってほしい。ハイパーインフレが起きたのは1910年代末から23年にかけてだが、ナチスが政権を取ったのは33年である。ハイパーインフレから10年たっている。20年代は、ワイマール共和国の時代であり、なんとか平和が保たれていた。それが崩れたのは30年代の大恐慌による。大恐慌はデフレと失業の時代であって、インフレとは逆である。 第一次

    歴史に学ぶインフレより怖いデフレの危険性
  • 積極姿勢に転じるドイツ外交

  • ウナギの次はマグロが消える

    江戸時代中期に活躍した蘭学者・平賀源内。知り合いのウナギ屋を繁盛させるため「土用丑の日」のキャッチコピーを考案して以降、夏の風物詩になったとされるウナギ。一説によると世界で消費されるウナギの7割を日人が消費すると言われており、日人の「ウナギ愛」は相当なものだ。だがその一方的な愛は乱獲・乱へと繋がり、事態は深刻なものとなっている。 1キロ250万円超 銀より高いウナギ稚魚 1960年代には200トンを超えていたシラスウナギ(ウナギの稚魚)の国内漁獲量だが、今年の養殖用稚魚は輸入物も含めて約12トン(水産庁発表)へと激減した。同じくシラスウナギの不漁が騒がれた昨年より25%下回り、養殖業者のシラスウナギ仕入れ値は1キロあたり250万円を超す。銀価格以上金価格未満といった水準である。 少し遅い感もあるが、今年2月に環境省はニホンウナギを絶滅危惧IB類EN(近い将来における野生での絶滅の危険

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  • 中国で台頭する反立憲主義

    クレアモント・マッケナ大学教授のMinxin Peiが、6月9日付WSJの論説で、北京では、共産党を憲法の支配の下に置くことを厳しく拒否する、反立憲主義が台頭しており、それは、新指導部の保守的傾向を示すものである、と指摘しています。 すなわち、中国の外の世界ではほとんど認識されていないが、中国のプロパガンダ機関は、5月半ば以来、立憲支配(constitutional rule)の概念に反対する、激しいキャンペーンを行っている。人民日報、解放軍報などの主要な公式の新聞のほとんどが、立憲支配の概念を、ブルジョワ的で破壊的であるとして、非難する長い記事を掲載している。 中国の文脈では、立憲支配というのは、共産党を既存の憲法の支配のもとに置くという以上のことを意味しないが、そのような控え目な提案でさえ、過激なものとみなされる。党のメッセージは明白である。すなわち、共産党は憲法の上に位置する、という

    中国で台頭する反立憲主義
  • 米中首脳会談に垣間見える米中関係の複雑さ 日本も重層的対中アプローチを

    6月7~8日(日時間の8日)にかけて、バラク・オバマ大統領と中国の習近平国家主席がカリフォルニア州で米中首脳会談を行う。習氏が国家主席に就任して以来初の米中首脳会談となるわけだが、この会談は今後4年間の米中関係がどのようになるかを占う上で極めて重要な会談となる。 今回の米中首脳会談の最大の注目点は「『21世紀における大国同士の新たな関係』という枠組みに具体的な肉付けができるかどうか」(元国務省関係者)にある。また、首脳間の個人的関係の構築に非常に重きを置くオバマ大統領が、自分が政権二期目を全うする間、中国の最高指導者の地位にあり続ける習氏とどのような個人的な関係を構築するかは、第二期オバマ政権の対中政策に大きな影響を与える。 会談の形式が、議論のむずかしさを反映? 実は、オバマ大統領と習主席が顔を合わせるのは今回が初めてではない。2012年2月、当時は国家副主席だった習氏がワシントンを訪

    米中首脳会談に垣間見える米中関係の複雑さ 日本も重層的対中アプローチを
  • 日露 北方領土解決への第一歩 「異常」から「普通の関係」へ  WEDGE Infinity(ウェッジ)

    今年4月29日、我が国の安倍晋三首相がロシアを訪問し、プーチン大統領との会談を行った。日の首相としては10年ぶりの公式訪問であり、メディアでも大きく取り上げられたので、ニュース等で目にされた方も多いと思う。安倍首相は、大統領府直営ホテル「プレジデント」ではなくクレムリン宮殿内の一室(しかもスターリンの右腕で後に最高会議議長となったヴォロシーロフ元帥の居室)を宿舎として提供されるなど、ロシア側の歓迎はかなり手厚いものであったように見える。 交錯する日露の思惑 実際、プーチン政権が安倍政権に対して抱いている期待は小さくない。 現在、ロシアは最大の経済的パートナーである欧州の経済停滞や米国のシェール・ガス革命による天然ガス需要の伸び悩みといった困難な経済的状況に直面する一方、依然として高い経済成長を続けるアジア太平洋地域への参入を国家戦略の重点を位置づけている。その一方、アジア太平洋地域への窓

