憲法改正運動を進める政治運動団体「日本会議」を取り上げた書籍の出版が相次いでいる。硬いテーマにもかかわらず、いずれも好調な売れ行きだ。ブームの背景を探った。 火付け役は、5月に出版された菅野完(すがのたもつ)氏の「日本会議の研究」(扶桑社)。6刷15万3千部(8月29日現在)のベストセラーとなっている。 菅野氏は2008年ごろ、ヘイトスピーチの街頭デモを「これは放っておいては危ない」と感じ、調査を始めた。ネット上の書き込みの出典元である保守系論壇誌を丹念に分析し、日本会議の存在に気づいた。菅野氏は「14年秋ごろからネット上で日本会議について騒がれ始めたが、陰謀論めいてピントがずれた見方が多く、『そうじゃないよ』とツイッターでつぶやき始めた」と語る。 ネット上で発表した論考が扶桑…