国民民主党の榛葉賀津也幹事長は28日の記者会見で、立憲民主党の菅直人元首相が日本維新の会に関し「(ナチス・ドイツの)ヒトラーを思い起こす」とツイッターに投稿したことを巡り、「あってはならない比喩で、国際的には完全に即アウトだ」と批判した。立憲に説明を求める考えも示した。 榛葉氏は日本イスラエル議員連盟副会長で…
涙ながらに暴行被害を訴えるベトナム人技能実習生の男性(中央)=岡山市内で2022年1月17日午前10時20分、松室花実撮影 岡山市内の建設会社で働いていたベトナム人技能実習生の男性(41)が、複数の日本人従業員から繰り返し暴行を受け、あばら骨を折るなどの重傷を負っていたことがわかった。男性は17日、岡山市内で記者会見し、「家族や他の実習生に迷惑をかけたくなくて、我慢してきた。外国人にもっと思いやりの気持ちがほしかった」と述べ、会社などに対して謝罪と慰謝料を求めている。 男性を保護する労働組合「福山ユニオンたんぽぽ」(広島県福山市)によると、男性はベトナムに妻と娘(5)を残し、2019年10月に来日。岡山市の監理団体の仲介で、11月にとび職の技能実習生として市内の建設会社に就職した。翌12月ごろから、複数の日本人従業員に殴ったり蹴ったりされるようになり、20年5月には足場の解体作業中、90セ
安倍晋三元首相(67)の後援会が主催した「桜を見る会」の前夜祭を巡り、東京地検特捜部は、公職選挙法(寄付の禁止)違反容疑などで不起訴となり、検察審査会から「不起訴不当」の議決を受けた安倍元首相を再び不起訴とする方針を固めた。関係者への取材で判明した。特捜部は再捜査の結果、提供された食事が、会費を上回って寄付に当たると立証するのは困難と判断した模様だ。 不起訴不当の議決は「起訴相当」議決とは異なり、検察審査会が再審査して強制的に起訴する仕組みはない。安倍元首相に対する捜査は終結することになる。
衆院厚生労働委員会で質問に答える新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(左)。右は田村憲久厚労相=国会内で2021年9月15日午前10時半、竹内幹撮影 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は15日の衆院厚生労働委員会の閉会中審査で、「一生懸命ワクチン接種を頑張っても、すぐにこの疾患を制圧してゼロにすることはできない」と前置きした上で、コロナとの闘いが続く期間について「2~3年プラスかかる」と述べ、当面続くとの見通しを示した。 立憲民主党の尾辻かな子氏への答弁。今後…
この人にとって、政治とは結局、権力闘争以外の何ものでもなく、人々のいのちや暮らしには何の関心も持っていなかったのではないだろうか。 9月3日、菅義偉首相の退陣表明をテレビで見ながら、私はそんな印象を拭うことができなかった。 菅首相が自民党総裁選への不出馬に追い込まれた直接的な要因は、党内での求心力を失ったことにあるが、その背景には今夏、デルタ株の感染が爆発的に広がり、政府の感染対策への批判から支持率が急落したことがあるのは間違いない。 そんな菅首相を擁護しようとして、麻生太郎財務相は7日、「(感染は)まがりなりに収束して国際社会の中での評価は極めて高いと思う」と、耳を疑うような発言をおこなった。 事実ではない虚偽の情報を事実であるかのように強弁する麻生氏の言動は、米国のトランプ前大統領が多用した「オルタナティブ・ファクト」という手法を思い起こさせるものだった。 今から1年前に首相に就任した
菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否してから、まもなく1年。従来の政府見解では「政府が行うのは形式的任命にすぎない」とされていた会員人事への介入は、菅氏の官房長官時代に始まったとされ、首相就任から間もない昨年9月28日、学術会議側が推薦した候補から6人を除いた99人を任命する人事案を決裁した。なぜ介入にこだわったのか――。2011~17年に学術会議会長を務め、官房長官だった菅氏へ数回にわたり人事案の説明をしてきた大西隆・東京大名誉教授(都市工学)が、当時の経緯を踏まえつつ、菅氏の政治手法を論評した。【聞き手・岩崎歩/科学環境部】 他の政策と共通する「乱暴な手法」 ――当時、官房長官としての菅首相の役割をどう見ていましたか。 ◆学術会議の会員候補についても、結局は担当の官房副長官が「前さばき」をして、菅さんはある程度そこに任せていたように思います。官房長官だった菅さんに私が会い
閣議後の記者会見で菅義偉内閣の評価について答える麻生太郎副総理兼財務相=東京都千代田区の財務省で2021年9月7日午前11時10分、町野幸撮影 麻生太郎副総理兼財務相は7日の閣議後の記者会見で、自民党総裁選に菅義偉首相が不出馬を表明したことに関し、「(新型)コロナ(ウイルス感染拡大)はまがりなりにも収束し、まっとうしたという思いがあったのだと思う。尊重すべき判断だ」と述べた。東京都などの感染者数は減少傾向を見せているが、全国各地で病床逼迫(ひっぱく)が続いており、閣僚が「収束」と発言したことは議論を呼びそうだ。 麻生氏は、6日の東京都の新規感染者数が約1カ月半ぶりに1000人を下回ったことに触れ、「コロナはまがりなりにも収束して国際社会の中の評価は極めて高い。そういった意味では『まっとうした』という思いが(菅首相に)あったことは確かだ。私はそこの部分が(不出馬表明の理由として)一番大きかっ
