2011年春の叙勲受章者のうち、旭日小綬章を受章した久里洋二さん(83)に喜びを聞いた。 ◇ 旭日小綬章 アニメーション作家、漫画家 久里洋二さん 83 ◇ 男女関係や人間をアナーキーな精神で風刺するアートアニメを手がけ半世紀。「しばらく引っ込んでたから、受章でまだ生きてたのかと思われるのもうれしい……」。日本アニメの実力を世界に広めた先駆者だ。 横山泰三に師事し一コマ漫画家として出発した。1958年頃「これからはテレビの時代」と漫画で得た原稿料をつぎ込み高額なドイツ製カメラを購入。独学で短編アニメの制作を始め、62年の「人間動物園」がベネチア映画祭青銅賞など11の賞を獲得、その後も「殺人狂時代」などが世界で評価された。64年から18年間、日本テレビの深夜番組「11PM」用に毎週アニメを制作したが「一人でやってるからつらかった」という。