<原子力ムラの実態、つけを払わされる国民。原発取材を重ねてきた記者による『なぜ日本は原発を止められないのか?』> 1月1日に起きた能登半島地震によって、原発に対する不安がさらに大きくなったという人は少なくないだろう。事実、震度7を記録した石川県志賀町に位置する北陸電力志賀原発がもし稼働していたら、福島第一原発事故に匹敵する最悪の事態となっていただろうとも言われる。 そもそも、日本には原発が多すぎる。なにしろ2011年の東日本大震災発生前、この狭い国には54基もの原発があったのだ。事故後には21基の廃炉が決定したが、2023年9月時点で12基が再稼働。推進派の意見もいろいろあろうが、あれだけの事故を起こしていながら、今なお原発を止めることができないというのは明らかに不自然だと思う。 しかも、処理水の海洋放出から影響を受ける漁業関係者がそうであるように、原発に関連するさまざまな"つけ"を払わさ