とにかく、演出が何か思いつくたびに、作画、撮影、美術、制作のスタッフ各位に苦労を強いることになる(『アリーテ姫』の編成では、撮影部が仕上も行ってくれていた)。 制作途中からは、これにもう一部門増えてしまう。音響だ。 スタジオ4℃のプロデューサー・田中栄子さんは、日本アニメーションの出身なので、日本アニメの系列会社で同社作品の音響制作を担当している音響映像システムに縁があり、ここにお願いしよう、ということになった。 音響映像の所属で比較的若い録音監督に早瀬博雪君というのがいるので、彼と組んでみて、と栄子さんはいった。大御所の録音監督相手よりも、いいたいことがいえるよい関係になるかもしれない、という配慮をしてもらったのだった。早瀬君もそのあたりのことをよくわかった上で引き受けてくれて、こちらの意図をできるだけ汲もうという姿勢で臨んでくれたのがありがたかった。 音響の仕事としては大きくみっつ。す