【ベルリン 3月28日 時事】ドイツ政府が打ち出してきたイスラエルへの支持が、限界に近づいている。パレスチナ自治区ガザの人道状況が改善しないことや、民間人の犠牲が避けられないガザ最南部ラファへの侵攻に傾くイスラエルの強硬姿勢に、閣僚らの批判的な言動が目立ち始めた。「国是」と位置付けるイスラエル支持と、人道重視の理念の板挟みになっている。 「イスラエルには自衛の権利があるが、身を滅ぼすことにつながるやり方ではいけない」。ベーアボック独外相はイスラエルを訪れた26日の声明で、ガザでの軍事作戦に苦言を呈した。ショルツ独首相も17日、「ラファの150万人もの命が脅かされることはあり得ない」と、ラファ侵攻への反対姿勢を明確にした。 イスラエルと後ろ盾の米国との溝が深まる中、ドイツだけがイスラエル擁護で突出するのを回避したい思惑もありそうだ。独誌シュピーゲルは、ベーアボック氏のイスラエル訪問が従来のよ