サマリー:前回から引き続き、知の創造の動的プロセスについて解説していく。野中教授はSECI理論を30年以上も前に生み出した。しかし、この理論こそ現代に必要なものである。これからAIが人を代替すると言われる時代で、SECIモ... もっと見るデルは、「なぜ生身の人間こそが、知の創造に必要なのか」を、圧倒的な説得力で説明しているのである。本稿は『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社、2019年)の一部を抜粋し、紹介したものである。 閉じる ──前々回の記事:これからの時代こそ、「野中理論」が必要になる(連載第39回) ──前回の記事:知識を創造するSECIモデルの根幹にあるもの(連載第40回) 知の創造の動的プロセス SECIモデルの根幹は、組織内における個人と個人、あるいはより多くの人たちの間での、暗黙知と形式知のダイナミックな相互作用である。図表1でいえば、2つの氷山がぶつかりあい、その海