「厩焚けたり。子、朝より退きて曰く、人を傷えりやと。馬を問わず」 「子、四を以て教ふ。文、行、忠、信!」 私立・東京いずみ幼稚園(足立区)の朝の風景。教師がホワイトボートに貼った論語のフレーズを指示棒で指すと、子どもたちが元気な声で読み上げる。ふりがなはいっさい付けられていない。書かれているのは漢字とレ点などの返り点のみ。論語だけではない。「無我夢中」「傍若無人」「粉骨砕身」「付和雷同」……。教師が四字熟語の書かれたカードを次々と見せると、子どもたちは即座に反応して読み上げる。 月日の表示は「神無月」(10月)と旧暦も掲示。各クラスの入り口には漢字で「蒲公英(たんぽぽ)」「薔薇(ばら)」などと書かれた札が掛けられている。園歌の歌詞など教室の掲示物もすべて漢字で表記。子どもたちのスモックや体操着についている名札もすべて漢字で書かれ、それを見てお互いの名前を呼び合う。