BOØWY、ウルフルズなど数々のヒット作品に関わったA&R 子安次郎が語る社員インタビュー第二回。「忘れ得ぬ人、仕事 後編」では、ディレクターとして多忙を極めた時代の出来事について語ってもらいました。( 前回までのインタビューはこちら ) 営業からディレクターへ。奔走する日々――3年間の営業を経て邦楽制作部門に異動になったのは1982年のことでしたね。 そこから私のディレクターとしての歩みが始まりました。最初はアシスタントなので先輩ディレクターにイロハを教わるわけです。曰く「アーティストっていうのは孤独で不安なんだぞ」と。まずやらされたのは、レコーディング本番が終わり、歌手やミュージシャンや事務所のスタッフが帰った後に、レコーディングブースに入って歌を歌うことでした。ヘッドホンをした途端にこちらからは会話ができなくなるんですけど、ブースの向こうでは先輩ディレクターとエンジニアが何か話してる