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ブックマーク / morningrain.hatenablog.com (8)

  • アビジット・V・バナジー& エステル・デュフロ『絶望を希望に変える経済学』 - 西東京日記 IN はてな

    2019年にノーベル経済学賞を受賞した2人(マイケル・クレーマーも同時受賞)による経済学の啓蒙書。2人の専門である開発分野だけでなく、移民、自由貿易、経済成長、地球温暖化、格差問題と非常に幅広い問題を扱っています。 著者らが得意とするのはRCT(ランダム化比較試験)を使った途上国での研究で、書もマクロ経済学の理論に対して、ミクロ的な視点から「当にそうなのか?」と問い直すものが多いです。 経済成長に関する部分など、意見が分かれる部分もあるかとは思いますが、全体を通じて非常に面白く、刺激的な内容になっていると思います。 目次は以下の通り。 1 経済学が信頼を取り戻すために 2 鮫の口から逃げて 3 自由貿易はいいことか? 4 好きなもの・欲しいもの・必要なもの 5 成長の終焉? 6 気温が二度上がったら… 7 不平等はなぜ拡大したか 8 政府には何ができるか 9 救済と尊厳のはざまで 結論

    アビジット・V・バナジー& エステル・デュフロ『絶望を希望に変える経済学』 - 西東京日記 IN はてな
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    cybo 2020/07/25
  • ダロン・アセモグル&ジェイムズ・A・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』  - 西東京日記 IN はてな

    それぞれ数多くの論文を発表し高い評価を得ているアセモグルとロビンソンが「経済成長はどのような条件で起こるのか?」という大テーマについて論じた。読もうと思いつつも今まで手が伸びていなかったのですが、授業でこのと似たようなテーマを扱うことになったので、文庫版を手に入れて読んでみました。 目次は以下の通り。(第1章〜第8章までが上巻、第9章以降が下巻) 第1章 こんなに近いのに、こんなに違う 第2章 役に立たない理論 第3章 繁栄と貧困の形成過程 第4章 小さな相違と決定的な岐路―歴史の重み 第5章 「私は未来を見た。うまくいっている未来を」―収奪的制度のもとでの成長 第6章 乖離 第7章 転換点 第8章 領域外―発展の障壁 第9章 後退する発展 第10章 繁栄の広がり 第11章 好循環 第12章 悪循環 第13章 こんにち国家はなぜ衰退するのか 第14章 旧弊を打破する 第15章 繁栄と貧

    ダロン・アセモグル&ジェイムズ・A・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』  - 西東京日記 IN はてな
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    cybo 2019/12/14
  • 遠藤晶久/ウィリー・ジョウ『イデオロギーと日本政治』 - 西東京日記 IN はてな

    まず、こののインパクトは帯にも書かれている、「維新は「革新」、共産は「保守」」という部分だと思います。 若年層に政党を「保守」、「革新」の軸で分類されると、日維新の会を最も「革新」と位置づけるというのです。そして、以下のグラフ(134p図5.1)から読み取れるように、20代が無知だからというのではなく、20〜40代に見られる現象なのです。 書は、さまざまなサーベイなどを通じて現在の日の有権者の政治意識を明らかにしようとしたです。ソ連の崩壊や社会党の退潮、小選挙区比例代表並立制の導入と新進党、民主党といった野党の誕生の中でも、政治を語る言葉はそれほど変化しませんでしたが、冒頭にもあげた「保守/革新」の変容などをサーベイによって示すことで、若い世代に起きている政治認識の変化を浮き彫りにしています。 さらに都知事選に出馬した田母神俊雄の支持層から分析した日の極右層の姿や、若者の「自民

    遠藤晶久/ウィリー・ジョウ『イデオロギーと日本政治』 - 西東京日記 IN はてな
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    cybo 2019/07/16
    現政権に関して言えば「雇用」だと直感的には思うが, はてさて. > 「なぜ日本の有権者(特に若者)が保守化したかではなく、自民党がどのように左派からの支持を取り付けているのかが問われるべき」
  • ローレンス・サマーズ、ベン・バーナンキ、ポール・クルーグマン、アルヴィン・ハンセン著/山形浩生編訳『景気の回復が感じられないのはなぜか』 - 西東京日記 IN はてな

    サマーズが口火を切り、バーナンキやクルーグマンとの間で2013〜15年にかけて行われた長期停滞論争を山形浩生が訳しまとめたもの。アルヴィン・ハンセンは1930年代に長期停滞という概念を提唱した経済学者で、このにはその演説「経済の発展と人口増加の鈍化」の抄訳も収録されています。 目次は以下の通り。 はじめに――長期停滞論争(山形浩生) 1 アメリカ経済は長期停滞か?(ローレンス・サマーズ) 2 遊休労働者+低金利=インフラ再建だ! ――再建するならいまでしょう! (ローレンス・サマーズ) 3 財政政策と完全雇用(ローレンス・サマーズ) 4 なぜ金利はこんなに低いのか(ベン・バーナンキ) 5 なぜ金利はこんなに低いのか 第2部――長期停滞論(ベン・バーナンキ) 6 なぜ金利はこんなに低いのか 第3部――世界的な貯蓄過剰(ベン・バーナンキ) 7 バーナンキによる長期停滞論批判に答える(ローレン

