さて、世界各地のさまざまな地域集団のミトコンドリアDNAを分析し、突然変異を鍵にして、DNA配列の似た者同士をまとめていくと、いくつかのグループに分かれる。このグループのことを「ハプログループ」といい、系統関係を示したのが次の図だ。アフリカを出た人類が、世界の各地へと広がっていく道筋が大まかにわかるだろう。 「人類の共通祖先は図の左上のL0です。約6万年前にアフリカを出たグループは、L3から派生したMとNのハプログループに分かれます。Mはアジア人だけから構成されるグループで、Nはユーラシア大陸の東西、ヨーロッパとアジアへとその分布を広げていきました」 ところで日本人はどのようなハプログループから構成されているのだろう? 次の図は、日本人の持つハプログループの割合を示したものだ。日本人1000人以上のデータから計算されたという。 日本人の持つ各ハプログループの割合 「日本人にもっとも多いハプ