ブエノスアイレス――アルゼンチンの軍政時代(1976─83年)に起きた人権侵害の罪で逮捕直前にあった元警察幹部が自宅に詰め掛けるテレビ局などメディア陣の前で21日、短銃を抜き自殺する衝撃的な事件があった。AP通信が伝えた。 マリオ・フェレイラ氏(63)で捜査員が軍政時代に起きた反政府派、関係者の行方不明、拷問、殺害などに関連し逮捕するため到着した際、自殺した。45口径の短銃を取り出し、妻に別れを告げる言葉を吐いた後、こめかみを撃ち抜いていた。 テレビ局との会見を終えた直後の行動で、カメラは自殺の模様もとらえ、後で放映した。 妻は夫の無実を裏付ける文書があると主張している。軍政時代に行方を絶った反政府派や関係者の数は政府発表で約1万3000人。人権擁護団体は3万人に近いと主張している。