足をサンバのように踏む軽快なステップ。そして力強いガッツポーズ。今年3月29日、東北地方太平洋沖地震を受けて急遽開催された日本代表対Jリーグ選抜のチャリティーマッチ。途中出場したカズこと三浦和良が、田中マルクス闘莉王の落としたボールにいち早く走り込みゴールを決め、久しぶりのカズダンスに日本中が熱狂した。 震災以降初めてともいえる明るいニュースに記憶されている方も多いだろう。翌日のスポーツ紙には「やはりカズは『持ってる』」という言葉が並んだ。 44歳、Jリーグ最年長。長らく日本のサッカー界をけん引し、日本で最も有名なサッカー選手、三浦和良。しかし今なお現役のカズが、どのような選手生活を送っているかはあまり知られてはいないのではないだろうか。 2010年の先発出場は1試合 『やめないよ』はそんな彼が日本経済新聞で隔週連載している5年分のコラムをまとめたものだ。そこに綴られているのは「持ってる」