労働政策研究・研修機構主席統括研究員 濱口桂一郎 昨年8月女性活躍推進法が成立しました。世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数で見ると、2015年には145か国中101位という状況です。日本の女性はなぜこんなにも活躍していないのでしょうか。実は欧米諸国だって、ほんの数世代前に遡れば頑固な男性優位社会でした。欧米で男女平等法ができたのは1960~70年代に過ぎませんし、法律の条文で見る限り、日本も欧米諸国に比べて遜色ないのです。ここには何か、女性の活躍を阻害する要因が日本の社会に働いているに違いありません。 欧米でもかつては男尊女卑の意識が強く、男の職場に女が進出してくることを忌み嫌うマッチョな男たちが一杯いました。しかし、ある人を採用するか否か、昇進させるか否かの判断基準は、あくまでもそのジョブを遂行するスキルがあるか否かです。ですから、公的な職業資格によって女性が正々堂々とそのジョブ