    日露 北方領土解決への第一歩 「異常」から「普通の関係」へ  WEDGE Infinity(ウェッジ)
  • 政府が企業に賃上げ要請 何かがおかしい

    アベノミクスが効いている。安倍晋三首相が、大胆な金融緩和に言及しただけで、為替が下落し、株価が上がった。新しい日銀総裁・副総裁が金融緩和論者になることもほぼ確定的となったことも好影響を与えている。 これまで金融緩和しても、すでにマネーはじゃぶじゃぶであり、銀行貸出を増やすことはないから景気は良くならないという説が流布されていたが、私は従来から次のようなサイクルを主張してきた。 為替が下がればやがて輸出が増え、輸出企業の利益と雇用が拡大する。利益が拡大すれば、株価が上がり、投資も増える。雇用が増えれば給与総額が増えて消費が増える。投資と消費が増えれば、やがて物価も上がる。 現時点では為替下落と株価上昇までは来た。あとは、これが企業の投資や雇用の増加につながるかどうかである。 政治家もそこが気になっているのか、企業の経営問題について発言することが多くなっている。安倍首相は、2月5日の経済財政諮

    政府が企業に賃上げ要請 何かがおかしい
  • 韓国・ドイツの円安批判は不当か

    アベノミクスのおかげで円が下がっているのは、近隣窮乏化であるとの海外から非難されているという議論がある。ドイツの中央銀行総裁は通貨切り下げ競争が起きる危険性を指摘し、韓国ではマスコミから「円安空襲」だとの声があがっているという(毎日新聞 1月30日)。 私の知る限り、世界の経済学者は、デフレ脱却や景気回復のために各国が金融政策を発動するのは当然のことで、今までしていなかった日がしたからと言って文句をつける筋合いではないと発言している。この議論は、むしろ金融緩和をしたくない日銀行関係者が集めて流しているのではないかという気がする。 UBS(スイスのメガ金融機関)の最高投資責任者であるアレックサンダー・フリードマン氏も「主要先進国はこれまで自国通貨を下落させる政策をとってきたが、日銀は緩和に消極的で企業の競争力が損なわれていた。今回の日銀の決定は合理的な判断だ」と言っている(日経済新聞

    韓国・ドイツの円安批判は不当か
  • 人からコンクリートへ 民主党が転向した理由とは?

    消費税増税の目的は、財政を再建し、将来の社会保障を確実なものにするということだったはずだが、民主党政権は、自民党の「消費税増税で公共事業を」という要請を受け入れた。 自民党は、今国会に「国土強靭化基法案」を提出しているが、7月9日の衆院予算委員会で、野田佳彦総理は、自民党の議員に対し「東日大震災の教訓を踏まえて強靭な社会を構築するというのは共通認識だ」と、自民党の法案通りの言葉を使ってみせた(朝日新聞7月12日)。 さらに、野田総理は、7月18日の参院消費税増税関連特別委員会では、「(消費税増税で)財政の機動力が回復した時に、機動的に民間資金と財政投融資資金も含めて対応する」と答えた(朝日新聞7月19日)。 国土強靭化基法案には、「一極集中の是正、多極分散型の国土の形成、国土の均衡ある発展」など、自民党黄金時代の懐かしい言葉が並んでいる(自民党のホームページによる)。そのために100

    人からコンクリートへ 民主党が転向した理由とは?
  • 「尖閣対立」本格化から1カ月 日中関係はどう変わったのか

    「主権・領土問題で中国政府・国民は半歩たりとも絶対に譲歩しない」 日政府が9月10日、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)を国有化する決定を下したが、温家宝首相は同日、こう断固たる決意を表明した。抗議を一段と強めるため中国外交部(外務省)は「声明」を発表し、「日が独断専行を続けるなら、それによって生じる一切のツケは日側が責任を負うしかない」と対抗措置を示唆した。 国営新華社通信は「中日関係は新世紀に入ってから最も厳しい挑戦に直面している」、人民解放軍機関紙・解放軍報も「われわれは厳粛に日政府に対して『火遊びはやめろ』と警告する」とそれぞれ対日けん制を強めた。国防省報道官も11日、「われわれは事態の推移を密接に注視し、相応の措置を取る権利を留保する」と述べ、解放軍による武力措置に含みを持たせた。9月末の日中国交正常化40周年を前に政治・経済交流がどんどん延期・中止に追い込まれている。

