「耳がふたつで、口がひとつなのは、人の話を自分が話す量の倍聞くため」、といったことを本や新聞のインタビューなどで目にします。人間の耳と口の数が、こういう教訓めいたことに関係しているとは思えませんが(犬や猫だって同じだし)、この2:1の割合は、人とのコミュニケーション術として大事にしたいバランスだと思っています。去年、我が家に若い男の子が遊びにきて、二時間ほどランチを囲んでおしゃベリをしましたが、その彼、ひたすらえんえんと自分の仕事に関する話をし続けて、帰るまでずっと「自分のやっていることがどんなことか」「人からどのように認められているか」「自分の所属している組織がどんなに立派か」「今後、どのようなことで手柄をあげたいか」、などの話で終始しました。我々も彼との出会いが久しぶりだったので、あまり口をはさまずに聞き役に徹したのですが、さすがに見送ったあと「あれだけ自分の話だけしかしない人間は珍し