ウクライナ侵攻で「AI偽ゼレンスキー」動画が拡散した、その背後にある本当の脅威とは――。 AI(人工知能)によるフェイク動画の手法「ディープフェイクス」を使った、ウクライナ大統領のウォロディミル・ゼレンスキー氏の「偽者」動画が3月16日にネットで公開され、フェイスブック、ユーチューブなどが相次いで削除する騒動があった。 「AI偽ゼレンスキー」が「降伏声明」を出すというフェイク動画だった。 国の指導者になりすました「AIフェイク」が拡散することによる、安全保障などへの危険性は、数年前から繰り返し指摘されてきた。 その懸念が今回、現実のものになった。 だがその先には、さらに社会を揺るがす本当の脅威があるという。 「偽旗作戦」「偽ファクトチェック」そして「AIフェイク」。ウクライナ侵攻の情報戦は、さらに複雑化している。 ●「稚拙な挑発」 私は難しい決断をしなければならない。まず、私はドンバスを返