    ローレンス・サマーズ、ベン・バーナンキ、ポール・クルーグマン、アルヴィン・ハンセン著/山形浩生編訳『景気の回復が感じられないのはなぜか』 - 西東京日記 IN はてな
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    cybo 2019/07/12
  • ジェリー・Z・ミュラー『測りすぎ』 - 西東京日記 IN はてな

    民間企業だけでなく、学校でも病院でも警察でも、そのパフォーマンスを上げるためにさまざまな指標が測定され、その指標に応じて報酬が上下し、出世が決まったりしています。 もちろん、こうしたことによってより良いパフォーマンスが期待されているわけですが、実際に中で働いてみると、「こんな指標に意味があるのか?」とか「無駄な仕事が増えただけ」と思っている人も多いでしょうし、さらには数値目標を達成するために不正が行われることもあります。 この現代の組織における測定基準への執着の問題点と病理を分析したのが書になります。著者は『資主義の思想史』などの著作がある歴史学部の教授で、大学の学科長を務めた時の経験からこのテーマに関心をもつことになったそうです。文190ページほどの短めのですが、問題を的確に捉えていますし、紹介される事例も豊富です。さらに、現在「新自由主義」という曖昧模糊とした用語で批判されてい

    ジェリー・Z・ミュラー『測りすぎ』 - 西東京日記 IN はてな
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    cybo 2019/07/12
    「右派も左派も正しいと考えている政策」を疑うって大事やなぁ. とはいえ, 人間の「統計に関する直感」が当てにならんのも(強めの)傾向としてある訳で, 結局「上手い付き合い方」みたいな所に着地するしかない.
  • 善教将大『維新支持の分析』 - 西東京日記 IN はてな

    ここ最近、「ポピュリズム」という言葉が、政治を語る上で頻出するキーワードとなっています。アメリカトランプ大統領に、イギリスのBrexit、イタリアの五つ星運動にドイツのAfDと、「ポピュリズム」というキーワードで語られる政治勢力は数多くいるわけですが、では、日における「ポピュリズム」といえば、どんな勢力がそれに当てはまるでしょうか? そこで、小泉純一郎や都民ファーストの会と並んで、多くの人の頭に浮かぶのが、おおさか維新の会でしょう。特に代表を務めていた橋下徹は多くの論者によって代表的な「ポピュリスト」と考えられていました。 「橋下徹という稀代のポピュリストによって率いられ、主に政治的な知識が乏しい層から支持を調達したのが維新である」というイメージは幅広く流通していたと思います。 しかし、このはそうしたイメージに対し、実証的な分析を通じて正面から異を唱えるものとなっています。 目次は以

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    cybo 2019/02/06
    「自分も「大衆」という概念を持ちだして現実の政治を憂いてみせるような議論にはほぼ意味がないと考えているので、そうした印象論をデータを用いて打ち砕くこの仕事は非常に貴重なもの」
  • ジョージ・ボージャス『移民の政治経済学』 - 西東京日記 IN はてな

    近年は、移民への反発とそれを利用した「ポピュリズム」というものが世界の政治における1つのトレンドとなっています。 一方、日では昨年、出入国管理法が改正され、政府は否定しているものの、外国人労働者の受け入れに大きくかじを切ったと見ていいでしょう。つまり、日でも将来、移民の問題が政治の大きな争点となる可能性が出てきたわけです。 では、移民は実際に受入国にどんな影響をあたえるのでしょうか? 経済を成長させるのでしょうか? それとも減速させるのでしょうか? あるいは移民の受け入れによって損する人と得する人が出てくるのでしょうか? このアメリカのハーバード・ケネディスクールの教授で、長年、移民について研究してきた著者が、移民のもたらす影響をできるだけ詳しく分析しようとしたになります。 著者はキューバ生まれの移民で、アメリカが今後も一定の移民を受け入れていくことに賛成ですが、同時に移民のもた

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    cybo 2019/01/29
  •  竹中治堅編『二つの政権交代』 - 西東京日記 IN はてな

    2009年の民主党の政権獲得と2012年の自民党の政権奪還は政策をどのように変えたのか? これを8人の政治学者が核政策分野を分担する形で論じたのがこのになります。構成や執筆者からすると御厨貴編『「政治主導」の教訓』のその後を検証したようなといえるかもしれません(執筆者は砂原庸介と木寺元がかぶっています)。 そして、すべての分野ではないのですが、民主党政権→自民党政権の断絶を見るのではなく、そこに政策的な継続を見出しているのが書の特徴になります。 目次は以下の通り。 序章 政権交代は何を変えたのか(竹中治堅) 第1章 農業政策―政権交代がもたらす非連続的な米政策(濱真輔) 第2章 電力システム改革―電力自由化をめぐる政治過程(上川龍之進) 第3章 コーポレート・ガバナンス改革―会社法改正とコーポレート・ガバナンス・コードの導入(竹中治堅) 第4章 子育て支援政策(砂原庸介) 第5章

     竹中治堅編『二つの政権交代』 - 西東京日記 IN はてな
    cybo
    cybo 2017/03/15
    「このマクロ経済政策と財務省の失墜こそが、民主党政権と第二次安倍政権の断絶を示すものなのではないでしょうか」
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