立教大学経済学部教授 郭 洋春 氏 「特区」構想が日本国内に浮上したのは、2002年10月に米国が送ってきた「対日年次改革要望書」(注1)による。当時の要望書では、「特区で成功した事項は可及的速やかに全国レベルに拡大する」ことを要求している。特区を突破口として、日本の社会構造を破壊しようとするのが米国の目的である。この要求の究極の狙いは、新自由主義の考え方に基づき、「外国企業などのために、『不要な規制』を外すこと」と「企業が最も儲かる社会をつくる」ことである。 そして、2013年12月に、「特定秘密保護法」の採決を巡って国会が紛糾していた陰で、密かに、その実行推進の根拠となる「国家戦略特別区域法」が成立した。このことは、日本国民にとって、どのような意味を持つのだろうか。 話題の近刊、『国家戦略特区の正体』(集英社新書)の著者である、立教大学経済学部教授、郭洋春氏に聞いた。 特別経済区は途上