Bread & Wine: An Erotic Tale of New York by Samuel R. Delany おきて破りのハードな愛の世界を描いた「絵入り小説」 前にも書いたが、1977年にアメリカへ行ったのが私の初めての海外旅行で、そのときは3か月ほどニューヨークでぶらぶらしていた。ホテルの近所にSFやファンタジーだけを売っている小さな本屋があったので、SF小僧だった私は、たびたびその店に足を運んだ。あとで知ったことだが、そこはニューヨークで最初にできたSFとファンタジーの専門書店だった。 店主のBさんが雑誌にコラムを連載している評論家だということは、なんとなく気がついていた。補佐役といった感じでそばに控えていたMさんは、長身の気さくな人で、3日とあけずにやってくる若い東洋人に興味を示し、どこからきたの、とか、どのホテルに泊まってるの、などとよく言葉をかけてくれた。この2人