ではユーザーの意見を聞けば問題は解決するかと言えば,そう簡単でもない。業務アプリケーションの場合,ユーザーとエンドユーザーが異なることが多い。ソフトウェアの発注元であるシステム部門の担当者が,そのソフトウェアが使われる現場の業務を知っているとは限らない。 さらに,エンドユーザーがユーザビリティの悪さに気づきにくいことが問題の解決を遅らせる。ユーザビリティの悪さは,優れたものと比べてみないと分からない。コンシューマ向けの機器なら,店頭や他人の家で別のメーカーの製品に触れてみるなど比較のしようがある。だが業務アプリケーションは,与えられたものをひたすら使い続けるしかない。だからエンドユーザーは,うまくシステムが使えなくてもシステムが悪いとは考えない。使えない自分が悪いと思ってしまう。これでは改善要望も上がりにくく,ユーザビリティは良くならない。 新たな進化の軸となる とはいえ現状では「ユーザビ