<北の大地で繰り広げられる壮大なアドベンチャーを通じて「アイヌ文化への関心を高めた」と政府も評価する漫画や回顧展に潜むプロパガンダ> 『週刊ヤングジャンプ』で連載されていた野田サトルの人気漫画「ゴールデンカムイ」が4月28日に完結した。漫画の完結に先駆けて、実写映画化が発表され、また雑誌発売直後から6月末まで、「ゴールデンカムイ展」が東京ドームシティで開かれている。 漫画の舞台は日露戦争後の日本。アイヌが隠したという金塊を求めて、元日本軍人の青年とアイヌの少女が様々なキャラクターと協力あるいは敵対しながら、北海道やサハリンを旅するというもの。登場する個性豊かなキャラクターの人間ドラマや、作中で紹介されるアイヌの食文化なども人気となり、ベストセラー作品となった。 しかしSNSでは『ゴールデンカムイ』の実写化や展覧会などのイベントや漫画の最終回に対して、アイヌの歴史についての無理解さが露呈して
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七三一(石井)部隊を主題としたマンガに山上たつひこ「十二因縁暴徒犯罪ニ関スル書類編冊」(『神代の国にて』小学館クリエイティブ、2008に収録)がある。大陸で残虐行為に関わっていた人々の戦後を冷たく描いたもので、悪魔の飽食以前にこう… https://t.co/2ow40qoiPl
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』の小梅けいとさんによるコミック版、1巻が先日発売となりました。僕も監修という形でお手伝いしています。多くの方に買って頂いているそうで、本当に嬉しいことです。 www.kadokawa.co.jp ところで、発売前から「コミック版は『可憐な女性兵士のけなげなエピソード集』『泣けて感動する話』として『消費』されてしまうのではないか」と危惧するご意見がありました。発売後もよくお見かけします。これはまったく正当な懸念です。 漫画というのは情動を刺激するメディアであり、まさにそこが強みです。強調するにせよ抑制するにせよ、ほぼ全ての漫画家はそこに自覚的です。おそらく誰が描いても感動物語になり得るでしょう。 そして、僕はこの作品で泣いたり感動したりエピソード集として楽しんでも別にいいのだろうと思うのです。自分の情動を止めることなどできますまい
漫画家の故・水木しげるさんが半世紀前に書いたとみられる未発表の随筆原稿が、東京都調布市の自宅から見つかった。陸軍二等兵として送られた戦場で左腕を失い、悲惨な経験を漫画で伝えたいという水木さんの思いに反し、読者や版元から「勝ち戦」の話を求められる葛藤が記されている。 「ぼくが書きたいのは敗け戦さの話だったんだが、それはゆるされないのだ。少年たちは花々しいガダルカナル戦あたりまでしか読んでくれないのだ」 随筆は原稿用紙1枚に鉛筆で書かれ、書斎のファイルに挟んであったのを次女が見つけた。当時の大人向けの漫画誌「ガロ」(青林堂)向けに1967年ごろ執筆されたとみられる。売れずに廃刊になった貸本を作っていた漫画家2人の名前を挙げており、水木さんと親交の深かった作家の京極夏彦さんは「この漫画家たちを気遣って掲載を見送ったのでは」と話す。 随筆では、水木さんが60年…
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