遂に『少年ケニヤ』について書ける日がやってきた。一度は原稿を書きたいと思っていたタイトルなのだ。『少年ケニヤ』は山川惣司が1950年代に発表した同名冒険小説を原作とした劇場アニメ。公開されたのは1984年3月10日。監督は「時をかける少女」等で知られる大林宣彦だ。『幻魔大戦』に続く、角川アニメ第2弾であり、制作プロダクションは東映動画(現・東映アニメーション)。共同監督としてクレジットされているのが今沢哲男だ。主人公のワタルが高柳良一、ヒロインのケートは原田知世と、角川映画でお馴染みの2人が主演を務めており(「時をかける少女」だと、深町一夫と芳山和子)、主題歌も、原田と同じ「角川3人娘」の1人である渡辺典子が歌った。ちなみに原田知世の芝居は『幻魔大戦』のタオよりはずっとよかった。細田守ファンには、高校生の細田守が参加できずに悔しがった作品として、記憶に残っているかもしれない(詳しくは単行本