    「尖閣対立」本格化から1カ月 日中関係はどう変わったのか
  • 『だれとでも定額』の仕掛け人が語る孫さんも味方につけた“プレゼンのコツ”

    女優の佐々木希と、芸人の千原兄弟がコミカルな掛け合いを見せるCMで知られる、ウィルコムの『だれとでも定額』。他社携帯や固定電話などにかけても、1回10分、月500回以内であれば、通話料が無料になるプランだ。2010年12月にこのサービスを始めてから、ウィルコムのユーザー数は開始前より100万人以上増え、現在の加入者数は490万人に上る。また、『だれとでも定額』を利用できる話し放題スマートフォン「DIGNO DUAL」の発売など勢いのあるウィルコム。 今回、話を聞いた寺尾洋幸は、この人気プラン発案者だ。ウィルコムの戦略立案者として、同社を買収したソフトバンクグループ・孫正義氏にこのプランを直接プレゼンし、実施につなげた人物。同社躍進の“陰の立て役者”とも言えよう。 しかし、そんな彼もまた、若い頃の挫折を乗り越えたビジネスパーソンの一人だった。入社3年目のある日、彼は「今でも忘れられない」とい

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  • エコカー補助金は景気にも地球にも優しくない?

    政府は、環境政策と景気対策の一環として、一定の環境性能を満たした自動車の購入に補助金を支給するエコカー補助金の復活と、エコカー減税の延長を決定した。 2008年9月のリーマンショック以降の景気悪化に対して、09年4月から10年9月までも行われた政策だが、それを復活させた。補助金支給の対象となる車は11年12月から13年1月末日までに新規登録したものである。車種ごとの予算の総額が決まっているので、トラックなどでは、予算がすぐにも底をつくと予想されて、駆け込み需要が急増している。 自動車がこれまで多大な税金を課されていることには同情する。買った時に取得税、保有にかかる自動車税、車検ごとに重量税、運転すればガソリンにかかる揮発油税を払わされる。日ほど自動車関連税の高い国はないだろう。だから、不況とCO2削減が必要という風潮に乗って、補助金や減税を求めるのも止むを得ないのかもしれない。 しかし、

    エコカー補助金は景気にも地球にも優しくない?
  • 『水曜どうでしょう』で大泉洋をブレークさせた北海道テレビ

    異例ともいえる20数%もの自社制作率を誇り、一歩先行く事業活動で注目されるローカルテレビ局がある。 テレビ朝日系の北海道テレビ放送(HTB)だ。 同局のホームランといえば、1996年から断続的に続いているロードムービー的なお笑いバラエティ番組『水曜どうでしょう』(以下、『どうでしょう』と略す)だろう。『どうでしょう』をきっかけに大ブレークしたタレントが大泉洋である。昨今はNHK大河ドラマや民放の連続ドラマに出演するなど、役者としての地歩も固めた。 『どうでしょう』は、大泉と鈴井貴之がどこに連れて行かれるのか、そこで何が待ち受けているのか、一切分からぬまま日全国を右往左往。その過程の中で二人だけではなく、藤村忠寿と嬉野雅道のディレクター陣を含めて交わされる会話・やりとりが味わい深く、時に顔を出す人間の性=音が面白哀しい異色のバラエティ番組である。国内だけでは飽き足らず、ベトナム縦断やオ

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  • エネルギーの選択肢が描く将来は? 欧米で色褪せたグリーン成長に賭ける日本

    将来の原発比率を決める「エネルギー・環境に関する選択肢」についての議論が続いている。各地で開催された意見聴取会では、2030年に原発ゼロの選択肢を支持する参加者の比率が68%だったと報道されている。一方、経済団体、業界団体の意見書では原発比率低下による経済への影響を懸念する声が多く聞かれる。 「国破れて太陽光パネルあり」? 選択肢の3つのシナリオでは、いずれもエネルギー消費を削減しながら経済成長を実現する姿が描かれているが、そのような世界が実現可能か、あるいは実現するためにどんな道筋があるのかは全く不明だ。どのシナリオもエネルギー環境会議が想定した姿に過ぎない。また、再生可能エネルギー(再エネ)導入に伴う費用も前提条件として示されているが、その内容は不明だ。 エネルギー環境会議が示した前提条件に基づきモデル計算を行った機関の一つである(公財)地球環境産業技術研究機構(RITE)のホームペー

