・呼吸入門 「声に出して読む日本語」などで有名な斉藤孝氏による呼吸のノウハウ本。「私は呼吸法研究に自分の生活すべてを賭けていた。」という同氏は若い頃に呼吸法研究にのめりこんだことがあったらしい。この本ではその二十年間に及ぶ研究のエッセンスが紹介されている。 真髄は「鼻から三秒呼吸を吸って、二秒お腹の中にぐっと溜めて、十五秒間かけて口から細くゆっくり吐く」という三・二・十五の斎藤式呼吸法である。「息を長くゆるく吐き続けることによって、セロトニン神経系という攻撃衝動を抑える神経系がうまく働き出すのです。」などという効能の説明もあるのだが、なにより、これを実際にやってみると気分が落ち着く。 「息をどれだけ長く深く続けることができるか、息と動きをどれだけ連動させることができるか---息の力とはこの二点にクリアに集約されます。というのも、動きと連動した深く長い息こそが、モードの持続力を決定する。それ