Online ISSN : 1884-1406 Print ISSN : 0030-5219 ISSN-L : 0030-5219
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日本の電子出版30年の歴史を電子辞書と電子書籍の2つのコンテンツから概観する。日本の電子出版はCD-ROMの登場とともに誕生した。電子辞書は1980年代後半に生まれたCD-ROM辞書から始まり,1990年代後半には携帯電子辞書端末が主流となる。1999年iモードがリリースされると会員制のケータイ辞書引きサービスが生まれ,現在はネットワーク辞書とスマホ辞書アプリが主流になるなど時代によって媒体が変化してきた。現在はネット上の無料辞書引きサービスや検索エンジンに押されて有料電子辞書は苦戦をしている状況である。一方,電子書籍は電子辞書に比べると普及に時間がかかった。最初の電子書店は1990年代半ばにできたが,iモードによってケータイでコミックが読めるようになると徐々に普及が進み,スマートフォンの発売や米国での電子書籍のブームを受けて,日本でも2010年は「電子書籍元年」と騒がれた。現在はまだ印刷
13 電子書籍フォーマットEPUBと日本語組版 情報管理 vol. 55 no. 1 2012 1. はじめに 電子書籍のためのフォーマットとしてEPUBが注 目されている。EPUBは米国をはじめとして世界中 で用いられ始めており,各国における国内規格化お よび国際規格化も検討されている。従来用いられて きたのはEPUB2であるが,その次期バージョンであ るEPUB31)の制定はすでに完了しており,2012年に は急速に普及することが予想されている。縦書き・ ルビを含む日本語組版はEPUB2ではほとんど扱えな かったのに対し,EPUB3ではこれらを扱えるように 拡張されている。 EPUB3の国際化では高いハードルを乗り越えなけ ればならなかった。W3C注1)のHTMLとCSS注2)に日 本語組版を導入し,それをただちにEPUB3に取り込 むことである。仕様制定(特にW3C)には時間がか
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