―― 藤野英人さんの著書『もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら』は、例えば竹とんぼのような道具で空を飛べる「タケコプター」が世の中に登場したら、人々の生活がどう変わるか、企業がどのようにビジネスチャンスを見出すか、それは株式市場にどのような影響を与えるかといった視点で経済の仕組みをまとめています。 奇想天外な事象ではありますが、でも不思議なことに身近な印象も持ちます。そもそも、なぜ「ドラえもんのひみつ道具」で経済を語ろうと考えたのでしょうか? 藤野 英人(以下、藤野) 構想そのものは5年ほど前からありました。もともと私は経済、そして投資の本質に迫るような話をしたいと思っていたのです。日本人って、経済や投資の話をしようとすると、ハードルが高いと遠慮してしまうのか、お金にがめついと思われるのが嫌なのか、敬遠しがちでしょう。でも、アメリカやヨーロッパ、中国など海外の方々と話をしていると、普