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  • 橋下市長も手を焼く 地方公務員の政治活動

    橋下市長が問題提起し、注目を集めた市職員の違法政治活動。国家公務員法と異なり、地方公務員法には政治活動に関する罰則がなく、一部地方公務員によるやりたい放題を許す要因の一つとなっている。地方の問題は、自治権の問題やメディア、国民の関心の低さと相まって後回しにされる傾向にあるが、抜的に法改正し改革を進めるべき。 (こちらは、WEDGE9月号からの転載記事です) 大阪市の問題提起と公務員制度の改革 何かと話題の大阪であるが、年7月、大阪市において「職員の政治的行為の制限に関する条例」が成立した。同市では、昨年11月の市長選挙の際、管理職職員が勤務時間中に選挙対策に関わる公用メールを発信するなど、職員による政治活動が大々的に行われた。それが、選挙の趨勢に少なからぬ影響を与えたとみられる事態を受け、新市長のもとで、地方公務員政治的行為を罰則付きで規制する条例の策定が企図されていた。 公務員の政

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  • 暗黙の了解を失った尖閣問題 日中の誤解と相互不信

    尖閣諸島をめぐって日中間の緊張が高まっている。 直近では、15日午後、尖閣諸島への上陸を目指していた香港の団体「保釣行動委員会」の抗議船が魚釣島に到着し、メンバーら7人が上陸。沖縄県警と第11管区海上保安部は、入管難民法違反容疑(不法上陸、不法入国)で、この7人を含む抗議船に乗ってきた14人全員を現行犯逮捕した。 日中両政府とも今年は日中友好40周年を祝って協力関係を深める予定だったが、両国間の相互不信は留まるところを知らず、関係改善を求める声は厳しい批判にかき消されている。石原慎太郎・東京都知事が進める尖閣諸島の購入が実現すれば、中国は活動家や漁船をさらに送り込み、尖閣沖で不測の事態が武力紛争に拡大する可能性も非常に高まるだろう。日中関係は戦後最も深刻な危機にあると考えるべきである。 ロシア韓国も実効支配を強める なぜ、ここまで緊張が高まったのか。言うまでもなく、発端は2010年9月

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  • 韓国大統領の「踏み絵」となった竹島訪問

    8月10日、韓国の李明博大統領が竹島を訪問した。韓国大統領の同島訪問は初めてだ。日側の中止要請を無視する形で訪問が強行されたことは、今後の日韓関係を極めて厳しいものにするだろう。すでに日政府は、駐韓大使を一時帰国させ、国際司法裁判所への提訴や日韓シャトル外交の凍結を含めた対抗策を検討しているが、韓国政府が態度を軟化させることはないだろう。代わりに、国連海洋法条約に基づく強制調停制度を活用した打開策を提示したい。 「竹島をいっそ爆破してしまいたい」 日韓が領有権を主張する竹島は、事実上韓国の実効支配の下にある。1952年に韓国の李承晩大統領が一方的に漁業管轄権を宣言した海域に竹島が含まれたが、このいわゆる「李承晩ライン」は公海上に管轄権を宣言するもので国際法上認められるものではない。だが、韓国は54年以降竹島に武装警備隊を常駐させ、同島が不法占拠されている状態が60年近く続いている。 1

    韓国大統領の「踏み絵」となった竹島訪問
  • 強まるオスプレイ配備への反発 現実離れした日本の要求

    米海兵隊が今年8月から沖縄県の普天間飛行場に配備を予定している垂直離着陸輸送機MV-22、いわゆる「オスプレイ」をめぐり、日では一大騒動となっているようだ。今月、アジア外遊の際に東京を訪れたクリントン国務長官が野田佳彦総理大臣や玄葉光一郎外務大臣と会談したときも、この問題が話題として言及された。早ければ今月末にも森敏防衛大臣が訪米して、件についてパネッタ国防長官と協議するほか、オスプレイに試乗する可能性もあるという。 騒動の原因は? そもそも、オスプレイ配備は何がそんなに大騒ぎになっているのだろうか。最大の原因はオスプレイの「安全性」についての疑問であるとされる。民主党の中で安全保障にもっとも理解がある議員としてアメリカでもよく知られている前原誠司政調会長(元外務大臣)が「民主党の総意だ」としてルース駐日米大使にオスプレイ配備延期を申し入れてしまうほどだ。 オスプレイは開発中に大きな

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