2010年09月04日15:07 カテゴリ 8月35日土曜日提出の読書感想文 『赤い草』 ボリス・ヴィアン 伊東守男訳 早川書房, 1978 この作品の筋書きの解説 「記憶除去の企てに挫折する若者たち」 以上。 主人公ウルフは人生に絶望しきっている。彼の人生観によると、人は生まれながらにしてすり切れはじめ、人生とはひたすらにすり切れていくことだ、というものになる。このような人生観は他の作品にも顕著であることから、それはボリス・ヴィアンの人生観そのものであったのだろうということがわかる。ボリス・ヴィアンの作品がどれも狂騒的でありながらゾッとするほどのかなしみをたたえているのは、ひとえにこのような彼自身の人生観のためだ。なぜならばこのような考え方は虚無主義以上に虚無的であり、救いがないからだ。フォローの仕様のない孤独と磨耗あるいは自滅と破滅こそが人生。そのあまりの救いのなさに、思わずわらいがで
人生を滅ぼした女から、何を学ぶか。 「女とは愛すべき存在であって、理解するためにあるものではない」といったのはオスカー・ワイルド。これは、夫婦喧嘩という名のサンドバック状態になってるとき、かならず頭をよぎる。 結論から言う。論理的に分かろうとした時点で負け、相手の感情に寄り添えるならば、まだソフトランディングの余地はある。 しかし、夫と不倫相手は、そこが分かっていなかった。体裁を繕うことに全力を費やしたり、売り言葉に買い言葉で応じたり。優越感ゲームや記憶の改変、詭弁術の駆け引きは目を覆いたくなるが、それはわたしの結婚でもくり返されてきたことの醜い拡大図なのだ。 投げつけあう「あなたの言っていることが分からない」の応酬は、「どうせ分かってるくせになぜそういう態度をとるの?」の裏返しだ。大いに身に覚えがあるわたしには、ヴロンスキー(不倫相手)の利己的な愛の吐露が身に染みる。 「じゃあ言ってくれ
今日は、脱サラして自分でビジネスを持ちたいと考えている人が読むととてもためになって面白い本を5冊紹介します。 1.やりがいある仕事を市場原理のなかで実現する! 渡邉正裕 MyNewsJapanを創業した渡邉正裕さんの本です。 渡邊さんは日経新聞の記者のあとIBMのビジネスコンサルタントを経て、完全に独立したニュースサイトを起ち上げました。 やはり日経の記者とコンサルタントをやっていただけあって、勝算がどれぐらいあってどういう動機で起業したかが具体的にとても分かりやすく書いてあって面白いです。 出版された時点での売り上げやアクセス数なども全部生々しく公表してあります。 ちなみに著者は日経の記者時代に自身のホームページを持っていたらしく、そこで記者クラブの利権や、取材先から賄賂づけにされている実態などを書いていて、会社とケンカして裁判にまでなっています。 いやー、いいですね。ファイターです。
↑就職しないで生きるには(上の図版は旧版。現在刊行中の表紙は色が違っているが中身は同じ) レイモンド・マンゴーの『就職しないで生きるには』は、1979年にアメリカで初版が出版され、81年に晶文社から日本語版が刊行されました。今なお現役で刊行されている大ロングセラーであります。 俺は最初の邦訳刊行時に読んだんですが、81年といえば、俺が20歳から21歳にかけての年であります。まだ20歳だったこの年の春、俺は学校を中退して、家出したのでした。それからしばらくはホームレス状態が続き(最初の半年は本物のホームレス。野宿こそしなかったが友達のアパートを転々としていた)、お先真っ暗な状況だったのですけど、そういう時に、本屋でこの本を目にしたのでした。俺の心情そのままのタイトルは、衝撃的でした。 本書を一言で説明するなら、「ドロップアウトした人のための“起業のすすめ”」であります。ドロップアウトを直訳す
その後の追悼・ほんとうのさようなら/栗本薫 (記・09.05.30) 浜名湖うなぎさんと栗本薫 中島梓・追悼ファンブックを刊行しています。 新刊は栗本薫とJUNE。(11.07.03)。通販サイトはこちら。 胸くそわりぃ。 栗本薫がついに死にくさりやがったってんで、追悼がわりに生前に絶賛していたコンビーブごはん、作ったんだが、胸焼けするくそまずさ。最悪だ。 米三合にコンビーフ三缶、バター、コンソメ、塩コショウで炊き込むって、馬鹿じゃなかろうか。三缶きちんと入れたのかって、入れるわけねーだろ。一缶入れた段階で、釜の中は阿鼻叫喚、見た目ほとんどゲロ。ふざけんなっての、俺を殺す気か。 色々と見なかったことにして炊き込んでみたが、台所に立ち込めるこのいやな脂の匂い。仕上がり釜を見て笑ったね。なんだよ、これ。全てが赤黒いでやんの。 飯は脂を吸ってくっさいは、残った赤肉はパッサパサで見た目は糸ミミズの
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