日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否し、その理由を明かさぬまま、菅義偉首相が退陣する。1年近くこの問題に振り回され続ける元会員らは、任命拒否であらわになった「説明不足」や「学術軽視」といった首相の姿勢が、新型コロナウイルス感染拡大の中で国民の不信を招き、短命政権につながったとみる。 「政治家は国民にきちんと説明し、納得してもらうことが大事だが、それができないトップだった。資質の欠如は学術会議の問題で露呈し、不信感を生む構図がずっと続いてしまった」。2011~17年に学術会議会長を務めた大西隆・東京大名誉教授はそう話す。 任命拒否は首相就任直後の昨年10月1日に判明した。会議側の推薦に基づき優れた研究業績を持つ105人が新会員となるはずだったが、…
自民党総裁選不出馬について記者団の質問に答え、一礼する菅義偉首相=首相官邸で2021年9月3日午後1時9分、竹内幹撮影 菅義偉首相(72)は3日、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に立候補しない考えを首相官邸で記者団に表明した。 「全力でこの危機を乗り越える。皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げます」。政府が緊急事態宣言の延長・拡大を決めた8月25日の記者会見で、菅義偉首相は後に批判を浴びた「明かりははっきりと見え始めている」という楽観論に続けて、国民に感染対策徹底や行動自粛を呼びかけた。頭を下げる首相の姿は、もはや「恒例行事」のようにも映っていた。 就任以来、宣言の発令と解除を繰り返す一方で、首相が示した「これが最後」という楽観的な見通しは何度も裏切られた。不自由な生活を強いられる国民はいらだちを募らせ、頂点に達しつつあるその不満が、菅政権の継続を不可能にした最大の要因だ。 菅首
「『よし、こうすれば俺も頑張れるんだ』。そういう気持ちを持つことが大事です」と語る谷垣禎一さん=東京都内で2021年7月13日、宮武祐希撮影 不慮の事故から5年がたった。電動車いすが欠かせない生活を送っている。 「政治家として、障害者という存在について一定の理解をしていたつもりでした。でも、頭で考えていたのと、自分が現実に障害者になるというのは全然違うことでした。『ああ、こういうのが障害者なんだ』と」 第24代自民党総裁で元衆院議員の谷垣禎一さん(76)。弁護士から政界に転じ、財務相、国土交通相などを歴任した。滑舌の良い話しぶりは健在だが、発音しづらい時もあるのか言葉に詰まることがある。さらに手や首が意思に反して不規則に動いてしまう。 通い詰めた永田町を離れ、一日の大半を東京都内の自宅で過ごす。朝起きると、サイクリングウエアを身にまとう。「体が自由に動かないものですから伸縮性のあるものでな
自民党の石破茂元幹事長は20日のBSフジの番組で、党総裁選への対応について「新型コロナウイルスの感染拡大で国民が恐怖におののき、(菅義偉首相ら)みんなが一致して向かっている時に『私がやります』とは、その気があろうがなかろうが口の端に乗せるべきではない」と述べ、現状では自身は立候補せず、首相の再選が望ましいとの考…
新型コロナウイルス感染症対策本部の会合後の記者会見を終え、会見室を出る菅義偉首相(左)と新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=首相官邸で2021年8月17日午後10時3分、竹内幹撮影 東京オリンピック・パラリンピック開催に関し、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため「待った」をかけようとした専門家有志は、政府・与党からの「圧力」にさらされた。感染症の専門家としての立場を貫こうとする一方、開催に突き進む政府側と乖離(かいり)した提言をとりまとめれば国民の混乱を招きかねないとのジレンマもあった。「政治と科学」の溝は埋まるのか。【原田啓之、金秀蓮】 「圧力」受けても「五輪に沈黙はない」 「ルビコン川を渡りますが、深そうですよ」。政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の尾身茂会長(72)ら、専門家有志が五輪についての提言づくりを進めていた今年5月。東京都内で開かれた専門家だけの会合
日本医師会の中川俊男会長は18日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制が逼迫(ひっぱく)しているとして、大規模イベント会場や体育館を利用した臨時の医療施設を設置すべきだとの認識を示した。いわゆる「野戦病院」の設置を提言したもので、「一番の目的は、中等症患者の入院場所とイメージしている」と語った。 中川氏は会見で「民間所有も含め、大規模イベント会場、体育館、ドーム型の運動施設を臨時の医療施設として、集中的に医療を提供する場所を確保することを提案する」と述べた。広いスペースにベッドを並べることで、患者の急変などを察知しやすい点をメリットに挙げた。実現に向けては医療従事者の確保が課題で、中川氏は地域の医師会や看護協会の協力を得たい考えを示した。
自民党の二階俊博、公明党の石井啓一両幹事長ら自公両党の幹部5人は17日、東京都内のホテルで昼食を共にし、食後に新型コロナウイルス対策などに関して意見交換した。新型コロナ感染が急拡大する中、政府は国民に対し、家族同士または4人以下での会食を求めている。参加した公明党の高木陽介国会対策委員長は、「会食ではない。打ち合わせの前にそれぞれ昼食を『黙食』でとったということだ」と記者団に説明した。 昼食会が行われたのはホテル内の日本料理店の個室で「換気の良い広い所でスペースを取って『黙食』をした。その後、マスクをつけて意見交換した」(高木氏)という。自民党の森山裕国会対策委員長、林幹雄幹事長代理も参加した。高木氏によると、参加者全員がワクチンを2回接種済みだという。
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