乱暴者で嫌われ者とされてきたタイ・カッブだが、大打者の真の姿に迫った人物がいる。チャールズ・ラーセン氏は多くの資料を集め、関係者を取材して今年5月、伝記「タイ・カッブ~ア・テリブル・ビューティー~」を出版した。これまで解き明かされてこなかったカッブの実像を語った。 タイ・カッブは最もエキサイティングな選手だった。投手が3球投げる間に、一塁から二盗、三盗、本盗に成功した。ある人は「ベーブ・ルースが本塁打を打つよりも、カッブが四球で出塁したときの方が興奮した。なぜなら、本塁打は柵越えすればそこで終了だが、カッブは出塁したときからが興奮の始まりだから」と言った。イチローも、同じタイプのエキサイティングな選手だと思う。 カッブの人物像を伝える話には、かなりの虚飾が盛られている。私は伝記を執筆するために多くの取材と調査を行い、それを知った。 なぜ彼に悪評がついて回るようになったのか。実は、たった1人