アメリカン・フットボールで日本一を経験、ソニー時代にはFIFAのグローバル広告戦略を担当し、現在は世界最大のスポーツマーケティングリサーチ企業レピュコムジャパンの代表取締役社長を務める秦英之氏。幼少期はスポーツビジネスの本場米国で過ごすなど、あらゆる立場で一流のスポーツ現場に触れてきた同氏に、これまでの歩みと日本のスポンサーシップにおける課題について話を伺った。 インタビュー・文=細江克弥 写真=兼子愼一郎 ――アメフトに没頭していた秦さんが、スポーツとビジネスを結びつけて考えるようになったのはいつ頃のことなのでしょうか? 秦英之 明治大学を卒業してソニーに入社し、リチウムイオン電池を製造する部署に配属されました。電池は製品に内蔵されるものも多く、つまり“ソニー製品”として表に出ることは多くありません。それでも、本気になって開発に携わっている職人さんたちと向き合っているうちに、私自身もそう